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第4章
孤児院訪問、即帰る
肉包みを持って僕達が向かった先は闇市の賑わいからは少し離れた所に建っている孤児院。
悪魔族は子育てをあまりしないことが多く、孤児院に預けられる子は多いとラプラス様の僕から聞いたので、どんな感じなのか見学をさせてもらうことにしたのだ。
事前にラプラス様の名で僕達が訪問しますよっという達示は出してもらっているが急の訪問なのでせめてもの差し入れとして肉包みを…
孤児院は世話焼きで母性の強い淫魔が主体となって子供達の面倒を見ているらしい。
「こんにちは。突然の訪問ですみません」
「あらあら~こんにちはぁ!構いませんよぉん♪隠すことも物もありませんしぃ子供達もお客様がくるぅって今朝からはしゃいでまーす!」
孤児院に着いてまずノヴァが出迎えてくれた淫魔さんに突然の訪問を詫びると、淫魔さんはすっごくニコニコ笑ってくねくねと体をくねらせ、バチコンと手慣れたウインクをして歓迎してくれた。
しかも彼女は筋骨隆々な淫魔さんで、たぶん孤児院の中で用心棒の役割を担っている方なのだと思う。
そんな彼女からの許可をもらっていざ孤児院に足を踏み入れた瞬間、前方から素早い球が僕の顔目掛けて飛んできた。
カキーン
「「「「おぉ~」」」」
僕目掛けて飛んできた球はヨハネスが剣で弾き飛ばし、遥か遠くへと飛んで行ってしまった。
見事な打球に皆が思わず声を上げ拍手を送るが、拍手を送られたヨハネスからは静かな怒気が感じられる。
「もしあの球がルナイス様の頭に当たり、打ちどころが悪く亡くなってしまわれたらお前達はどう責任を取るつもりだ」
ヨハネスは僕の前に立っているから、その表情は伺えないが声色からはやっぱり怒っていることが分かった。
チラっと隣のノヴァに視線をやるが腕を組んで見守る態勢を取っているので、僕も取り合えず黙って見守ることにした。
僕としては自分でもあの球を取れただろう自信があるし、子供のやったことだから別にあまり気にはしてないし怒ってもいない。
だけどヨハネスの言う通り、もし球が頭に当たって打ちどころが悪ければ死ぬ可能性は十分にあるし、死ななくても大怪我を負わすことになる危険な行為だ。
僕達みたいに反応できない人だったらその可能性は十分にあったわけで…
孤児院や子供達のためにはきちんと分からせなくてはいけないだろう。
「も、申し訳ありませぇ~ん!!」
案内してくれた逞しい淫魔さんもぽけっとしていたけれど、ヨハネスの怒り具合に慌てて謝罪をしているが淫魔の特性なのか、彼女の特性なのか涙目上目つかいの体くねくねで、とても反省しているようには見えない。
何かやばそうだから取り敢えず謝っとけ!って感じがプンプンするのだけど…淫魔ってこれが誠意ある謝罪の仕方なのかな?
「…ルナイス様。ノヴァ様。此処は危険ですので予定を変更されることをおすすめいたします。この者は自分達が犯したことの重さを理解していません。施しをやる必要はないかと存じます」
あ、あれやっぱりちゃんと反省してない感じだよね?
ヨハネスがくるっとこっちを向いて僕に言った言葉にだよね、だよねーって頷く僕。
別にそんなやばいことされたって思ってないけど、もしこのまま僕達が此処に居てさっきのようなことがあれば僕達はこの孤児院を訴えなければならないし、最悪孤児院潰される。
孤児院のためにも僕達は退散したほうがいい。
「そうだね。えーっと…やはり突然の訪問で場に混乱させてしまったようなので、僕達は帰ることにします。ラプラス様にも我々から伝えておきますので…失礼します」
「失礼する」
これ以上場を荒立てないために言葉を濁しつつ、僕達は孤児院の子供達に背を向け施設を出る。
背後で逞しい淫魔さんがあわあわ言っていたけれど…無視しますね。
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