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第4章
見た目はともかく美味しいご飯
あのおじ様のお店のことをお肉を渡す時に皆にも布教しようっと心に決め、ノヴァと手を繋ぎ入り込んだ次の店は外の喧騒が嘘のように静かで仄暗いカフェ。
周りは本だったり色んな雑貨で溢れていて、全ての席がさりげなく隠されるように設計されているお店だ。
席まで案内してくれた店員さんは悪魔と獣人の混血種のようで黒い羽と角、赤い猫耳と尻尾の生えた方で凄く際どい服を着ていた。
興味深くてついじっと目で追いかけると前方からわざとらしい咳払いが聞こえてきてはっと意識を目の前の人物に移す。
「…ねぇノヴァ。ノヴァも羽とか尻尾とか角とかあるの?」
「あるにはある…だが、俺は羽だけだ」
「へぇ」
もしかしてっと思ってノヴァに聞いてみれば、あった羽。
今まで聞いたことも見たこともないし、ノヴァの表情を見る限りあんまり人に見せたくないものらしい。
なんでだろう?って理由が気にはなるけれど…無理に聞き出して知りたいほどではない。
だって、ノヴァの羽を知らないからって僕やノヴァの命が危険なわけでもないし、何か不便なことがあるわけでもない。
半魔であることを隠しているわけではないようだけど、あんまり周知されることを望んでないようだし、これ以上は深く言及せずにいることにした。
すぐに運ばれてきた飲み物は、紫色をしていて他の所ではない見た目をしているので何だかそれを飲むことにドキドキわくわくする。
いざ飲んでみるとレイレイよりもまろやかな酸っぱさの飲み物で、すごく飲みやすい。
「美味いな」
「ね!これ中央に持って帰れないかな?」
「後でラプラス様に聞いてみよう」
ノヴァも美味しいと思う味だったようで、僕達はこの飲み物をどうにか中央に持って帰れないかラプラス様に聞いてみることに決めた。
しばらく喋りながら待っているとやってきた大きな肉塊がのせられたお皿がきた。
運ぶ店員さんも片手では持ってこれない代物だ。
これを頼んだのはもちろんノヴァ。
アックスビークのお肉ではないけれど、肉好きなノヴァの目はお肉に釘付けだ。
「温かい方が美味しいんだから、先に食べてよ」
「悪い」
僕の注文した料理がやってくるまで待つ姿勢を見せたノヴァに遠慮せず食べるよう促す。
もぐっと一口大に切ったお肉を口に含んだノヴァの目がキラっと輝き、そしてゆるっと緩む。
どうやらお気に召した様子のノヴァが次々とお肉を頬張る姿に僕の口もにんまりと緩む。
そうしてノヴァをデレデレと見ていた僕の元にやってきたチィの実が入ったサラダとノヴァのより小さくカットされたお肉がのったお皿。
僕も食べる時の挨拶をぱぱっとして、まずはチィの実の入ったサラダを一口。
「んぅまい!」
チィの実のすっぱあまい味とサラッとした軽い口当たりのドレッシングが凄く合っていて、葉も黒色だけど肉厚で苦味がなくてとっても美味しい。
お肉も良い塩加減で調理されていて、シンプルだけどノヴァのように次々口に入れたくなる気持ちがよく分かる。
二人ともあんまり会話もせずに夢中で食べて、食べ終わってから食事についてすごく熱く語ってしまった。
普段あんまり口数が多い僕達じゃないけれど、美味しすぎるものを食べた時とかってついこの料理のどういうところが最高だったって、語ってしまうよね。
南の地の食べ物は見た目はちょっと怖気ずくものが多いけれど、味はとても美味しいものが多いのだと知り、自分達の為にも積極的に中央に入るように働きかけようと二人で決めて、お店を出た僕達は闇市をぶらぶらすることにした。
_________
【お知らせ】
今更ですが「」等の中で句読点は使用しないということを知りましたので今後は入れないようにしていこうと思います。
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