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感謝の番外編
興味深い魂の子sideバグ
しおりを挟む欲望
それは悪魔にとって何よりも重視されること。
遊びたいから遊ぶ
泣きたいから泣く
誰かを傷つけたいから傷つける
死にたいから死ぬ
どれも素晴らしい欲望であり、どれも大切な欲望だ。
しかし、人間はそうじゃない。
人間は欲望を丸出しにすることを嫌う。
欲のままに行動することを恥だと言う。
これは悪魔には理解出来ない思想だ。
生き物は欲望があるから輝かしく生きていける。
欲望がない生き物など生き物ではない。
人には欲望なんてないと口にする者がいるが、そんなはずがないのだ。
本当に欲望がないのであれば、その者は生きていないはずなのだから。
生きて欲望がない、などと発言している状態こそ欲望に生かされているのだと気がついていないのだろう。
そう、つまり我は人間はよく理解出来ぬ生き物であると言いたいのだ。
しかし、そんな人族の知人が出来た。
愚かな同族の被害者であるルナイス・アーバスノイヤー殿。
彼は魔界でも面白い魂を持った生き物として注目されていた人物だ。
最近ではマルコシアスが我らに彼が前世の記憶を持った人物であることを教えてくた。
そこが魂が歪な理由の一つであり、大きな要因であろうということ。
そしてルナイス・アーバスノイヤー殿には伝えていないが前世から恐らく魂を神か天使か上位体の存在に弄られた可能性があることも同胞たちと話し合った。
ここで魔族の探究心に火がついた。
ホルス殿を通じて龍神との対話を試みたところ、ルナイス・アーバスノイヤーについてのことのみ質問を許すとの返答があった。
「単刀直入に、ルナイス・アーバスノイヤーの魂があんなにも歪になった理由は?他と同じならばあんなに不安定で歪んだ魂にはならぬはずだ」
『其方の考察通り、あの子の魂は上位体の存在に触れられたことにより歪んでしまった。あいつは故意ではなく思わず触れてしまったのだと言うが…前の世界では見守ったがやはり影響があり、あの子にはいらぬ苦しみを与えてしまった。我があの子を愛子としたのはそれ故にだ。加護を与えたこと、そしてあの子の魂に合う魂がある世界に移した』
龍神の言葉にやはり!と我らは歓喜に湧く。
ルナイス殿からすればとんでもない不幸であろうが、そんなものは我らには関係ない。
あんな歪な魂が出来上がった理由が判明したこと、そして魂を歪めることが出来ることが知れたことが重要なのだ。
『ふっ愚か者どもめ。我が何の策も講じず貴様らに魂について教えるとでも思うたか』
上機嫌な魔族に放たれた言葉に我らはピタリと動きを止める。
『このことをルナイス本人以外に口外することを禁ずる。またルナイスに告げるのもあの子が知りたがった場合のみ許可する。善行な魂に手を加えることを禁ずる。この契約をお前達と話す前から交わしておるのよ、がはははは!』
龍神の笑いに魔族の数名が声を荒らげるが我含めほとんどの魔族は予想の範囲内だと鼻を鳴らした。
「何故我らにその事を教える気に?」
『どうやら一部の悪魔殿があの子のためになることをしてくれたようだからな。その礼よ…更に言えば…我がまだあの子の魂を歪めておいてのほほんとしておる彼奴への怒りが収まっておらんので、神とも対抗しうる存在である魔族にこの話をしてやろうという遊び心よ』
「なるほど」
龍神はこれ以上に話すことはなし、と早々に我らとの対話を辞めた。
神との対話はやはりとても疲弊する。
神はその声に恐ろしい程の神力を宿している。
故に…
「ぐっ!」
「がはっ!」
「っこ、これが」
力の弱い者は声を聞いただけで鼻血を出したり泡を吹いたり、気絶したりする。
だから神は人の前に滅多に姿どころか声すら届けない。
ただの生き物には神の声は力が強すぎるのだ。
さて、あの人の子、ルナイス殿はこの話を聞きたがるだろうか。
「あの子はともかく、我が子に伝えてやったら面白そうだ。契約がなければすぐに向かったのだがな」
マモンが心底面白そうに笑いながら言った言葉にこいつが人間を孕ました子がルナイス殿の伴侶であったことを思い出した。
「あの子やその伴侶、あの子の血縁者に伝えたところであなた方が面白くなるような事態にはなりませんよ」
マモンや我の様子をクスクスと笑うマルコシアス殿の言葉に再び脳内にあの人の子らを思い浮かべ、それもそうかと何だか残念な気持ちになりながら興味が失せたので、仕上げねばならん仕事へ取り掛かりに執務室へ移動する。
「バグ様、ルナイス・アーバスノイヤー様からお手紙でございます」
手渡された噂の人物からの手紙を見て、我は思わず笑ってしまった。
『最近変な夢を見るのですが、そちらの仕業でしょうか?どうせ見せるのならノヴァも僕の夢に入れてください』
「バレてしまったか」
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こちらこそ番外編まで読んでくださってありがとうございます!!
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初コメ失礼します!
つい面白くて一気読みしてしまいました^^
エロ描写はあんまり無いのに
凄く文章が素敵で読み応えがあり
物語の世界に引き込まれちゃいました!!
完結したのは悲しいですが
番外編が更新されてるので嬉しいです•͈ ω •͈♥︎
読者の希望としては終わって欲しくない…
あわよくばこのまま続編を…😭って感じですがꉂꉂ😂
お忙しいでしょうがお身体に気をつけて
これからも頑張って下さい🫡★
あんみつ様
コメントありがとうございます!
エロ描写がないのに面白かったと言ってもらえたこと、本当に嬉しいです!
BLの良さはエロだけじゃないと思っています(笑)
番外編ももう少し増やしていくつもりなので今しばらくお待ちいただけると嬉しいです。
今後もよろしくお願いします!
番外編ありがとうございます!
めちゃくちゃ嬉しいです!
これからも楽しみにしてます♪
こちらこそ早速読んでくださってありがとうございます!
リクエストの多かった2人の子どもについても触れてますのでぜひ楽しんでいただけましたら幸いです。
これからもよろしくお願いします!