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第2章
新たな問題
しおりを挟むにぃ様と一緒に過ごせる日々が終わり、今日から学園へ。
「テトラ君ご機嫌よう。具合はどう?」
「ルナイスご機嫌よう。体の方は何の問題もない。ルナイスはどうだ?」
「よかった!僕も問題なし。」
お互いの無事を確認し合って朝礼の鐘が鳴るまで廊下で立ち話。
お席が離れてるのでね。
「ルナイスが捉えられた悪鬼の所へ出向いたなんて話を耳にしたがいいのか?」
「え…誰が?」
「噂の出処は分からない。そんなに広まってなさそうだったから一応根も葉もない噂を広めるなと言っておいたが…」
テトラ君の言葉にはぁっと溜息が溢れ出た。
頭を抱えて蹲りたい。
「コルダ。」
「はっ」
「話が広まらないように。あと出来れば出処を。」
名前を呼べばすぐに現れたコルダにテトラ君や周りにいた生徒が目を見開いてる。
「御意。ヨハネスを寄越します。」
「あー…いいよ。護衛が離れたり着いたりしたらそれこそ危険だよ。とーさま達が何か言うなら僕が下した判断だと言ったらいいと思う。」
ヨハネスが来れば、僕にコルダと言う陰ながらの護衛が今はいませんよー、今はついてますよーって公表しているようなものだ。
「失礼しました。」
「うん。行ってらっしゃい。」
はっとしたコルダが深く頭を下げて謝るので、いいよーっと手を振って送り出す。
「…気配がまったく感じられなかった。何処から現れたんだ…」
テトラ君は感心した様子でコルダがどこに居たのか真剣に考えているけど、僕もコルダが何処から現れたのか何処に潜んでいるのか知らないからなぁ。
それよりも僕はあの模擬戦闘場を思い出す。
彼処に居たのは僕とノヴァ、それから騎士達。
そして悪鬼があの地下に居ることは一部の者しか知らないはず。
「…テトラ君、先生に遅刻すると伝えてもらっていい?」
「構わないが…どうした?」
「早めに対処した方がいい気がするからにぃ様の所に行ってくる。」
「分かった。」
じゃあねっと手を振ってちょっと早足で高学年の校舎へ向かう。
その途中で護衛待機の所に寄ってヨハネスを呼んで再び急ぐ。
ヨハネスは何も聞かずに着いてきてくれて、偶に進む方向が分からなくなった僕にこちらですと言ってくれた。
ガラッ
にぃ様が居るだろう教室の扉を開けば当たり前だが物凄く注目を浴びた。
ぐっと歯を食いしばった僕にすぐ様にぃ様が駆け寄ってきてくれる。
「ルナイスどうした。」
「至急お伝えしたいことが…」
「行こう。」
にぃ様はすぐに僕を誘導して人気のない教室にさっと入り込んだ。
懐から何か取り出したにぃ様が魔力をそれに流すと薄い結界が張られる。
「遮断魔道具だ。気にせず話すといい。」
「ありがとうございます。早速ですが、僕が悪鬼達に会いに行ったと噂が広がっています。犯人が悪鬼達を封じている場所を掴んだ可能性があるのと、騎士団の中に裏切り者がいると思われます。」
後で魔道具を見せてもらおうと思いながらにぃ様に報告。
「あ、騎士団以外の可能性ももちろんあります!」
僕が見てなかっただけで、あの時騎士団以外の人が近くにいた可能性だってある。
只、僕が模擬戦闘場に居たって話だけなら放っておいてもいいけど悪鬼達と会っていたと言うのが問題だ。
「すぐに調べさせよう。父上にも報告しておく。」
「はい。今コルダに話が広がらないように動いてもらってます。噂の出処も探ってもらってます。」
「よい判断だ。」
にぃ様がいい子、いい子って頭を撫でてくれてふっと肩から力が抜けた。
無意識に緊張してたみたい。
誰かが僕の動向を探っていて今も見張られているかもしれない。そう思ったら気持ち悪くて今すぐドボンしたくなる。
「ルナイスは授業に戻るように。ヨハネスは事情を説明してルナイスの教室に居てくれ。」
「御意。」
もしかしたらこのまま帰ることになるかもっと思っていたけど、教室に戻るように言われてちょっと驚く。
「面倒なことは大人に任しておけばいい。」
そんな僕の様子に気が付いたにぃ様がふっと笑いながらそう言ったので、僕も笑って「そうですね」と頷いた。
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