王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
281 / 427
第4章

隣国からの脅迫文

飛んでくる魔法をノヴァの結界で無効化している中、僕達は屋上に立ってヨハネスに拡声魔法を展開してもらう。




「えーあー…ごほん……僕達は闇属性適合者への迫害の謝罪と法の改善を求める集団『シュバルツ』である!これまで僕達は理不尽な暴力と暴言を受け、命を奪われてきた。我々が不当に扱われていることを黙認し、または率先して命を刈り取った者や国に対して謝罪と急速な法の改定を要求する!これに対し対話をする意思なく我等を害する者、国に対しては我々もそれ相応の対処を致す!」

建物のてっぺんでそう叫ぶ僕に向かってありとあらゆる魔法が飛んでくるが、全て結界に弾かれると分かっているから全く怖くない。

後ろに控える闇属性適合者達の中には震えている者もいるけれど、1~5番に関しては結界を興味深く見ていて怖がっている様子は見受けられない。




僕は自分の中二病っぽい言葉を少し恥ずかしく思いながらも、こういう場合にはこのわざとらしい演技も必要だと知っているから恥ずかしくても堂々と言葉にして大げさに振る舞う。








僕の宣言後、全員魔法で瞬時に建物の中に移動する。




「ルナイス様。たまがこれを届けに参りました。」


各国がどのように動くか…しばらくは静観しようと皆に椅子に座ってくつろぐよう告げた数分後。

手紙を持ってきたヨハネスの後ろには久しぶりのたまが敬礼している。




「…アーナンダ国は対話を望む。国王が出向く為しばらく時間が欲しい…だって。たま、兵士や貴族の動きはどんな感じだった?」


手紙は宰相様からで、国王が出向くための準備を整えているからもう少し時間が欲しい。

その間アーナンダ国から攻撃を仕掛ける兵を出すことはしないが、隣国からの攻撃に備え兵は近くに置くことが書かれていたけれど、国の意思に背いて僕達闇属性適合者を排除しようと動く輩がいないとは言えない。





「はい!貴族の私兵や雇われた者が数名こちらへ向かわされておりましたが、アドルファス様とヒュー・ヒル様が排除していました。ハデス辺境伯、ハビット辺境伯は隣国からの侵入者への対応に追われているようでテトラ様からの言伝があります。『やってくれたなルナイス。これが終わったら礼の品を期待しているぞ。』とのことです。」



流石たまはただ手紙を届けに走るだけではなく、周りの情報も集めてきてくれた。

そして余計な言伝まで預かってきている。



しかし、ハデス辺境伯やハビット辺境伯の領境にしっかり建物建ててるし、隣国にも喧嘩を売ってその兵士たちへの対応までさせているのだから詫びの品は用意しなくちゃいけない。

期待されても困るんだけど…それ相応の品は準備しよう。






「ルナイス様。俺も此処に滞在させてもらっていいですか?外に出たら死んじゃいそうで。」


へへへっと笑うたまにもちろんと頷いて適当に空いてる部屋を使ってと言う。

確かに外では既に隣国からの兵士達とアーナンダ国の兵士のどんぱちが始まっているからあんまり戦闘能力のないたまでは危険だ。











しばらく僕達は色んな所からもたらされる情報に耳を傾けていたけれど、ついに隣国からの脅迫文が届いた。



『闇属性適合者54名の命が惜しくば、我が命に従え。』



魔法送書につけられた映像には処刑台の上に縄でしばられ並べられる老若男女の人間達。

その中にはまだ生まれて間もない者もいる。


皆ボロボロの姿で絶望しきった顔をしていて、既に溺死の者まで居るのが分かる。






「…ホルス様、行ける?」


「あぁ。いつでもいいぞ。」



予想通りだけど、やっぱり迫害の酷い隣国は対話よりも服従を望み、更には罪のない者達を傷つけ僕達を脅迫した。


もう奴らに与える慈悲はなくていい。






感想 59

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた

月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。 推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。 だから距離を置くつもりだったのに―― 気づけば、孤独だった彼の隣にいた。 「モブは選ばれない」 そう思っていたのに、 なぜかシナリオがどんどん壊れていく。 これは、 推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・