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6話 かっこいいの種類が違う
しおりを挟む蓮side
ぎゅっと速水に抱きしめられて
思わずその場にとどまりそうになった
まるで【行かないで】って言われてるみたいで…
でも、【行かないで】とは言わない
それもそうだ。
だって…
俺たちは…カラダだけの関係なんだから…
そして、俺はあべちゃんの家に向かう
速水に抱かれて、その後にあべちゃんに抱かれる
あべちゃんに抱かれるのは回避したい…
でも、たぶん…ヤらないわけないよな…
最低だな…俺。
でも、あべちゃんなら好きになれるんじゃないかって思ったから
あべちゃんの家に着くと
『れんくんっ♡逢いたかったっ!!』
って、まるで大型犬がしっぽ振ってご主人様を出迎える様に俺に抱き着いてきた。
『ごめんっ。ほんとにごめんなっ。』
『いいんですっ。こうやって来てくれたから。』
にこっと笑う笑顔は国宝級にイケメンだ。
それなのに…胸は全然騒ぎ出さない。
苦しいくらいにドキドキしたりもしない。
…これでいい。これから好きになればいいんだから…
大丈夫…好きになれる。
まるで自分に言い聞かせるように心に刻んだ。
ソワソワしてるあべちゃんは、少し恥ずかしそうに
『あの…キスっ///しても…いいですか?』
ほんのり頬を染めて、言った。
何度かあべちゃんとえっちをしたけど、たぶん、今日もするだろう…
初心なあべちゃんはいちいち俺に確認をする。
キスしていいか?カラダに触れていいか?挿入れていいか?気持ちいいか?痛くないか?
きっと優しい人なんだろうなって思う。
だから、好きになれると思ったわけだし…
速水なんて…最初からそんな事俺に確認したことなんてなかった…
でも、速水の手はいつも優しくて、触れられるとドキドキするのに、安心して心地よくて気持ちがいい。
だから、俺は速水の虜になったんだと思う。
最初は単にえっちが上手いのだと思った。
けど…きっと、俺が速水との行為に驚くほど感じてしまうのはそれだけじゃない。
ゆっくりと近づいてくる端正な顔立ちのあべちゃん、そして、ぎこちなく触れる唇。
速水とは大違い笑
初心で真面目で…優しくて、超絶カッコいい…
速水のカッコイイの種類とまた違った種類のカッコイイだ
すらりとした長身に細長い手足
なのに…
『ごめん…俺、あんまり…キス…好きやないから。』
このキスを気持ちいいとは思えなくて…
何度かキスしたらあべちゃんとのキスに慣れるって思ってた。
でも、今、はっきりわかった。
速水以外とキスしたくない。
今は、キスしたくない。
さっきまで、速水とキスしてたからなのだろうか?
…大丈夫…きっと…そのうちに、慣れる
大丈夫…って自分に言い聞かせる
『あっ///…すみませんっ!!もうキスしませんからっ!!…』
『あ…別に…たまになら…』
あからさまに寂しそうな顔したあべちゃんに申し訳なくて…思わず言ってしまった。
『ホントですか?キスしてもいいですか?俺、れんくんとのキスめっちゃ好きです!!めちゃくちゃ気持ち良くてっ///…もう、幸せしかないです!!あっ…でも、俺だけですよね。きもちいいの。下手ですみません。あんまり…経験なくて…』
『あんまりじゃないだろ?初めてやろ?』
俺がからかうように言うと
『ありますよっ!!キスしたことあります!!ポッキーゲームとか…』
『わはっはっ!そうやな。それもカウントするならそうやな』
『っ//////俺、上手になりますっ!!』
『ええよ。あべちゃんはあべちゃんのままで』
『っ///れんくんっ///』
抱き締められて、やっぱりなんだか違う感じがしてしまう
熱っぽい瞳で見つめられて…
『おいおいっ。先に風呂入らせて』
『あっ///すみません!あんまり蓮くんが可愛い事言うからっ///ついっ…』
あべちゃんごめん。
逃げる様に浴室へ向かった。
速水に抱かれたままお風呂入ってなかったから…
さすがにそのまま抱かれるわけにはいかないよな…
…こんな最低な俺でごめんな、あべちゃん。
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