王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第2章

屈強な大人が三人

本日、晴れ。


僕は首もとまでしっかりとしまったちょっとフリルのついたブラウスに黒のベスト、ジャケット、ストレートのズボンの正装装備でお家の門前で立っている。

今日は事情聴取の日で、今はランチを食べ終えたくらいの時間。

もうすぐ着くよと連絡が入ってすぐに僕は門前に立った。



ばぁややメルナにもう少し後で外に出てもいいんだよって言われたけど、落ち着かないので…。






じっと立って待っていると格好いい馬車が目の前で止まった。

中からワイアットが出てきて、扉を開けてくれる。


見送ってくれるばぁや達に「行ってきます」と告げて馬車に乗り込む。
椅子は敷かれてあるモコモコの毛皮のおかげでか、座り心地がとても良い。

これならお尻が痛くて悶えるような心配はいらないだろう。




来るときは中にワイアットが居たけど、僕が乗るのでワイアットは御者の横に座って、僕の護衛として着いてきているヨハネスはキャリッジの横を馬に乗って並走している。

反対側に見慣れない人が馬に乗って並走しているので、たぶんコルダだと思う。

久しぶりに目にするコルダをぼぉっとじっと見てしまう。


でもコルダは決して目を合わせない。
絶対に僕が見ていることに気が付いているのに…。








どっちが折れるか勝手に勝負しているとあっという間に王都に辿り着いた。

領地よりも溢れる人や物に目を奪われていると、これまたあっという間に騎士団に辿り着いた。



門前に立っていた門番さんからチェックを受けて、窓のカーテンの隙間から除かれ会釈を返す。


敬礼の姿勢で見送ってくれる門番さんの横を通り過ぎて、騎士団の馬車止めでお馬さんが止まってくれ、ワイアットが直ぐにキャリッジの扉を開けてくれる。

まだ身長の低い僕はワイアットの手を借りて馬車を降り出迎えに出てきている騎士の人とにぃ様の姿を見つけ、迷わずにぃ様に早足で近づく。




無事にぃ様の前に辿り着いた僕は、にぃ様にぎゅっと抱きしめられほっと息を吐きだした。

肩から力の抜ける感覚に、自分が思っている以上に緊張していたことを知る。






「父上が来られるまでは、私が一緒に居る。」

耳元でそっと知らされたことに更にほっとする。
にぃ様も忙しい身であられるのに、僕のために時間をくださることに胸がじーんとする。



僕達は応接室に通され、机には渋めのお茶が置かれた。



「事情聴取と言っても、私たちは被害者だ。不躾なことを聞いてくる輩が居れば処分してやる。」


そわそわ落ち着かない僕に、にぃ様は真顔でそんなことを言う。

にぃ様の言う“処分”が注意程度で済むわけがないと分かっているので、僕は苦笑いを返すしかない。






僕が到着してから30分ほどが経った頃、応接室にとーさまが来られた。

堂々とした姿のとーさまを見て更に安心する。
頬を寄せて挨拶をし、ここでにぃ様は騎士さんと一緒に退出されてしまった。



僕ととーさまは、二人で王城の廊下を進む。

本来は騎士がつくのだと思うけど、とーさまが近衛騎士団長だからなのか着いてくる騎士の人はいない。



偶にすれ違う騎士さん達はすれ違う度にビシッと敬礼する。

とーさまの横をトコトコ歩く僕をチラッと興味津々に見ているのには気が付いている。
ちょこっとお辞儀すると更にビシっと体が伸びるのが面白い。




しばらく歩いて、とーさまは一つの扉の前で止まった。

騎士団の中でも奥の方の部屋で、扉は他の部屋と比べて一段と分厚そうに見える。



何の躊躇もなく扉を二度ノックし、返事を待たずにとーさまが扉を開ける。


中には大柄な騎士っぽい大人が2人。




少し尻込みした僕の背をとーさまが優しく押してくれ、いざ尋問室へ。





そんなに広くもない部屋に屈強な大人の男の人が3人も居ると、ちょっとむさ苦しい。

でも騎士の強さに憧れる年ごろな僕はむさ苦しい原因の筋肉を見てワクワクもしている。





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