106 / 427
第2章
ドラゴンは狙われているらしい
肉が裂け、血が溢れていた傷口が塞がりドラゴンの呼吸が落ち着いたところでコルダにドラゴンから離れるように言われた。
そそそそっと早足でコルダの傍に寄るとドラゴンは首を持ち上げ、傷を負っていた左前足をぶるるんっと振りギャオ!っとご機嫌に鳴き声を上げる。
『礼を言う人間の子よ。』
一通り体を震わせたドラゴンは僕を見つめて再び頭に声を響かせてきた。
チラっとコルダを見れば、やはりこの声は聞こえていない様子。
どういう仕組みなのかな?っと首を傾げるとまた声が頭に響いてきた。
『恐らくお主はドラゴンと深い縁があるのだろう。こうして意思疎通ができる人間に出会ったのは私も初めてのことだ。』
聞こえてきた声にふむふむと頷いてみせるが、実はあまりよく分かっていない。
とりあえず、目の前のドラゴンの声が聞こえるのはこの場では僕だけということだけ理解。
「ルナイス様?」
一人でに首を縦に振る僕をコルダが不思議そうに呼んだことではっと現実に思考を戻す。
問題ないとコルダに告げて、再び視線をドラゴンへと移す。
「なぜこのような場所でドラゴンが怪我を…」
ぼそりと隣から聞こえてきたコルダの言葉に頷く。
この山は確かにドラゴンと関わりの深い山であるけど、ドラゴンの姿は滅多に見られない。
それに、この山はドラゴンが安らげる場として国と学園で大切に保護されている。
そんな山でドラゴンが深い傷を負っていた…それが違和感。
『うむ…お主はアーバスノイヤー家の者で間違いないか?』
んーっとコルダと一緒に考えているとドラゴンの声が再び頭に響いた。
恐る恐る首を縦に振るとドラゴンも首をコクリと上下に揺らした。
『ならば、私の言葉を当主に伝えてくれ。ドラゴンを狩ろうとする不届き者共が居る。何名かは魔法に優れた者がいるようだと。』
「え!」
「どうしました、ルナイス様。」
ドラゴンから得た情報に驚いて声を出した僕をコルダが眉間に皺を寄せて見てくる。
情報が確かなら一刻も早くとーさまにお知らせしないと!
悪鬼の問題だったり、僕の殺人未遂だったりでとーさまには大変な負荷をかけているから新たな問題を持ち込むのはとっても心苦しいけれど…ドラゴンは保護対象の生物だ。害されているとなっては国の大きな問題になる。
「コルダ!ドラゴンを狩ろうとしてる奴らがいるって!」
「…もしかしてドラゴンと意思疎通ができてるのですか?」
僕の突然の訴えに驚いた様子のコルダは取り乱すことなく、声を小さくして僕の耳元で尋ねてきた。
慌てて僕も口を押えてコクコクと頷いてみせた。
「…なるほど。詳しいことは当主様にきちんとお話してくださいね。」
コルダは少し考えて、取り合えず僕がドラゴンの言葉というか気持ちというか…そういったことを理解しているってことだけ飲み込むことにしたらしい。
きちんととーさまに報告しておくから安心してほしい。
二重の負荷を追加することになりますが…。
「ぁ…ドラゴンさんは此処にいて大丈夫ですか?」
人の言葉を理解している様子なので、気になったことをドラゴンへ質問をしてみればドラゴンは首をゆっくりと左右に振った。
『大丈夫ではないな…あ奴らの気配をまだ近くに感じる。お主に治療を施され傷が癒えたとて、まだ万全の状態にない私では再び蹴散らすことができるかどうか……気配を消し気づかれないことを願うしかないな。』
「んー…コルダ。まだ近くに悪い人達居るみたい。ドラゴンさんがまた出会ってしまったら蹴散らせないかもって。…僕の影の中にドボンできないかなぁ?」
思いついたことをコルダに聞いてみれば、即答で駄目だとは言われなかった。
僕は影の中にドボンできるし、自分の意志で出ることもできる。
影の中を移動するのも練習中だ。
誰かを影の中にドボンしたことはないけど…できないことはないんじゃないかなぁっと思うんだ。
だって、ノヴァは影にドボンして引き籠る僕の所まで来てくれる。
あんまり長居はできないって言ってたけど。
「あれはノヴァ様ほど魔力の操作、魔法に優れたお方だからこそできることっという認識ですが…ドラゴンは魔力、魔法に優れた生き物であるはずです。…このドラゴン次第…といったところでしょうか。」
コルダがしばらく悩んで出した答えに僕もなるほどっと頷く。
つまりできないことはないけれど、ドラゴンの力量次第ってことだ。
「…できそ?」
『分からんなぁ……一度お主の魔力を私に流してみてくれ。相性がよければできるだろうよ。』
顎に手を添えてチラっとドラゴンを見ながら問うと、ドラゴンはのほほんっとそう言ってほれ、っと頭を近づけてきた。
コルダはドラゴンの声が聞こえていないからすごく警戒しているけど大丈夫だよー。
ドラゴンに促されるままにドラゴンの額に掌を当てて魔力を少し流してみた。
「…どう?」
『…うむ、いける。どうやらお主は龍神の加護を受けているようだな。』
「龍神の…加護?」
「!!」
何かよく分かんないけど、いけるならよかったよかった。
そんな風に満足して頷く僕の横でコルダが息を呑み、表情を険しくさせたことには気づかなかった。
そそそそっと早足でコルダの傍に寄るとドラゴンは首を持ち上げ、傷を負っていた左前足をぶるるんっと振りギャオ!っとご機嫌に鳴き声を上げる。
『礼を言う人間の子よ。』
一通り体を震わせたドラゴンは僕を見つめて再び頭に声を響かせてきた。
チラっとコルダを見れば、やはりこの声は聞こえていない様子。
どういう仕組みなのかな?っと首を傾げるとまた声が頭に響いてきた。
『恐らくお主はドラゴンと深い縁があるのだろう。こうして意思疎通ができる人間に出会ったのは私も初めてのことだ。』
聞こえてきた声にふむふむと頷いてみせるが、実はあまりよく分かっていない。
とりあえず、目の前のドラゴンの声が聞こえるのはこの場では僕だけということだけ理解。
「ルナイス様?」
一人でに首を縦に振る僕をコルダが不思議そうに呼んだことではっと現実に思考を戻す。
問題ないとコルダに告げて、再び視線をドラゴンへと移す。
「なぜこのような場所でドラゴンが怪我を…」
ぼそりと隣から聞こえてきたコルダの言葉に頷く。
この山は確かにドラゴンと関わりの深い山であるけど、ドラゴンの姿は滅多に見られない。
それに、この山はドラゴンが安らげる場として国と学園で大切に保護されている。
そんな山でドラゴンが深い傷を負っていた…それが違和感。
『うむ…お主はアーバスノイヤー家の者で間違いないか?』
んーっとコルダと一緒に考えているとドラゴンの声が再び頭に響いた。
恐る恐る首を縦に振るとドラゴンも首をコクリと上下に揺らした。
『ならば、私の言葉を当主に伝えてくれ。ドラゴンを狩ろうとする不届き者共が居る。何名かは魔法に優れた者がいるようだと。』
「え!」
「どうしました、ルナイス様。」
ドラゴンから得た情報に驚いて声を出した僕をコルダが眉間に皺を寄せて見てくる。
情報が確かなら一刻も早くとーさまにお知らせしないと!
悪鬼の問題だったり、僕の殺人未遂だったりでとーさまには大変な負荷をかけているから新たな問題を持ち込むのはとっても心苦しいけれど…ドラゴンは保護対象の生物だ。害されているとなっては国の大きな問題になる。
「コルダ!ドラゴンを狩ろうとしてる奴らがいるって!」
「…もしかしてドラゴンと意思疎通ができてるのですか?」
僕の突然の訴えに驚いた様子のコルダは取り乱すことなく、声を小さくして僕の耳元で尋ねてきた。
慌てて僕も口を押えてコクコクと頷いてみせた。
「…なるほど。詳しいことは当主様にきちんとお話してくださいね。」
コルダは少し考えて、取り合えず僕がドラゴンの言葉というか気持ちというか…そういったことを理解しているってことだけ飲み込むことにしたらしい。
きちんととーさまに報告しておくから安心してほしい。
二重の負荷を追加することになりますが…。
「ぁ…ドラゴンさんは此処にいて大丈夫ですか?」
人の言葉を理解している様子なので、気になったことをドラゴンへ質問をしてみればドラゴンは首をゆっくりと左右に振った。
『大丈夫ではないな…あ奴らの気配をまだ近くに感じる。お主に治療を施され傷が癒えたとて、まだ万全の状態にない私では再び蹴散らすことができるかどうか……気配を消し気づかれないことを願うしかないな。』
「んー…コルダ。まだ近くに悪い人達居るみたい。ドラゴンさんがまた出会ってしまったら蹴散らせないかもって。…僕の影の中にドボンできないかなぁ?」
思いついたことをコルダに聞いてみれば、即答で駄目だとは言われなかった。
僕は影の中にドボンできるし、自分の意志で出ることもできる。
影の中を移動するのも練習中だ。
誰かを影の中にドボンしたことはないけど…できないことはないんじゃないかなぁっと思うんだ。
だって、ノヴァは影にドボンして引き籠る僕の所まで来てくれる。
あんまり長居はできないって言ってたけど。
「あれはノヴァ様ほど魔力の操作、魔法に優れたお方だからこそできることっという認識ですが…ドラゴンは魔力、魔法に優れた生き物であるはずです。…このドラゴン次第…といったところでしょうか。」
コルダがしばらく悩んで出した答えに僕もなるほどっと頷く。
つまりできないことはないけれど、ドラゴンの力量次第ってことだ。
「…できそ?」
『分からんなぁ……一度お主の魔力を私に流してみてくれ。相性がよければできるだろうよ。』
顎に手を添えてチラっとドラゴンを見ながら問うと、ドラゴンはのほほんっとそう言ってほれ、っと頭を近づけてきた。
コルダはドラゴンの声が聞こえていないからすごく警戒しているけど大丈夫だよー。
ドラゴンに促されるままにドラゴンの額に掌を当てて魔力を少し流してみた。
「…どう?」
『…うむ、いける。どうやらお主は龍神の加護を受けているようだな。』
「龍神の…加護?」
「!!」
何かよく分かんないけど、いけるならよかったよかった。
そんな風に満足して頷く僕の横でコルダが息を呑み、表情を険しくさせたことには気づかなかった。
あなたにおすすめの小説
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年の乙女ゲー転生BLです。
【完結】悪役令息⁈異世界転生?したらいきなり婚約破棄されました。あれこれあったけど、こんな俺が元騎士団団長に執着&溺愛されるお話
さつき
BL
気づいたら誰かが俺に?怒っていた。
よくわからないからボーっとしていたら、何だかさらに怒鳴っていた。
「……。」
わけわからないので、とりあえず頭を下げその場を立ち去ったんだけど……。
前世、うっすら覚えてるけど名前もうろ覚え。
性別は、たぶん男で30代の看護師?だったはず。
こんな自分が、元第三騎士団団長に愛されるお話。
身長差、年齢差CP。
*ネーミングセンスはありません。
ネーミングセンスがないなりに、友人から名前の使用許可を頂いたり、某キングスゴニョゴニョのチャット友達が考案して頂いたかっこいい名前や、作者がお腹空いた時に飲んだり食べた物したものからキャラ名にしてます。
異世界に行ったら何がしたい?との作者の質問に答えて頂いた皆様のアイデアを元に、深夜テンションでかき上げた物語です。
ゆるゆる設定です。生温かい目か、甘々の目?で見ていただけるとうれしいです。
色々見逃して下さいm(_ _)m
(2025/04/18)
短編から長期に切り替えました。
皆様 本当にありがとうございます❤️深謝❤️
2025/5/10 第一弾完結
不定期更新
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
神子の余分
朝山みどり
BL
ずっと自分をいじめていた男と一緒に異世界に召喚されたオオヤナギは、なんとか逃げ出した。
おまけながらも、それなりのチートがあるようで、冒険者として暮らしていく。
途中、長く中断致しましたが、完結できました。最後の部分を修正しております。よければ読み直してみて下さい。
事なかれ主義の回廊
由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼不定期連載となりました。
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。