28 / 427
第1章
悪い人めーっけ!
しばらく3人でじっとしていたけど、ドラゴンは何処かへ行く様子がない。
「どうやら標的がこの森林にいるようですね。」
「このままでは地形が変わる。」
このままでは埒が明かないと思ったのかヨハネスととーさまが作戦会議を始めた。
僕はとーさまに抱えられたままぼぉっと外の様子を見ていた。
何度かドゴォーンって大きな音がして、雷が落ちているのを見た。
これもドラゴンの力なのかな?
強い力って怖いけど、ちょっと憧れるよね。
「標的を捉えてもドラゴンが落ち着くかどうか…最悪私達も一緒に炭だ。」
「ドラゴンとの戦闘はできるだけ控えたいところですが…」
あ、雨も降って来た。
そうとうお怒りだなぁ。
んー…ドラゴンが怒ってる理由って…
「とーさま。」
「私が誘導して、ヨハネ…どうしたルナイス。」
お話し中お邪魔するのは心苦しいけれども、とーさまの両頬に手を添えて僕へ注目してもらった。
大切な作戦会議をお邪魔するだけの価値があることだと僕は判断いたしました。
「とーさま。ドラゴンはあれにお怒りだと思います。」
そう言ってとーさまのお顔を今度は問題のある方向へと向けた。
「あれは!」
「何て愚かなことを!」
とーさまのお顔を向けた方向にはだいぶ遠い位置だけれど、人間が4~6人ほどいてその人達の荷台には檻に入れられたユエと同じくらいのサイズの子ドラゴンが入れられていた。
視力が良くてよかった。
悪かったらたぶん分からなかったな。
「私が捉えてまいります。」
「頼む。」
ヨハネスが物凄い速さで走り出し問題の元へと向かった。
捉えるのはいいけど、どうやってあの子ドラゴンを怒り狂っているドラゴンにお返しするんだろう?
ヨハネス灰にならない?
しばらくとーさまと見ているとすぐに人間達は地に伏せ、ヨハネスの手によって縄でグルグル巻きにされた。
ヨハネスは檻ごと子ドラゴンを抱えて開けているところに置いた。
グォロロオロロロロ!!!
すぐに気が付いたらしいドラゴンは大きな咆哮を上げ、とんでもない大きさの火球をヨハネスに向かって吐き出した。
すぐにヨハネスが結界を張ってガードするけど、結界はバキバキにヒビが入っている。
あのままヨハネスが結界を張らなければ子ドラゴンも灰になっていたのに…よっぽど頭に血が上っている様子。
「暗視魔法」
このままではヨハネスも子ドラゴンも炭になってしまうと思って、とーさまの腕からばっと抜け出し上空のドラゴンに暗視魔法を唱えた。
グォギャァァアア!!
「「ルナイス(様)!!!」」
視界を奪われたドラゴンは叫び声をあげて上空でバタバタとしている。
僕はすぐさまとーさまに回収され再び岩下へ。
「勝手な行動をするな!!」
そして物凄い怒られている。
そりゃそうだ。
結界も何も張っていない状態で外に出てとーさまでも危ないドラゴンに魔法を唱えるなんて危険極まりない。
でもね
「とーさま!拘束魔法使えますか?」
「!!っ説教は後で必ずするからな!」
僕の言葉にとーさまは僕を岩下にしまい込んで外に出る。
「拘束魔法!!」
とーさまが魔法を唱えるととーさまの掌から黒い鎖状の魔法が上空のドラゴンに向かって伸びていき、ドラゴンの体に巻き付いた。
グギャァァァアアアア!!
大きな声を上げてドタバタと藻掻くドラゴンはゆっくりと地上の子ドラゴンの前へ降ろされた。
檻には入れられているけれど、大きな怪我もなくキューキューと鳴く子ドラゴンを見てドラゴンは徐々に落ち着きを取り戻しだした。
鼻息はフスーフスーと荒いけど。
ドサ
「お前の子を攫った愚か者共はこ奴らだ。」
そう言ってヨハネスは縄でグルグル巻きにされた問題人達をドラゴンの前に投げ捨てた。
「お、お助けをぉぉ!!」
「死にたくないぃぃ!!」
問題人達は口々に情けのない声を上げてヨハネスやとーさまに命乞いをしている。
あんな大人にはなりたくないなぁ。
「ルナイス!」
もう大丈夫かなぁっとそっと岩下から出ようとしたら目ざといとーさまに見つかりすぐに止められてしまった。
とーさまの言葉でドラゴン親子の視線が僕に向けられた。
ドラゴンって人間の言葉の意味が分かるって本当なんだ!
クルルルルルル
とーさまに叱られたので大人しく岩下に再び引っ込もうとしたら子ドラゴンが僕を見ながら何だか可愛らしい鳴き声を出した。
ヒューヒュークルル
大きなドラゴンも何だか甘えているような鳴き声をあげる。
これは…
「とーさま。」
「…良い。」
そちらへ行ってもいいのでは?っととーさまを見つめれば、眉間を揉みながらとーさまが両腕を広げて下さったので遠慮なくとーさまの体に突撃する。
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】
本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。
Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited.
© 魯恒凛 / RoKourin
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
聖女の兄で、すみません!
たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。
三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。
そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。
BL。ラブコメ異世界ファンタジー。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた
月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。
推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。
だから距離を置くつもりだったのに――
気づけば、孤独だった彼の隣にいた。
「モブは選ばれない」
そう思っていたのに、
なぜかシナリオがどんどん壊れていく。
これは、
推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。
事なかれ主義の回廊
由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・