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第4章
獣人領のボス
しおりを挟む獣人領についてまず案内されたのはボスと呼ばれる獣人のお家。
「貴殿等のことはハデス辺境伯から聞いている。我はハデス辺境伯より獣人領を任されているヴォルカン・グルガルと申す。」
そう言ってご挨拶してくれたのは大きなお耳が特徴のヴォルカン・グルガルさん。
ライオ・ガルガルさんの時から思っていたけど…姓が可愛い。
「ご存じとは思いますがご挨拶申し上げます。私はルナイス・ウォードと申します。」
「ノヴァ・ウォードです。」
ノヴァと共に頭を下げるとヴォルカン・グルガルさんはうんっと一つ頷いた。
「ハデス辺境伯のご子息から貴殿等はあまり獣人の規則について詳しくないと聞いている。先ほどライオから貴殿等が獣人族について深く知りたがっていると聞いておるが、間違いないないか。」
「「はい。」」
ボスの言葉に僕とノヴァは即頷いた。
さっきから僕は口から「何の獣人ですか!?」と出てきそうになる言葉を13度程飲み込んでいる。
いつぽろっと口から失礼な言葉が飛び出るか分からないので、僕達に、特に僕に悪意が全くないことを知ってもらっておかねば!!
「それで?ルナイス殿は何か我に聞きたいことがあるのでは?」
ニヤリと笑う顔は悪役っぽい凶悪顔。
だけど色気漂うボスは歴代最年少でボスとなった人だと以前テトラ君から話を聞いている。
どうして僕が飲み込んでいる言葉があると分かったのか詳しく聞きたいところではあるけれど…ここは機会を逃さないため即回答。
「何の獣人ですか?」
背後でヨハネスがぴくっと動いたのが分かるが、僕は気づいていないふりをする。
だって聞かれたもの。
「もしやルナイス殿は…獣が好きな人族か?」
「はい。犬とか猫とか動物はわりと好きです。」
ボスの言葉にそう答えればボスは満足そうに笑い自身がリカオンの獣人であることを教えてくれた。
「リカオンって凄く賢くて、狩りの成功率が高い生き物だと書かれてました。」
「あぁ。残念ながら獣であるリカオンは絶滅しているがな。」
ボスの言葉に思わずため息が零れる。
前世では僕が住んでいた国でリカオンを見たことはなかった。
あっちでも害獣に分類されてしまったりで絶滅危惧種だったはず…こっちの世界では絶滅してしまってるなんて…。
「ははは!ここまで言葉の通じぬ他種族のことで残念がる人族は見たことがない!我が獣人領では共存している獣も多くいる。気に入ったのがいれば連れて行っても構わんぞ。」
突然笑いがしたボスはどうやら僕のことを気に入ってくれたようだ。
覗く鋭い歯がかっこいい。
西の森を抜けるのは疲れただろうから一先ず休めと言われ、僕達は一軒の立派なお家に案内してもらった。
獣人領すごい!と感動していた僕だけど、ちょっと拗ねたノヴァが可愛かったのでそれ以上は獣人について話すのを止めてノヴァとくっついてゴロゴロして過ごした。
次の日
僕達は物凄い遠吠えの声で目が覚めた。
すぐにコルダが現れて、遠吠えをしたのはボスで、この遠吠えの意味は戦闘態勢に入れという指示だと伝えてくれた。
僕とノヴァはすぐに着替えて隣のお家から僕達の様子を見に来てくれたうさぎ獣人のキャロット・カジカジさんにこの家から出ないように言われた。
「西側からブラックバーブガイ3頭がやってきたみたいなのですが、私達はこういったことに慣れているので心配ご無用です!私達は今回のように領を荒らしにきたものしか食さないようにしているので、今日は良い肉が食べられますよー!」
キャロットさんはニッコニコの笑顔で教えてくれるが、うさぎって肉食べるの?
「お肉は肉食獣人の方が主に食します。草食獣人は少量食べる者もおりますが、主にはお野菜を食します。肉が手に入ると良いお野菜が多くこちらに回ってくるので草食獣人も肉が手に入ると嬉しいのです!」
じーっと見て首を傾げていた僕を見て、キャロットさんが察して教えてくれる。
よかった。
うさぎが(獣人であっても)お肉食べてるのって凄い違和感を感じるし。
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