王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第3章

知らないドラゴンの情報




「ドラゴンの卵で間違いない。」


「ほぉー。」



お家に帰るとホルス様が珍しく玄関前で出迎えてくれた。

近づいてくる同胞の気配を察知したのだそうだ。



そしてやっぱり卵はドラゴンのものだった。




「近くに親がいないみたいだった。」


「なるほど。攫われたか魔力が多く制御できずに転移してしまったかだろう。生きているならば時期に親が迎えに来る。どんなに離れていようが我が子の魔力は感知できるからな。」



へぇーっと言いながら頭の隅では親が迎えに来るという言葉が何度も繰り返される。


・・・・


親が迎えに……此処に?




「コルダ、とーさまは?」


「ホルス様がおられるので一先ずは仕事を定時で切り上げて帰るとのことですが…」


「ん。至急連絡しといて。」


「御意。」




緊急性を感じた僕は直ぐにコルダに確認を取って指示を出す。

詳細を言わなくてもコルダは分かってくれるからつくづく優秀な影をつけてもらっているなっと感じる。




「ホルス様は子育てをしたことがあるのですか?」


「否。一時的に預かっていたことはあるが…あれは子育てというより、共に遊んだだけだな。ドラゴンは一度の出産で一体しか産めない。先ほどは攫われたか転移したからだろうと言ったが、稀に子育てができない親もいる。死んでしまったか育て方が分からず放棄する者が居る。そういった場合は大抵他の者が弱った子がいるのを察知し、育てていくのだが…間に合わず産まれてこれずに生を終えてしまう子もいる。その子は状態がいい故、攫われたか転移してしまったかだと思うがな。」



「本ではドラゴンは子煩悩だって書いてあったけど、どの種族も育児放棄はあるんだねぇ。…ところで、この子の親は転移して来れないの?」



「ドラゴンにも個体差がある。適正魔法や魔力によって得手不得手があるのだ。その子の親は転移できない個体なのだろう。同胞にも逸れ子を保護していることは既に伝えておる故、時期に現れるだろう。まぁ…ドラゴンや精霊は人間と少し時の感覚が違うでな…すぐのすぐに表れるかは分からんが。」




へぇーっと本などから得た知識では知らなかったドラゴンの生態に驚きながら頭のメモ帳に書き記す。

後で書面に写すつもりだ。




「その子はどうやらルナイスに触れられると安心するらしい。親が現れるまで触れてやってくれ。」


「触れてるだけでいいの?」


「あぁ。それでいい。」


触れるだけで温まるのかな?と首を傾げながらも、夕飯まで卵に触れていた。











卵をホルス様に預けて、食堂へ。

夕飯には急遽帰還したとーさまもにぃ様もいる。



「ホルス様が既に他のドラゴンに迷い子を保護していることは伝えているようですが…ドラゴンや精霊達は人間と時間の感覚が違うのであまり期待できないとのことです。」


あまり時間もないので、夕飯を食しながらご報告。



「そうか…私はこの後王宮へ行き、ドラゴンについての報告と対策を行う。アドルファスはルナイスと共に居てくれ。」


「御意。」




はぁっと重たいため息を吐くとーさまにとても申し訳なく思う。

いつも僕は何かしら厄介事を持ち帰り、とーさまの頭を悩ませている。



折角のお家での夕食もこの後の謁見があるから急ぎ気味だし…

ワイアットも急な王家への謁見の為に忙しなく動き回っている。




「ルナイスが見つけずともドラゴンは子を探しにアーナンダ国へ来ていたはずだ。なにも知らずいきなりドラゴンが現れては我らも国民も皆パニックに陥っただろう。」


落ち込んでいる僕に気がついたにぃ様がすかさずそう言って大丈夫だと伝えてくれる。



「事前に卵の存在を知ったことで、ドラゴンを傷つける必要もなくなり、対策も打てる。むしろ卵を見つけてくれたことに感謝している。」



にぃ様の言葉に僕が落ち込んだことに気がついたとーさまもそう言ってくれて、単純にも落ち込んでいた気分が浮上する。





「ところでルナイス。少し前から思っていたのだが…ユエはどうした?」

もぐもぐとご飯を食べる僕に、とーさまがそう尋ねてきたので口の中にあったご飯をゴクリと飲み込む。


「ユエは僕のお部屋に居ますよ。ユエを抱きしめると安心するのですが…13歳にもなってぬいぐるみを抱えているのはよろしくないと思ってお留守番してもらってます。」

学園にも持っていけないしね。

昔よりもくったりとしてしまっているけれど、ドラゴンのぬいぐるみのユエは未だに僕の相棒だ。


本当はいつでも傍に持っていたいけれど、アーバスノイヤー家の次男が13にもなってぬいぐるみを持ち歩くのはあまりよろしくない。

だからユエには申し訳ないけど、僕のお部屋にいてもらってる。



「部屋だけじゃなく、屋敷内では自由に持ち歩けばいい。」


「はい。ありがとうございます。」


庭に持ち出るのは万が一来客などに見られたら困るから、にぃ様の言う通り屋敷の中では持ち歩かせてもらおう。




そんなたわいもない話もしながら再び夕食を口に運び、食べ終えた後は、すぐに出発するとーさまをにぃ様と共に見送った。






________

久々にユエについて触れたくて無理やり詰め込みました(笑)



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