王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
71 / 427
第2章

校内見学


自己紹介を終えて、次は校舎案内の為先生の後ろに並ぶ。

特に並び方を指定されてないので、皆既に仲のいい子達で固まっているので、僕は先生の真後ろをキープ。


わちゃわちゃしてる子達って進むの遅いし、先生の後ろなら説明もきちんと耳に届くので安心。




そんな僕の後ろには同じくぼっちのテトラ様。

お話した方がいいのかなぁっと考えたけど、僕はクラスでちょびっと浮いてる存在になりつつあるっぽいのでここで声掛けちゃうとテトラ様まで浮いちゃうかもだし迷惑かもって思って声を掛けるのはやめておいた。




僕達が使う教室から職員室、保健室などを巡り次は上級生の教室を巡っていくみたいで僕はにぃ様の姿が見られるかも!とわくわくして先生の後ろを時折スキップも混ぜながら歩く。



「ルナイス様。」


もうすぐにぃ様に会えるっとわくわくしている僕の名前を呼ぶ声に振り返ると僕をじっと見つめるテトラ様がいて驚く。

僕?と人差し指で自分を指して首を傾げれば真剣なお顔で頷かれた。



「なぁに?」


「ルナイス様には兄君がいらっしゃいますよね?」


「いるけど…」




それで?と再び首を傾げて見せる。

テトラ様は一瞬躊躇っている様子を見せたけど、気合を入れたのか一つ力強く頷くと僕を真っすぐ見て言った。




「後継者は兄君ですか?」


そんなテトラ様の言葉に僕は顔を顰めた。

後継者がどちらかを聞く何て親しくもないのに、大分失礼な質問だ。
貴族の子供にとって”後継者”はとても重要でデリケートなことだ。

僕は後継者はもちろんにぃ様だと思っている。
だけどそれをとーさまに確認したことはない。

家族間でも後継者の話題は、慎重になるものなのに…そんな不躾な質問を何の意味もなくしてくるような子ではないと思うのだけど…。




「失礼なことをお尋ねしている自覚はあります。実は後継者として学ぶべき道に悩んでおりまして…どなかにご相談できないかっと考えているのです。」


テトラ様の言葉になるほどっと納得。

確かハデス家のご子息はテトラ様お一人。
後継者になることはほぼ確定していると言える。


8歳から次期領主になる身として頑張ろうとするところは好感が持てる。

しかし、それにしても大分アウトな質問だ。
しかも僕のお家は辺境伯よりも爵位の高いお家だ。



僕がこのことについて騒げば大きな問題になってしまう可能性だってある。




「テトラ・ハデス。後継者として教えを乞う前に礼儀マナーを学ぶといい。」


真後ろを歩いていた僕達の会話が聞こえていたらしいグリシャム先生が容赦ないストレートな言葉をテトラ様に投げかける。

厳しい物言いだけど、声は優しめに思う。



「…ルナイス様、申し訳ありません。」

そう謝ったテトラ様は残念そうなお顔をして、でも納得した感じで謝罪をしてきた。


テトラ様も今の質問がこんな人の多い所で口に出していいことでなかったと反省している様子。



んー…

良くないって分かりながらも聞いてきたって事は結構深く悩んでいるのかな。



「後継者かどちらかって言う質問には答えないでおくね。でも、にぃ様は優しくて頼りになるからご相談したらいいと思うよぉ。」


にぃ様に伝えておくねーと言うとテトラ様は少し微笑んで「すまない」と謝る。

8歳からそんなに悩むなんて…ハデス辺境伯領ってどんな所なんだろう?





こんな会話をしながらも足は動かしていた僕達はついに上学年の校舎へたどり着いた。


コンコン

「失礼します。見学に来ました。」


グリシャム先生がとある扉をノックして中に入っていくので、先生に続いて僕達も教室に足を踏み入れる。

部屋の中には僕達よりもずっと大きい人達が椅子に座って授業を受けていて、何だか迫力がある。



ドキドキとしながらキョロキョロと周りを見渡すと見覚えのありまくる後頭部発見!

艶のある綺麗な黒髪の後ろ姿に駆け寄りたい衝動をぐっと堪える。



じーっとにぃ様だけを見ていると視線に気づいていたにぃ様はちょっと困ったようなお顔で振り向いて小さく手を振ってくれた。

困らせてしまって申し訳ないけど、手を振ってくれたことが嬉しくて僕もこそこそっと手を振り返しニマニマしてしまった。






感想 59

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた

月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。 推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。 だから距離を置くつもりだったのに―― 気づけば、孤独だった彼の隣にいた。 「モブは選ばれない」 そう思っていたのに、 なぜかシナリオがどんどん壊れていく。 これは、 推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・