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第5章
苦戦
しばらく痺れてあうあう言ってたダークエルフは付与札の効果が切れて痙攣が止まってからもその場に伏せたままで起き上がる気配はないが、漏れ出る声や、握られかけては伸びる指を見る限り意識はあるようだ。
やっぱりすごい頑丈すぎる。
それとも何かしら魔法を使って感電の効果を軽減したのだろうか?
「貴方が今回のような行動に出たのは、アーナンダ国がドラゴンを無理矢理操って戦争に使った…そう思ったからってことで間違いないですか?」
ダークエルフの動きが止まったことでやっと話ができると声をかけると、首を動かしこちらを睨みつけて唸るダークエルフから数個の火球が飛ばされてきた。
しかし、火球の威力が弱すぎて手でぺしってしただけで消えてしまう。
それでもあの状態で攻撃魔法を展開出来るんだから驚きだ。
「もう一度確認します。貴方はアーナンダ国が無理矢理ドラゴンに戦争を強いたと勘違いして今回の件を企んだ主犯である…間違いないですか」
「ふ…ふふ…ふははははははは!!!」
僕の問に対してダークエルフは突然壊れたように笑い出す。
重症で動かせなかったはずの体が物凄いスピードで回復されていって、遂にダークエルフは立ち上がった。
「勘違い?…いいや。勘違いなどではない!ドラゴンが自ら他種族の争いに加担することは長い時の中で1度だってなかった。それが今回はひとつの国の為に力を振るっただと?…お前がそうなるようにドラゴンを操ったとしか考えられん!そのせいで…せのせいで私の息子は死んだんだ!!!」
「っ!」
ダークエルフが声を荒らげた瞬間、彼女から黒い衝撃波が飛んできて慌てて結界を展開するが数センチ後ろに押されて結界は壊れはしなかったがひび割れてギリギリな状況。
何とか耐えて一息つく間もなくダークエルフが突っ込んできて拳を振るう。
身体強化をかけて腕で防御をするが、骨がミシッと鳴りヒビが入ったのが分かった。
「お前達がドラゴンさえ操らなければ息子は死ななかった!!お前達などドラゴンが手助けしなければすぐに殺られる弱国のくせに!」
ダークエルフはどうやらあの戦争でアーナンダ国に侵略を試みた何れかの国に所属し、殉死したらしい。
ドラゴンさえアーナンダ国に手を貸さなければ息子は死なず、アーナンダ国は自分達の国の属国になっていたのにっという恨みの気持ちが強いことは理解した。
理解はすれど、戦争をアーナンダ国にしかけてきたのは相手国であるし、それでドラゴンが手を貸したから負けたと恨みごとを言われてもそんなの知りませんって言いたい。
そんなのドラゴンを見た時点で撤退を判断しなかった軍だか騎士だか国だかが悪いのであってアーナンダ国の騎士たちはアーナンダ国に侵入を企む敵国の兵を排除しただけのこと。
「戦争なんて奪って奪われてでしょう?こちらの騎士達だって貴方の息子と同じように命を懸けて戦い母国を守った。アーナンダ国の者だって死んだ者がいるし、一生の怪我を負った者だっている。息子を失いたくなかったなら貴方程の力があるのなら息子と国を出れば良かった!その選択をしなかったのは貴方達でしょう!」
僕が喋っている間にもボカスカ攻撃されて、それを何とか交わしながら説得のようなものを試みるが、僕の言葉は残念ながらダークエルフには何も響かなかったらしい。
「うるさい!うるさい!うるっさい!!」
「はぁ…息子の死を理由に多くの者を殺し、子供を攫い売買する貴方の行動のせいで貴方の息子の名誉を穢していると何故分からない!!」
闇奈落魔法で下半身を消滅させようと思ったが、魔法が発動した瞬間危険を察知したダークエルフは高く飛び回避。
そのまま僕の方へ落ちてきてけるのを僕は影に入り回避。
同じ属性の適合者でもダークエルフは回復にも長けているから、僕の方が少しでも油断すると死ぬ。
「重力魔法!」
「っ小癪な!!この程度!」
重力魔法でどうにかダークエルフの動きを止めようとするが、ダークエルフは身体強化に当てる魔力を増やしているのか、先程のように地に伏せることはなくなってしまった。
しかし全く影響がない訳ではなく、動く速度は遅くなっている。
ならばとこちらも重力魔法に当てる魔力を増やし威力を強めるとダークエルフの歩みは完全に止まった。
基礎能力はダークエルフが上でも魔力量で言えば僕はダークエルフに劣っていない。
少しでも長く時間を稼いで、光属性か聖属性の適合者が城にやってくるのを待つしかない。
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S S
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