王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

考えることを止めた人間は上に立つべきではない

部屋での話はやっぱりハビット辺境伯のこと。



妖精達は生った木の実を無遠慮に採るのをやめてほしいこと、狩りを控えること、それから森などの草花を踏み荒らさないことを要求したようで、それに対してハビット辺境伯は木の実と狩りは必要だからやっているのでやめるのは無理だと主張した。

それに対し妖精達は他の動物達に必要な木の実が足りなくなっていることと生態系が崩れる懸念を挙げたが、ハビット辺境伯はそれでは人族が飢え死ぬと主張。




いつまでも平行線な話を見かねたノヴァが明日全員で解決策を話し合うこととしその場を締めくくったのだとか。






僕はわざと大きく頬を膨らませ、怒ってますとノヴァに主張した。



「悪い。」


気まずそうにノヴァが謝るけど、ノヴァに全部丸投げした僕も悪い。

元々ノヴァは人付き合いが苦手で僕と一緒になるから必要に駆られて人と関わっているわけで…





分かってはいるけれど…そんなことハビット辺境伯達が自分達で考えるべきことだ。

そこまでしてやる義理がどこにあるのかっと不貞腐れてしまう気持ちが抑えられない。






「明日で終わりにしてやる。」


「…」


ぼそりと呟いた僕の言葉にノヴァはすっと視線を窓の外に逸らし聞こえなかったふりをする。






とりあえずその日は罰としてノヴァの上に乗っかって眠ってやった。
























「それで?ハビット辺境伯様。貴女は少しずつでも妖精族の存在を受け入れるのではなかったですか?あれも駄目これも駄目で妥協案の一つもださないでよく辺境伯なんて勤まりますね。最後は他人任せで貴方は一体なんのために居るのです?」


ハビット辺境伯の屋敷に着いてすぐに僕は猛攻撃を仕掛けた。


開口一番に辺境伯を詰る僕にノヴァは明後日の方向を見て知らんぷりで、ヨハネスは眉間を揉み、ガンナーはキョロキョロと視線をさ迷わせ、ホルス様は面白そうに笑って、ハビット辺境伯は目を見開いて固まっている。






「僕ね、考えることを止めた上司は必要ないなって思うんですが…そちらの方はどう思われますか?」


固まっている辺境伯は無視して辺境伯の傍に控えていた護衛に話を振る。



「え!?あ…わ、私はご当主様は十分に努力をなさっておいでだと思います!!」


急に矛先を向けられてすごく焦った護衛は慌てながらも自分の主人は十分に頑張っていると答えた。






「それ…本気で思ってる?」


「もちろんであります!」



護衛の答えにふーんっと返す僕と傍目から見ても冷や汗だらだらの護衛。




「ヨハネスはどう思う?僕が問題の対策をぜーんぶ考えてーって言う主人だったら。」


「主人からの命令なのでもちろん考えはします。が…正直仕える主の能力を疑います。」


「だよねー。」



こういう時ヨハネスは綺麗ごとだけを言わない。

たぶんヨハネスは自分が仕えるに値しないと判断したらすぐに僕の傍からいなくなる。


今彼が僕に仕えてくれているのはとーさま達の力が大きいと思うから、これからも仕えたいって思ってもらえるように気を付けないと。







「でも今回のハビット辺境伯の答えでよーく分かりましたね。自分達が飢えないで済むだけの努力をしていないってことが。」



「なっ!!」


だって、妖精族たちが言ってる木の実とかって全部の話じゃない。
それを採れなくなったら領民が飢えるだなんて正直あり得ない話だ。



「自分達も一度狩られる側になったら理解するのでは?」


狩る数を少し減らすだけで飢えるって話もあり得ない。

ドラゴンだってその辺りは考えてる。
狩りすぎては生態系を崩す。

生態系が崩れれば後々困るのは自分達。



そんなことも分からないようじゃ、正直領主なんて辞めた方がいいと思う。


僕はそんな領主が治める土地で暮らしたくない。








「経験してみます?」


狩られる側の経験を。








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