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第5章
ダークエルフの激おこ理由は?
にゃ~ん
ぐにゅ~
先程よりも殺傷能力の高まった攻撃に汗を流しながら動き回っていると不意に目の前に黒いスライムが現れ、蔦をぐにゅ~と包み込んだ。
猫の形ではなくなってしまっているし、僕と契約をしているから簡単に死なないとは言っても今の弱っている坊ではあまりに危険な行為に焦る。
慌てて坊へ僕の魔力をいくらが譲渡すると蔦に破られそうだったスライムが元気になりぐにゅりと輝いた。
坊が蔦を止めてくれている間に僕はダークエルフに向かってありとあらゆる魔法をぶち込み、物理でも挑んだがやはりそう簡単にはやられてくれない。
身体強化で体術もとんでもなく強い。
僕も身体強化を使って挑むけれど産まれた時から自由自在、思いのままに魔法を操るエルフにはやはり敵わない。
闘う中でふっとありきたりだけど純粋な疑問が湧いた。
彼女はどうしてアーナンダ国を滅ぼそうと企んでいるのだろう?と。
エルフ族は他種族を嫌っているし、なんなら滅びてしまえくらい思っているだろうけど、そうなるように動こうとしたことは今まで一度だってない。
それはエルフ族の考えの中に、生物は皆神聖な天神によって造られたもので消して何の理由もなく傷つけたり壊したりしてはならないという思想があるからだと聞いている。
それはダークエルフであっても同じことのはずで…しかもエルフ族でやっていることならばまだしも彼女は1人でこの計画を実行している。
その理由はなんだろうかっと思ったのだ。
「エルフさん。貴方がそんなにもアーナンダ国を滅ぼしたい理由は何なのですか?」
飛んでくる黒い葉の刃を弾きながらもダークエルフからあまり距離を離さず尋ねてみる。
『ふん…汚らわしい者共が蔓延るこの国は存続する価値がない』
「けれどアーナンダ国の東には精霊などのスピリット達が住む土地があります。エルフ族もいくつかの集落をつくっているはずで、す!」
危ない。
ちょっと気を緩ませればすぐに体の一部が持って行かれてしまいそうになる。
『東は壊さぬ。しかしそれ以外は駄目だ。絶対に許さん!』
こうなる原因でも思い出したのか、ダークエルフは声を荒げると大きな黒い槍を振り上げて僕に投げ付けてきた。
大きすぎるそれはちょっと横に飛び退いただけでは躱せないもので、慌てて影の中に入りダークエルフの背後を取る。
しかし、この動きを余裕で追っていたダークエルフはすぐに体を捻り、僕のいるところへ拳を振り上げ迫ってくる。
「重力魔法!!」
『ぐっ!』
そこそこの魔力を籠めて使った重力魔法はダークエルフの動きを止めることが出来た。
苦しみながらも決して膝を付かないダークエルフはぐっと立ったまま僕を睨みつける。
その体からは魔獣のような黒い煙が立ち上っていて、彼女が通常の状態ではないことが分かる。
『私を騙すだけでなく、高貴なるドラゴンを戦に巻き込み不浄の血で汚すことなど絶対に許されぬ!!』
そう叫び重力魔法で負荷をかけられている中、棘の蔦を大量に発生させたダークエルフは次の瞬間には僕の前に居て、頬に与えられた衝撃で僕の体がぶんっと吹っ飛ぶ。
バギィ!!
「っけは!」
飛ばされた体は木の幹に当たり体が逆九の字に曲がる。
体のどこかからボキだかバキだか、不穏な音が鳴り地面に叩きつけられた時には酷い痛みで上手く息が吸えなかった。
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