336 / 427
第5章
殿下の助言とエイド様からのお願い
とーさまにこそっと「今の内に城を出なさい」と言われて、気配を消して部屋を出て数秒後。
「待て待て待て」
「僕も聞きたいことがあるなー」
クラージュ殿下とエイド様に捕まってしまった。
クラージュ殿下は僕を追って部屋をこっそり出てきたようで、エイド様は部屋の外で僕が出て来るのを待ち伏せしていたみたい。
思わず出そうになった舌打ちを飲み込んで「何ですか」と問う。
「まずは今回の会議に参加し、他国の説得をしてくれたこと礼を言わせてくれ。それから私達が許可しないだろうと報告をしなかった件はアーバスノイヤー公爵の責任として、どんな理由があったにせよ自分が仕える者を欺いたことはお互いの信頼関係に亀裂を入れる危険な行為だ。いくら王家とアーバスノイヤー家の関係があるとは言え今回のことについて事前に報告をしなかったことはしっかりと謝罪を君からもしておきなさい」
まずはクラージュ殿下のお話から。
片手を両手で握り拘束しながら、僕の目線に合わせるように腰を折り幼子に言い聞かせるように言うクラージュ殿下に自分はそんな幼子ではないと言いたい気持ちを抱えながらも、殿下の言葉に頷く。
確かにそこまでの敬意は持っていないとしても、自分は王家の影として動く身である。
雇用主の信頼を損なう行為を当たり前のようにしては今の関係性が破綻してしまう。
そうなっても問題はないけれど、不要な争いごとの種は撒かない方がいいというクラージュ殿下の言いたいことがよく理解できたので、後程きちんとした謝罪文を送ろうと思う。
「分かりました。確かに後始末は丁寧にしておくべきですね。ご忠告ありがとうございますクラージュ殿下」
「後始末…いや、分かってくれたのならいい」
クラージュ殿下とのお話はこれで終わり。
次はエイド様のお話だっと、体をエイド様の方へと向ける。
「後日、各国王の様子や特徴、性格なんかを覚えている限り教えて欲しいんだ。これからの外交に役立てたくてね」
「なるほど。では報告書を作成し、エイド様に提出します。宰相様も一緒にご覧になられるのですよね?」
「あぁ、助かる。それからこっからは個人的なお願いだ。僕にキメラ魔獣やドラゴンと触れ合う時間を頂戴?もうずっと気になっててね!アドルファスにお願いしても彼等はルナイス君の友人だから私が決められることじゃないって取り合ってもらえなくてさぁ。アドルファスが君に伝えてくれたらいいのに、それも拒否されてたんだよ。やっと直接言う機会ができたからさ!」
「え?…あー…はい。お互いに日程の合う日があれば。彼等を家に縛り付けているわけじゃないので偶にお出かけしてたりするけど、事前に伝えておけば居てくれると思いますし」
「ほんと?ありがとー!ではまた空いてる日程を送るから、君達の良い日を教えてね。引き留めて悪かったね、じゃあね」
エイド様はにこやかに笑うとそう言って元気に去って行った。
此処で僕を待ち伏せしていたようだけど、エイド様もとても忙しい身の御方だからこの後の予定が詰まっているのだろう。
「クラージュ殿下は戻られないのですか?」
「あの地獄の中に戻る元気がない。君を見送ってさっさと自室で公務に移るよ」
げんなりした顔で扉をチラッとみたクラージュ殿下はそう言って、自然に僕の背に手を当てエスコートしながら歩き出す。
そんな自然すぎる動作に、彼が一国の王子であることを今更ながら感じた。
「あー…僕も将来、父上のようにヒューやアドルファス、エイド達にねちねちと言われるのだろうと思うと今から胃がキリキリするよ」
「ヒュー様もにぃ様も殿下が失礼なこと言わなかったらねちねちなんて言わないと思います。エイド様も結構厳しく殿下に言われるのですか?」
「その件は…反省しているよ。エイドは厳しいというよりは…笑顔で詰め寄ってくる種類だ。なんなら本気で怒らせるとアドルファスより厄介やもしれん」
「へー」
エイド様とはあんまり接する機会がなかったので、いまいちどんな御方なのかしっかりとつかめていない。
悪い印象はないから先程のお願いも聞き入れたのだけど…エイド様についてヒュー様やにぃ様からも情報を集めておこう。
何か怒らせてしまっては厄介な人のようだし。
「待て待て待て」
「僕も聞きたいことがあるなー」
クラージュ殿下とエイド様に捕まってしまった。
クラージュ殿下は僕を追って部屋をこっそり出てきたようで、エイド様は部屋の外で僕が出て来るのを待ち伏せしていたみたい。
思わず出そうになった舌打ちを飲み込んで「何ですか」と問う。
「まずは今回の会議に参加し、他国の説得をしてくれたこと礼を言わせてくれ。それから私達が許可しないだろうと報告をしなかった件はアーバスノイヤー公爵の責任として、どんな理由があったにせよ自分が仕える者を欺いたことはお互いの信頼関係に亀裂を入れる危険な行為だ。いくら王家とアーバスノイヤー家の関係があるとは言え今回のことについて事前に報告をしなかったことはしっかりと謝罪を君からもしておきなさい」
まずはクラージュ殿下のお話から。
片手を両手で握り拘束しながら、僕の目線に合わせるように腰を折り幼子に言い聞かせるように言うクラージュ殿下に自分はそんな幼子ではないと言いたい気持ちを抱えながらも、殿下の言葉に頷く。
確かにそこまでの敬意は持っていないとしても、自分は王家の影として動く身である。
雇用主の信頼を損なう行為を当たり前のようにしては今の関係性が破綻してしまう。
そうなっても問題はないけれど、不要な争いごとの種は撒かない方がいいというクラージュ殿下の言いたいことがよく理解できたので、後程きちんとした謝罪文を送ろうと思う。
「分かりました。確かに後始末は丁寧にしておくべきですね。ご忠告ありがとうございますクラージュ殿下」
「後始末…いや、分かってくれたのならいい」
クラージュ殿下とのお話はこれで終わり。
次はエイド様のお話だっと、体をエイド様の方へと向ける。
「後日、各国王の様子や特徴、性格なんかを覚えている限り教えて欲しいんだ。これからの外交に役立てたくてね」
「なるほど。では報告書を作成し、エイド様に提出します。宰相様も一緒にご覧になられるのですよね?」
「あぁ、助かる。それからこっからは個人的なお願いだ。僕にキメラ魔獣やドラゴンと触れ合う時間を頂戴?もうずっと気になっててね!アドルファスにお願いしても彼等はルナイス君の友人だから私が決められることじゃないって取り合ってもらえなくてさぁ。アドルファスが君に伝えてくれたらいいのに、それも拒否されてたんだよ。やっと直接言う機会ができたからさ!」
「え?…あー…はい。お互いに日程の合う日があれば。彼等を家に縛り付けているわけじゃないので偶にお出かけしてたりするけど、事前に伝えておけば居てくれると思いますし」
「ほんと?ありがとー!ではまた空いてる日程を送るから、君達の良い日を教えてね。引き留めて悪かったね、じゃあね」
エイド様はにこやかに笑うとそう言って元気に去って行った。
此処で僕を待ち伏せしていたようだけど、エイド様もとても忙しい身の御方だからこの後の予定が詰まっているのだろう。
「クラージュ殿下は戻られないのですか?」
「あの地獄の中に戻る元気がない。君を見送ってさっさと自室で公務に移るよ」
げんなりした顔で扉をチラッとみたクラージュ殿下はそう言って、自然に僕の背に手を当てエスコートしながら歩き出す。
そんな自然すぎる動作に、彼が一国の王子であることを今更ながら感じた。
「あー…僕も将来、父上のようにヒューやアドルファス、エイド達にねちねちと言われるのだろうと思うと今から胃がキリキリするよ」
「ヒュー様もにぃ様も殿下が失礼なこと言わなかったらねちねちなんて言わないと思います。エイド様も結構厳しく殿下に言われるのですか?」
「その件は…反省しているよ。エイドは厳しいというよりは…笑顔で詰め寄ってくる種類だ。なんなら本気で怒らせるとアドルファスより厄介やもしれん」
「へー」
エイド様とはあんまり接する機会がなかったので、いまいちどんな御方なのかしっかりとつかめていない。
悪い印象はないから先程のお願いも聞き入れたのだけど…エイド様についてヒュー様やにぃ様からも情報を集めておこう。
何か怒らせてしまっては厄介な人のようだし。
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】
本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。
Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited.
© 魯恒凛 / RoKourin
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
聖女の兄で、すみません!
たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。
三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。
そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。
BL。ラブコメ異世界ファンタジー。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた
月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。
推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。
だから距離を置くつもりだったのに――
気づけば、孤独だった彼の隣にいた。
「モブは選ばれない」
そう思っていたのに、
なぜかシナリオがどんどん壊れていく。
これは、
推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。
事なかれ主義の回廊
由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・