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第4章
怪しい使用人
行くぞ!と意気込んだ死霊獣は蘇生したとは言え、多くの血を失った影響でかフラリと倒れ気絶してしまった。
元々彼を歩かせては目立ちすぎると思っていたので、ノヴァの空間魔法の中に入っていてもらうことにして僕達は現場を浄化し次の目的地へと足を運んだ。
僕達が次にやってきのはグリシャム領。
領内全てを調査するのは難しいので、被害のあった各領の堺辺りを調査する。
魔獣は数体居たものの、特別な凶暴性はなくまた危険性のある不可思議な群れも見当たらなかった。
しかし怪しい物は見つかった。
淀んだ魔力が閉じ込められた魔力晶が地面に埋められていたのだ。
ノヴァが魔力を薄く延ばして探知機みたいに使った時、違和感を感じた所を掘って発見できたもので、誰かが地を掘り起こした様子もないことから何らかの魔法で地を掘ることなく魔力晶を埋め込んだと推測する。
間違いなく件の相手の仕業だろう。
そしてそれはオルフェウス領からも発見された。
どちらも領境にあったので、相手は4領の堺に居たはずだが見渡す限りそれらしき者が近くに潜んでいる気配はどの場所でも、僕もノヴァも感じられなかった。
各領地に所属する警備隊の者を数名現場へ残し僕達は今日の調査報告の為、再びファクター公爵様の元へと足を運んだ。
「これは…ノヴァ殿。どう思われる。」
「はい。魔力晶は闇属性、呪いの類と見て間違いありません。取り出してすぐに結界で覆いましたが触れた者は発狂し最悪命を落とすほど強力なものと推察いたします。」
「うむ。私もそう思う。不浄の地、呪いの魔力晶、血の付いた骨…相手が何かしらの呪術を行おうとしていることはこれで確定と言える。」
渡した魔力晶を見て険しい顔をしたファクター公爵に使用人の一人がそっと茶を渡し、そして僕達の前にも同じように茶を置いた。
「…公爵様、彼は公爵様の秘書ですか?」
「ん?いや、秘書は今私に変わって仕事をしてもらっている。彼はその秘書の代わりの使用人だ。」
「では公爵様。今手に持っている飲み物を机の上に置いてください。そしてお前はこの茶を飲め。」
お茶を出された時にふっと感じた違和感に給仕をしている彼が何者なのかをファクター公爵様に尋ねれば、何とも曖昧な答えが返ってきた為すぐに影を使って使用人を拘束する。
拘束魔法も使えないことはないのだけど、とーさまの精度ほどのものは使えないので得意な闇魔法の方で。
相手が闇魔法を使うのなら、同じ闇魔法を使う僕とは相性がある意味良いだろうし。
ぐっとどうにか身動きを取ろうとする使用人をより強く縛り、彼の口に無理矢理茶を流せば唸り声を上げ、しばらくして涎を垂らしながらゲラゲラと笑いだした。
「当たりだね。」
「ルナイス・ウォード…どういうことか説明を願いたい。」
使用人に混じっていた男の身柄を光魔法の使えるノヴァに託し、僕は改めてファクター公爵様と向き合う。
「まずこの部屋に入ってから不快な感覚が彼からしました。そして彼のカップの置き方が不慣れな様子だったので不信感を抱き公爵様に彼について尋ねたのです。その際公爵様は何の疑問も抱かれていない様子で曖昧な立ち位置の彼を秘書の代打だと紹介されました。秘書の代打であるならば通常もっと関わりが深く身元がしっかりとしたものを置くはず。そしてお茶からも温めるとは違う魔力の気配を感じましたので先ほどの行動に移らせていただきました。」
「君がいやに静かだったのはそれが原因だったか…あの者を傍に置くことに何の疑問も抱かなかったなど恥ずかしいことこの上ない。」
「精神操作の術を何処かで受けたのでしょう。心当たりは?」
「はぁ…重ねて情けないのだが全くない。もしあるとすれば…眠っている間に…」
僕は前世から人間不信を拗らせているし、人の悪意ある感情には人一倍敏感であるのであの使用人に対しての違和感をすぐ感じ取れたけれど堂々としたあの者の振る舞いから違和感に気が付くのは難しいと思う。
が、しかし公爵様はとても落ち込んだ様子で頭を抱えている。
気持ちは分かるが今はあまり落ち込んでいる余裕はない。
「各領地に、しかも領主の近くに敵が潜んでいる可能性が出てきました。すぐに調べるよう通達をお願いします。恐らく先ほどの者はノヴァが尋問していると思うので情報が出てきましたらノヴァが戻ってくるかと。それから飲み物に掛けられていた魔法は魔力晶と同じようなもので精神異常系のものだと推測されます。不用意に口に物を入れない方がいいでしょう。潜んでいる敵が一人だけとは限りません。」
「そうだな。すぐに動こう。」
まずは公爵自身が身の回りの者でよく知らない者がいないか等を調べてくると言って慌ただしく部屋を出て行かれた。
僕もすぐに部屋を出て、宛がわれている部屋へと入る。
「コルダ怪しい動きを見せている者は全て問答無用で拘束。ヨハネスは内部の情報を聞き出して。ガンナーは辺りの警戒に動いて。」
「「「っは!」」」
部屋に入ってすぐに魔力を広げ、辺りに怪しい者がいないことを確認してからそれぞれの護衛に指示を出す。
自分の護衛が手薄すになる為、魔力を放出したまま警戒しながら僕は皆の帰還をじっと待った。
元々彼を歩かせては目立ちすぎると思っていたので、ノヴァの空間魔法の中に入っていてもらうことにして僕達は現場を浄化し次の目的地へと足を運んだ。
僕達が次にやってきのはグリシャム領。
領内全てを調査するのは難しいので、被害のあった各領の堺辺りを調査する。
魔獣は数体居たものの、特別な凶暴性はなくまた危険性のある不可思議な群れも見当たらなかった。
しかし怪しい物は見つかった。
淀んだ魔力が閉じ込められた魔力晶が地面に埋められていたのだ。
ノヴァが魔力を薄く延ばして探知機みたいに使った時、違和感を感じた所を掘って発見できたもので、誰かが地を掘り起こした様子もないことから何らかの魔法で地を掘ることなく魔力晶を埋め込んだと推測する。
間違いなく件の相手の仕業だろう。
そしてそれはオルフェウス領からも発見された。
どちらも領境にあったので、相手は4領の堺に居たはずだが見渡す限りそれらしき者が近くに潜んでいる気配はどの場所でも、僕もノヴァも感じられなかった。
各領地に所属する警備隊の者を数名現場へ残し僕達は今日の調査報告の為、再びファクター公爵様の元へと足を運んだ。
「これは…ノヴァ殿。どう思われる。」
「はい。魔力晶は闇属性、呪いの類と見て間違いありません。取り出してすぐに結界で覆いましたが触れた者は発狂し最悪命を落とすほど強力なものと推察いたします。」
「うむ。私もそう思う。不浄の地、呪いの魔力晶、血の付いた骨…相手が何かしらの呪術を行おうとしていることはこれで確定と言える。」
渡した魔力晶を見て険しい顔をしたファクター公爵に使用人の一人がそっと茶を渡し、そして僕達の前にも同じように茶を置いた。
「…公爵様、彼は公爵様の秘書ですか?」
「ん?いや、秘書は今私に変わって仕事をしてもらっている。彼はその秘書の代わりの使用人だ。」
「では公爵様。今手に持っている飲み物を机の上に置いてください。そしてお前はこの茶を飲め。」
お茶を出された時にふっと感じた違和感に給仕をしている彼が何者なのかをファクター公爵様に尋ねれば、何とも曖昧な答えが返ってきた為すぐに影を使って使用人を拘束する。
拘束魔法も使えないことはないのだけど、とーさまの精度ほどのものは使えないので得意な闇魔法の方で。
相手が闇魔法を使うのなら、同じ闇魔法を使う僕とは相性がある意味良いだろうし。
ぐっとどうにか身動きを取ろうとする使用人をより強く縛り、彼の口に無理矢理茶を流せば唸り声を上げ、しばらくして涎を垂らしながらゲラゲラと笑いだした。
「当たりだね。」
「ルナイス・ウォード…どういうことか説明を願いたい。」
使用人に混じっていた男の身柄を光魔法の使えるノヴァに託し、僕は改めてファクター公爵様と向き合う。
「まずこの部屋に入ってから不快な感覚が彼からしました。そして彼のカップの置き方が不慣れな様子だったので不信感を抱き公爵様に彼について尋ねたのです。その際公爵様は何の疑問も抱かれていない様子で曖昧な立ち位置の彼を秘書の代打だと紹介されました。秘書の代打であるならば通常もっと関わりが深く身元がしっかりとしたものを置くはず。そしてお茶からも温めるとは違う魔力の気配を感じましたので先ほどの行動に移らせていただきました。」
「君がいやに静かだったのはそれが原因だったか…あの者を傍に置くことに何の疑問も抱かなかったなど恥ずかしいことこの上ない。」
「精神操作の術を何処かで受けたのでしょう。心当たりは?」
「はぁ…重ねて情けないのだが全くない。もしあるとすれば…眠っている間に…」
僕は前世から人間不信を拗らせているし、人の悪意ある感情には人一倍敏感であるのであの使用人に対しての違和感をすぐ感じ取れたけれど堂々としたあの者の振る舞いから違和感に気が付くのは難しいと思う。
が、しかし公爵様はとても落ち込んだ様子で頭を抱えている。
気持ちは分かるが今はあまり落ち込んでいる余裕はない。
「各領地に、しかも領主の近くに敵が潜んでいる可能性が出てきました。すぐに調べるよう通達をお願いします。恐らく先ほどの者はノヴァが尋問していると思うので情報が出てきましたらノヴァが戻ってくるかと。それから飲み物に掛けられていた魔法は魔力晶と同じようなもので精神異常系のものだと推測されます。不用意に口に物を入れない方がいいでしょう。潜んでいる敵が一人だけとは限りません。」
「そうだな。すぐに動こう。」
まずは公爵自身が身の回りの者でよく知らない者がいないか等を調べてくると言って慌ただしく部屋を出て行かれた。
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「「「っは!」」」
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