王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
43 / 425
第1章

寂しくて日記、思い出して訓練

しおりを挟む
鍛冶屋を出てからは少しだけ街をブラブラしてお家に戻ってきた。

戻ってからは一旦それぞれのお部屋に戻ってお家用の服に着替え、用を終えたら談話室に集合。


とーさまとにぃ様は大切な用があるけれど、僕には済まさないとならない用はないので僕が一番乗り。



しばらく絵本を読んでいると、ワイアットがやって来てとーさまがご用事できて夕飯まで来れそうにないと教えてくれた。

その後、今度はにぃ様の従者であるレオが来てにぃ様も急用があって夕飯まで来られそうにないと教えてくれた。



2人揃ってこのお部屋に来れなくて、楽しかったおでかけの余韻のお話できなくて寂しい。

目の奥が熱くなったけど、ぐっと堪えてお部屋に戻ることにした。



今日はばぁやもヨハネスもお休みで、とーさまもにぃ様もご用事ができてしまったので僕の傍には誰もいない。

コルダが見ていてくれてるのかもしれないけど、姿は現してくれない。



とぼとぼとお部屋に戻って僕はユエを引っ掴んでぎゅーーっと強めに抱き締める。

乱暴な扱いをして申し訳ないけど、今の僕にはユエを気遣ってやれる余裕が無い。




しばらくぎゅーっとしてたら段々と心も落ち着いてきたので、ぎゅーっとしすぎてしまったユエをぱんぱんとしてふっくらユエに戻した。

ごめんねって気持ちを込めてよすよす撫でてベットの上にそっと置いてあげる。


気持ちも立て直せたので、僕は今日の出来事を鮮明に思い出せるように日記に記すことにした。



ばぁやが居ない時にお世話をしてくれる家事使用人のメルナにノートを持ってきてもらった。

今世では魔法記録で大体記して行くみたいだけど、魔力のない人や魔法が使えない人、魔法を使うほどではないことにノートを使用するみたいで、前世と変わらないノートがある。




《きょうは、とーさまとにぃさまとおでかけした。

ぼくはきれいなゆびわをかってもらいました。とーさまとにぃさまのめのおいろです。

ごはんもおいしかったけど、レイレイのみがすっぱすぎました。ぼくにはまだはやかったです。

かえってからとーさまとにぃさまとおはなししたかったけど、いそがしくてむり。さみしい。》



「…うん。」

余計なこともかいちゃった気がするけど僕しか見ないし!

まだ難しい字は習ってないからちょっと読みずらいけど、僕しか見ないし!


メルナに鍵の着いた箱をもらってその中に日記を入れてベットの下に隠す。
鍵着いてるけど、とーさまとにぃ様は空けちゃいそう気がするので。





書き終えたところで夕飯までにはまだ時間がある。

何をして時間を潰そうかと考え、鍛冶屋で長剣を手に入れてほくほく顔だったにぃ様を思い出す。



うん。決めた。



「メルナ、僕剣のれんしゅーしますので。」

部屋の出入り口の所で黙って立つ優秀な家事使用人メルナにそう告げて、壁の低い位置にかけていた木刀を持ち部屋を出る。

廊下を進んで鍛錬所に行くと数名の警備隊の人達が居た。


汗をまき散らして動き回っている。

彼らは剣を使っている者もいれば、弓を使っている者もおり、さらには槍、大剣、双剣、ボーガンなどそれぞれの武器を使ってビュンビュン動き回っている。



呆気にとられぽけーっとする場違いな僕。




「ん?ルナイス様!訓練止め!!」

鍛錬所の入り口でぽけーと立っている僕に気が付いた一人が慌てて中でビュンビュン動き回る人達に声をかけて、皆が一斉にピタっと動きを止めた。


「ルナイス様は訓練に来られたのですか?」


「…ぁぃ。」


僕が抱える木刀を見て優しく尋ねてくれる警備隊の隊員に小さく返事を返す。
先ほどの彼らの訓練を見ていたら、木刀を抱える僕が恥ずかしく感じたのだ。


「確かヨハネス殿は休暇でしたね……ルナイス様、わたくしがルナイス様の訓練のお供をさせて頂いても構いませんでしょうか?」



彼からの申し出に少し考えて、お供をお願いすることに決めた。

確かに僕一人で木刀と言えど、振り回すのは危険であるし、僕一人で剣をむやみやたらと振るよりかは彼に教えてもらった方が身になると思ったから。




「あの…すみっこでくんれんするので、皆さんとっくんつづけてください。」

僕の訓練はそんなに大きな場所を取らない。

なので、先ほどからじっと止まっている警備隊の皆さんの時間を動かしたくてそう言うと戸惑いながらもお互い顔を見合って先ほどより少し落ち着いた訓練を初めてくれた。


申し訳ない。






しおりを挟む
感想 57

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

王太子殿下のやりなおし

3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。 とある時代のとある異世界。 そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。 公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。 王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。 そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。 王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。 王太子は喜び、舞い上がっていた。 これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる! 僕はやっと幸せを手に入れられるんだ! 「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」 あの男が現れるまでは。

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

処理中です...