王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

とーさまはフッカル

とりあえず魔獣達が溢れ出て来る心配はなくなったと言う事で、僕達はハデス領へ向かうことにした。



順調にハデス領へ着き、街の散策をしたかったけれど先ほどの件について情報の整理をしたいとのことでハデス家の応接室へと集まり会議が始まってしまった。


「辺境伯様。私はあの森を離れる際、勝手ながらアーバスノイヤー家の当主へ報告をし至急指示を仰ぎたい旨を伝えました。転移の許可を頂きたい。」


「許可をする。」



「感謝いたします。」



会議が始まってすぐノヴァが辺境伯様へ伝えた言葉に僕はぎょっとする。








まさか結婚してアーバスノイヤー家を出た後にもとーさまへ迷惑をかけることになろうとは…









辺境伯様の許可を得られたノヴァが席から少し離れた所へ転移の陣を魔力を使って床に描くとすぐに淡く光だし、瞬きをした次の瞬間にはその場に久しぶりのとーさまとにぃ様が立っていた。


にぃ様は僕を視界に捉えると、すぐさま走ってきて僕を強く抱きしめてくれた。



僕もにぃ様が登場するとは思っていなかったので一瞬ぼけっとしていたけれど反射的ににぃ様に強くしがみついた。






「アドルファス。先に辺境伯殿へご挨拶をしろ。」


「申し訳ありません。弟に会えたことが嬉しいあまり礼を欠いた行動を取ってしまいました。」



とーさまに注意を受けたにぃ様はこっそりと面倒臭そうにふぅっと息を吐き出してから、辺境伯様へ謝罪の言葉を口にする。


辺境伯様は気にしていないと言ってくれて、とーさまとにぃ様と握手を交わした。
大人の対応である。









「状況は事前にノヴァから聞いている。ルナイス、他に龍神様は何か仰っていなかったか?」


席に着いたとーさまは、早速本題に入ってまず僕を鋭い目で見つめてきた。

怒っているのではなく、何か隠しているのだろう?と秘密を暴く目である。





「んー…あー…そうだ。東に着いたら神殿に行きなさいと言われました。」


神界のことなどはとーさまにも伝える気はなかったので、最後に龍神様から言われた言葉だけとーさまにご報告する。






「…まぁいいだろう。必要なことであればお前は必ず私達に隠さず話すと信じている。」


とーさまには僕のごまかしは効かなかったようだけど、信頼の名のもとに許された息子の僕。

何だかんだとーさまも子に甘い。



それを理解していて甘えていることに多少の罪悪感を覚えますが、こういうのは気にしないでいいよっと小さい頃からにぃ様に英才教育を受けていますので罪悪感は流しそうめんのように体の外に流します。










「して公爵殿。私はあの森に歪みの穴があり、そこから魔獣が出現していたことを国王へ報告せねばならないのですが…この件には深く貴殿のご子息が関わっています。公爵殿のご意見をお聞かせ願いたい。」



「我が息子のことにご配慮いただき、この場を設けてくれたこと感謝する。私としては息子が龍神の加護を強く持っていることについてまだ王族に知られるわけにはいかない。ので、此処はルナイスが龍神様と言葉を交わしたのではなくホルス殿を通じて龍神様と言葉を交わした…との報告にしていただきたい。」





辺境伯様がとーさまに尋ねると、とーさまはまず僕のことを考えてこういう話し合いの場を設けてくれた辺境伯様へ礼を述べた。

今は真剣な大人のお話中だから声をだせないけれど、僕も後できちんと礼を伝えなくては。



ホルス様の腕で微睡んですっかり忘れてしまっていた。







「なるほど。これほど素早くご自身が動かれたのはそういうことですか。」


「お恥ずかしながら何のことを仰っておられるのか私には理解できませんね。」



辺境伯様のニヤリ顔にとーさまはクールに知らん顔である。

恐らくノヴァから細かく報告を受けていて、僕がまた何か面倒なことやらかすぞって感づいたとーさまが素早く動き、他の使者が遣わされる前に自らが動いたことを辺境伯は揶揄っているのだろう。




「ルナイス・ウォード。結界が修復され約100年程は安心して良いだろうという報告をあげて問題はないか?」


「はい。あぁ、でも約90年程にしておいてください。油断しすぎるのも良くない気がしますので、定期的に状態は見ておいた方がいいと思います。」



何せ、龍神様があれだけ馬鹿と連呼するおっちょこちょいな神様が創っている森に結界だ。

もしかしたら龍神様の予想から逸れた何かがあるかもしれないので要注意。





「しかし、結界は君にしか視えない。」


「先程の様子からして、結界が弱まれば穴から湧く魔獣が増える、或いは普段見ない魔獣が出現するのだろう。それを目安にすればよい。」



辺境伯様の言葉にそれなんだよなーっと頭を悩ませたが、ホルス様がすぐに解決してくれた。




「辺境伯様。騎士や警備隊の訓練に森での魔獣討伐を組み込むのはいかがでしょうか?訓練にもなるし、調査もできるので無駄がないかと。」


ホルス様の言葉に続けて思い浮かんだ案を辺境伯様へと告げれば、そのことを国王へも提案してみると言ってくれた。









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