王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
90 / 425
第2章

新たな問題

しおりを挟む


にぃ様と一緒に過ごせる日々が終わり、今日から学園へ。


「テトラ君ご機嫌よう。具合はどう?」

「ルナイスご機嫌よう。体の方は何の問題もない。ルナイスはどうだ?」


「よかった!僕も問題なし。」


お互いの無事を確認し合って朝礼の鐘が鳴るまで廊下で立ち話。

お席が離れてるのでね。




「ルナイスが捉えられた悪鬼の所へ出向いたなんて話を耳にしたがいいのか?」


「え…誰が?」


「噂の出処は分からない。そんなに広まってなさそうだったから一応根も葉もない噂を広めるなと言っておいたが…」



テトラ君の言葉にはぁっと溜息が溢れ出た。
頭を抱えて蹲りたい。



「コルダ。」

「はっ」

「話が広まらないように。あと出来れば出処を。」


名前を呼べばすぐに現れたコルダにテトラ君や周りにいた生徒が目を見開いてる。


「御意。ヨハネスを寄越します。」

「あー…いいよ。護衛が離れたり着いたりしたらそれこそ危険だよ。とーさま達が何か言うなら僕が下した判断だと言ったらいいと思う。」


ヨハネスが来れば、僕にコルダと言う陰ながらの護衛が今はいませんよー、今はついてますよーって公表しているようなものだ。



「失礼しました。」

「うん。行ってらっしゃい。」


はっとしたコルダが深く頭を下げて謝るので、いいよーっと手を振って送り出す。



「…気配がまったく感じられなかった。何処から現れたんだ…」

テトラ君は感心した様子でコルダがどこに居たのか真剣に考えているけど、僕もコルダが何処から現れたのか何処に潜んでいるのか知らないからなぁ。







それよりも僕はあの模擬戦闘場を思い出す。


彼処に居たのは僕とノヴァ、それから騎士達。

そして悪鬼があの地下に居ることは一部の者しか知らないはず。





「…テトラ君、先生に遅刻すると伝えてもらっていい?」

「構わないが…どうした?」


「早めに対処した方がいい気がするからにぃ様の所に行ってくる。」


「分かった。」



じゃあねっと手を振ってちょっと早足で高学年の校舎へ向かう。

その途中で護衛待機の所に寄ってヨハネスを呼んで再び急ぐ。


ヨハネスは何も聞かずに着いてきてくれて、偶に進む方向が分からなくなった僕にこちらですと言ってくれた。








ガラッ

にぃ様が居るだろう教室の扉を開けば当たり前だが物凄く注目を浴びた。

ぐっと歯を食いしばった僕にすぐ様にぃ様が駆け寄ってきてくれる。




「ルナイスどうした。」


「至急お伝えしたいことが…」



「行こう。」



にぃ様はすぐに僕を誘導して人気のない教室にさっと入り込んだ。


懐から何か取り出したにぃ様が魔力をそれに流すと薄い結界が張られる。




「遮断魔道具だ。気にせず話すといい。」

「ありがとうございます。早速ですが、僕が悪鬼達に会いに行ったと噂が広がっています。犯人が悪鬼達を封じている場所を掴んだ可能性があるのと、騎士団の中に裏切り者がいると思われます。」



後で魔道具を見せてもらおうと思いながらにぃ様に報告。



「あ、騎士団以外の可能性ももちろんあります!」


僕が見てなかっただけで、あの時騎士団以外の人が近くにいた可能性だってある。

只、僕が模擬戦闘場に居たって話だけなら放っておいてもいいけど悪鬼達と会っていたと言うのが問題だ。



「すぐに調べさせよう。父上にも報告しておく。」


「はい。今コルダに話が広がらないように動いてもらってます。噂の出処も探ってもらってます。」



「よい判断だ。」



にぃ様がいい子、いい子って頭を撫でてくれてふっと肩から力が抜けた。


無意識に緊張してたみたい。


誰かが僕の動向を探っていて今も見張られているかもしれない。そう思ったら気持ち悪くて今すぐドボンしたくなる。



「ルナイスは授業に戻るように。ヨハネスは事情を説明してルナイスの教室に居てくれ。」


「御意。」


もしかしたらこのまま帰ることになるかもっと思っていたけど、教室に戻るように言われてちょっと驚く。




「面倒なことは大人に任しておけばいい。」


そんな僕の様子に気が付いたにぃ様がふっと笑いながらそう言ったので、僕も笑って「そうですね」と頷いた。








しおりを挟む
感想 57

あなたにおすすめの小説

王子のこと大好きでした。僕が居なくてもこの国の平和、守ってくださいますよね?

人生2929回血迷った人
BL
Ωにしか見えない一途な‪α‬が婚約破棄され失恋する話。聖女となり、国を豊かにする為に一人苦しみと戦ってきた彼は性格の悪さを理由に婚約破棄を言い渡される。しかしそれは歴代最年少で聖女になった弊害で仕方のないことだった。 ・五話完結予定です。 ※オメガバースで‪α‬が受けっぽいです。

【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。

夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。 妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。

竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」 ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。 竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。 そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。 それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。 その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた! 『ママ! 早く僕を産んでよ!』 「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」 お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない! それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――! これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。 設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。

王太子殿下のやりなおし

3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。 とある時代のとある異世界。 そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。 公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。 王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。 そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。 王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。 王太子は喜び、舞い上がっていた。 これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる! 僕はやっと幸せを手に入れられるんだ! 「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」 あの男が現れるまでは。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

処理中です...