王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

ドラゴンにだって教育は必要




チルが実家へ帰ってから二日後の早朝



僕の目の前にはまだ幼い可愛いドラゴン、ユエが居る。

アーナンダ国も落ち着いて、同盟国とのことも落ち着いてきたので僕に会いたくて鳴き続けているというユエをお家に迎えることにしたのだ。
きちんと国王にも報告をし了解を得た。

連れてきてくれたのはもちろんホルス様で、魔界に残っていたレッドドラゴンの中でアーナンダ国に戻りたがっているドラゴンも一緒に連れて帰ってきたのだ。




キューキュー


よっぽど寂しい思いをさせてしまっていたようで、ユエは甘えた鳴き声を出してずっと僕の体に頭をこすり付け続けて中々離れない。





そろそろ城へ出向く準備をしなければならないのだが、この状態のユエを無理矢理引き離すのは可哀想で離れられない。

キュー!

ガウ


そんな僕達の様子に呆れたホルス様がユエの首を軽く噛み、僕から引き離すとユエが抗議の声をあげる。

そんなユエに落ち着くように冷静に促すホルス様。



本当にホルス様は見た目だけでなく中身まで尊い。

いつまででも見つめていたいけれど、僕は今のうちに準備に取り掛からなくては…





後ろ髪を引かれる思いで城へ出向く準備を急いでし、コルダに身嗜みを確認してもらう。

ヨハネスはあんまり服装とかに興味がなくセンスもないので、身嗜みは大体コルダがみてくれるのだ。







未だキュイキュイと切ない鳴き声が聞こえてくるが、心を鬼にしてユエからは見えない場所を通りノヴァが待ってくれている馬車に乗り込む。

姿が見えずとも僕が屋敷を離れることが分かったユエの悲痛な鳴き声が一層大きく聞こえてきて胸が痛くなるのは僕だけではないようで


「やはり俺だけで行こう。ルナイスの望むとおりの結果を持ち帰るから」


とノヴァが言ってくれるが、その提案に僕は首を横に振った。

ノヴァの言葉に甘えたい気持ちはあるが、僕とユエが共に生きていくにあたりここでユエを甘やかす訳にはいかないのだ。



最近はパンだったりユエだったり、レッドドラゴンの子だったり…ドラゴン界では珍しく子どもがよく産まれたが本来は数年に一体産まれれば良しというような種族なのだ。

そんなドラゴン族であるユエ達は僕よりもずっと長く生きていくことになる。


特にユエは親元から離し預かっている大切な子だ。

この先僕が居なくても生きていける強さと他種族と共存していく上で必要な我慢や妥協なども教えていかなくてはならないし、甘やかされ他力本願になってしまっては後々ユエがドラゴン族の厳しい先輩達に叱られてしまう。




教育に関してはホルス様任せになってしまうことが多くあるが、せめてホルス様の教育の邪魔になることはしてはいけない。






「帰ったら思いっきり甘えてもらう。ホルス様がいるしガンナーが見てくれているから大丈夫」





ガンナーはユエのお気に入りの遊び相手。

僕は最近ちょっと、忙しい身なので今はユエとしっかり遊ぶ時間がどうしてもとれない。
しかし子ドラゴンは沢山遊ばせて大きく成長した時にきちんと体を支えられる筋肉を鍛えなければならない。


そこで体が丈夫で人よりも体力のある鬼神のガンナーに遊び相手になってもらっているのだ。




ユエもちょっとしたことで痛がったり、怪我をしたりすることのないガンナーと遊ぶのが楽しいみたいで、ガンナーが居ると機嫌がよい。

なので最近僕がユエに構うことができない時は僕の護衛を外れてもらってユエのお世話をお願いしている。




しばらくすればガンナーと遊ぶことに夢中になって僕のことは忘れるということは分かっているので、僕はお仕事へ向かいます。




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