王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
72 / 427
第2章

友人確保


しばらく見学をしているとお昼の時間ぴったしに授業が終わって、にぃ様とヒュー様が近くに来てくれた。

嬉しくて周りに人がいるってことも忘れてにぃ様とヒュー様に抱きついてチークキスをしてしまう。


「ルナイス友人は見つかったか?」

にぃ様にぎゅっと抱きついて落ち着いているとヒュー様がそんな揶揄いの言葉を投げてきた。

楽しそうでなによりですが…


「チルにヒュー様にいじめられたって伝えておきますね!」



「!!ちがっ!今のは心配してだな!」

ニコニコと笑う僕と焦るヒュー様。

年の離れた弟をそれはもう可愛がっているヒュー様はチルに「きらい」と言われる事をとても怖がっている。

そしてチルは僕を気に入ってくれているから僕がヒュー様にいじめられたと悲しんで見せれば間違いなくヒュー様に「きらい」と告げるだろう。



実際過去にそうなったことがある。

でもチルはまだ幼いし、僕とは偶にしか会わないのでチルがヒュー様を「きらい」な期間は僕が傍に居る間だけ。


それでもヒュー様はチルに「きらい」と言われることが恐ろしいらしい。




確かに僕がにぃ様やチルに「きらい」なんて言われたらすっっごく落ち込む。

可哀想って思うけど、僕のデリケートな問題をからかうヒュー様が悪い。



目には目を歯には歯を
自分がやった事は跳ね返ってくるのだ。



「ちなみに友人は出来ました。彼、テトラ・ハデス様です。」

ふんっと鼻を鳴らして、にぃ様とヒュー様の前に近くに居たテトラ様をぐいっと差し出す。

突然のことにテトラ様はびっくりして硬直。


にぃ様とヒュー様はほぉ?って顔してテトラ様をじっと見つめてる。



「私はルナイスの兄のアドルファス・アーバスノイヤーだ。弟の友人になってくれたこと感謝する。」

流石にぃ様。

テトラ様が友人じゃありませんって言えなくした!

こっそりウインクしてきたから意図的なやつ!すごい、すごい!


「私はヒュー・ヒル。この兄弟とは昔からの友人だ。ルナイスに困らされた時は私に相談するといい。」


にぃ様の素晴らしい策略に感激していたのに、ヒュー様の一言で台無し。

やっぱりチルにお仕置してもらお。





「わ、私はテトラ・ハデスです。よ、よろしくお願い致します。」


テトラ様もピキーンとしつつ自己紹介をしてくれた。
友人も否定しない。

ちょっと強引だったけど、これで彼は僕の友人ってことでいいよね?




「にぃ様。テトラ様は領地経営に興味があるようです。僕じゃよく分からなかったのでお話を聞いてあげてくれませんか?」

さすがに後継者として~なんて言ってしまうと不味いので少し濁して領地経営ということにした。

ちょっとグレーゾーンだけど、後継者でなくても領地経営に興味を抱く者は沢山いるしね。



眉をピクっと動かしたにぃ様はなるほどっと頷いた。


「かまわないが、場所や日時はこちらが指定させて貰う。良いな。」

「は、はい!ありがとうございます!」



あんまし良い雰囲気ではないけど…取り敢えず任務完了。


「それ、私も参加していいかな?」

達成感を感じているとヒュー様がニッコリ笑顔でそんな事を言い出した。


「チルもルナイスに会わせてやりたいし、私も興味がある内容なのでぜひ参加したい。」


外面ヒュー様は爽やかにそう言う。


何か裏を感じるのだけど、僕はチルに会える!?とにぃ様の返事をヒュー様と一緒にわくわく待ってしまう。



「良いだろう。」


ふぅっと息を吐き出したにぃ様の出した答えに今度はヒュー様を見つめる。



「安心しな、必ずチルと一緒に行く。」

ヒュー様はニンマリ笑うと僕の頭をぽんぽん。

僕も久しぶりに会える天使を思い浮かべてニンマリ。




「おいヒュー。下品な笑い方をルナイスに覚えさせるな。」


「勝手に真似してんだろ…てか、俺はこんな二チャーっとした笑い顔じゃないだろ。」



にぃ様とヒュー様が何か言い合っている間に傍にテトラ様がそそそっとやって来た。


「ルナイス様紹介して下さってありがとうございます。」

なになに?と耳を寄せれば律儀にお礼を言いに来てくれたみたい。

「いいよぉ。それより友人なんだし、こういう時は楽な話し方にお互いしない?」

ずっと堅苦しいのしんどい。


「そうか?なら遠慮なく。あと、さっきの二チャーって笑い方、止めた方がいいぞ。気味が悪い。」


「あ…はい。」


自己紹介の時から思ってたけど、この子ズバッと言って失敗するタイプの人だ。



感想 59

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた

月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。 推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。 だから距離を置くつもりだったのに―― 気づけば、孤独だった彼の隣にいた。 「モブは選ばれない」 そう思っていたのに、 なぜかシナリオがどんどん壊れていく。 これは、 推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・