最低なふたり

白夜

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9話 えっちな俺

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蓮side


俺は、もう投げやりだった

ナカで出されるの嫌いじゃないから…。

『いいよ。ナカで…』

どれだけ欲しくても、与えてもらえず、どれだけ頑張ってもそこにたどり着けない


…速水…

心の中でそう呼んでいた

そんなの俺を知るはずもなく
『あっ///…すみませんっ///…イっ…///』

あべちゃんがそう言った後、すぐに俺のナカにあべちゃんの熱いものが放たれた

いつもなら、満たされてドクンドクンと吐き出されるソレを、一滴でも逃すまいとナカがきゅんとなる…

それなのに…今は、ナカの違和感しかなくて…

『…っ…あべちゃん…ごめん、抜いてもらってもいい?…ナカ…洗いたいから…』

『あっ…すみませんっ///気持ちよくてっ、///…つい、ナカに出してしまいました!すみませんっ!』

『全然いいよ。俺が、ナカでいいって言ったんだしし。』


あべちゃんのモノが俺のナカから抜かれて、それと一緒にたらりと流れ出すあべちゃんの精。

あべちゃんはその光景を食い入る様に見ていた。

…あぁ、速水もよく俺のナカから溢れる体液を見て興奮している。なんて、速水と重ねてみたりして…

『っ///…えろすぎっです///…』

あべちゃんは、あっという間に硬さを取り戻していた。

『っ///…れんくんっ///…』

俺の腕を掴んで、引き寄せようとするあべちゃんに

『おいっ!もう2回もイっただろ?…お腹…痛くなっちゃうから…風呂行ってきれいにしてくる…ごめん…もう、終わりでいい?』

『あ…そうですよね。すみませんっ///…なんかすごくっ…えろくてっ///』

俺は、そそくさと浴室へ向かった。

ごめん…あべちゃん。

そんな事くらいでお腹痛くならない。

速水も、俺のナカから溢れてくる体液を見つめては、【えろっ♡やばっ♡そそるっ♡】って良く言っているのを思い出す。

そして、そのままもう一回突っ込まれて、ナカに残る精液をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられて…それがまた気持ちよくてっ///なんて事、日常茶飯事だから…


俺は、浴室でナカに残るあべちゃんをきれいに洗い流した

涙が溢れそうになった

自分のクズさ加減に…

そして、速水を求めていることに…

あべちゃんに抱かれれば抱かれるほどに…
わかりたくもないのに、わかってしまう違いに、戸惑う

――頑張れば好きになれる

そう思っているのに…
頭でどれだけ考えていても、カラダと心が…追いついて来ない

速水との関係なんて…止めなくちゃいけないのに…

なんで?…

あべちゃんに抱かれれば、忘れられるって思ってたのに…

でも、実際は違った

抱かれれば抱かれるほどに、速水を求めてしまうし…

いやという程に…気づきたくもない想いに気づいてしまう


でも、速水は…だいきと付き合ってる。

俺たちはカラダだけの関係だから…

速水は俺を選ばない。

俺と速水は…カラダの相性がいいだけ…
カラダだけが俺たちを繋いでるだけ

シャワーに紛れた涙は、きっと誰にも見つからない

頭からシャワーを流して、
全て流れてしまえばいいのにと思った


シャワーを止めて、髪の毛をかき上げて、天井を仰いだ。
ふうっつと息を吐いて、気持ちを制してから

何事もなかった様に、ベッドに戻ると

正座をして待ち構えてるあべちゃんがいた

え?何?

『ごめんなさいっ///』

俺をみるなり情けない顔で謝りだした

『え?何?なんなの?』

『俺…俺ばっかり気持ちよくなってしまって…気が付けば、ゴムなしだったし、しかもナカに出すなんてっ…ごめんなさいっ!!』

『わははっ、改まって何かと思ったわ。別れ話でも切り出す勢いやったから』

『そんな事…言うわけありませんっ!俺から別れ話するなんてありえない!!俺、れんくんを益々好きになりました』


…どこに?益々好きになる要素あった?

ないだろ?

どちらかと言えば、引くわ!
俺は最低のクズだから。

キス嫌がったり、押し倒して勝手にナカに挿入したかと思えば、さっさと風呂入って…自分勝手すぎだろ?俺。


『っ///…えっちの時、れんくん積極的なんですねっ///なんか…そこも、いいっていうか…もう気持ちよすぎだしっ///』

おいおいっ。
そういうことは言わない方がいいと思うけど…。

えっちが上手いだけって聞こえるけど…?
まぁ、褒められて悪い気はしないけど。

そんなえっちな俺を作り出したのは…

速水だから…。


益々複雑に気持ちになる。
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