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第2章
風船の中身はなんだろな
会議の進行は主催者のにぃ様。
「"風船"についてですが、まずはルナイスからざっくりと説明を。」
さっそくにぃ様に話を振られてカチコチしながら立ち上がる。
「はぃ。…えっと、風船は今回ゴムで作ってもらいました。」
本を読んでたらこの世界にゴムの素材になる木があるって記されていた。
そこで思いついたのが風船。
「中に空気を入れて紐を括りつけたんですけど…風船を浮かせるのにただの空気では浮かないので浮かせるための空気をプロの皆さんに見つけて貰いました。ふーって口から空気をいれても膨らみますけど、浮かばないです。」
うん、完璧。と満足しお席に座り直す。
「ルナイス。今回は、ということは他に素材があるのか?」
にぃ様の鋭い質問に思わずへらっとしてしまう。
「あるんですけど、詳しくなくて…」
折り紙で作るやつの中にも風船ってあったけど、僕はアレを風船です!とは言えない。
あれは折り紙。
他にも色々素材があったのは分かってるけど、じゃあ何でできてるのー?って聞かれると分かんない。
「なるほど。まだまだ研究の余地ありということだな。」
にぃ様はありがとうと頷いて満足気。
納得してもらえてよかったです。
「浮かぶように中に入れたものは?」
続けてのにぃ様の質問にノヴァが少し前のめりになっている。
興味津々なご様子。
「はい。まずは私めから失礼致します。ルナイス様から色々な情報を頂き浮かせるには空気よりも軽い気体を入れる必要があるのだと解りました。そこで風魔法と重力魔法を使い作成にいたりました。」
「なるほど。しかし重力魔法となるとなかなか高度な魔法になる…今回は何方が?」
「俺ですよ~」
「「「…」」」
にぃ様の疑問に答えた声がこの真面目な雰囲気の会議に似合わないほど緩くて一瞬場が凍てつく。
僕はお話の時に会っているし、実は彼から重力魔法を教えてもらっているのでわりと仲良し。
なので、彼の緩い感じにも慣れているけど、初対面の偉い貴族であるにぃ様の眉間には深い皺が。
「にぃ様、彼は重力魔法を得意とする個人研究員のオリヴァー・ヘイズです。」
風船を作ろうってなった時に国の研究員達を調べていく中で、彼、オリヴァーは国一の変わり者と言われていた。
どんな変わり者なのだろう?と調べていくと面白そうな人だったので招集したら意外と風船作るのに重要な人物だった。
僕の紹介でにぃ様は少し落ち着いたのか眉間の皺がなくなりました。
よかったです。
他の研究員達もほっとしたご様子。
「オリヴァーはへんたい研究オタクなので貴族とかそういうの知らねってタイプの人です。それで1度牢屋に入れられてますが、研究を任せるには面白い人です。」
「へんたい…オタク?」
あぁ…オタクって言葉はこの世界じゃ通じないんだ。
「んと…病気てきに研究大好き人間って意味です。」
「…そうか。」
にぃ様考えることを放棄。
「まぁ、いい。それで風魔法と重力魔法をどのようにして浮かせたのだ?」
詳しくと改めて研究員たちに詰め寄るにい様。
ノヴァは言葉を発さないけど、楽しそうに話を聞いてる。
しばらく難しめのお話が続いて、よく理解できない僕はオリヴァーが手元で作っているなにかをじっと観察していると、扉がノックされとーさまがお部屋に入ってきた。
後から来たとーさまに、にぃ様がこれまで話した内容をざざざっと端的にご説明されて、今度はとーさまも交えた難しめのお話が始まる。
「ルーたんこれで重力魔法の練習してごら~ん。こうやって箱の中に重力魔法かけてぇ、練習しとかないとついうっかり大事な物や人まで潰しちゃうぞ☆」
ガチャガチャしていたオリヴァーが作り上げていたのはどうやら僕にくれる物だったらしい。
オリヴァーはかるーい感じで言ってるけど結構重要なこと言ってる。
ちなみにオリヴァーは重力魔法の操作を誤って両親の足、腕を潰しちゃった事があるのだとか。
その時もオリヴァーの態度はありゃ~って感じだったみたいで両親から慰謝料請求されたのだとか。
そこそこ功績を立てているので、さらっと支払ったらその態度に更に両親は怒り家から追い出したのだとか。
今はオリヴァーが手配した高位治療師によって足も手も治ってるようだけど、オリヴァーは一人暮らしが気楽でよくて、両親もまた潰されたら敵わないと距離を置いてるそう。
この事件はオリヴァーにとってさして重要なことではないみたいだけど、この重力魔法練習の箱をくれたってことは、少しは気にしてるみたいだ。
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