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しおりを挟むそうして今後の計画することになった。施行日まで残り僅かな時間しかないため、急いで準備へ取り掛からないといけない。初めての同性婚ということもあり、手続きも今までにない手順でする必要がある。
心配していたが、ガディウスは役所に知り合いがいるから任せておけとどんと胸を叩いた。ガディウスの家にも挨拶するために親御さんに空いてる日程を聞いてくるようだ。
う、またガディウス頼みになってしまっている。僕から言い出したことなのに。
「どーしたへズ」
「僕だけ何も出来なくて悪いな。なんかすることあったらいいけど」
「俺に愛される仕事があんだろ?ハニー」
「馬鹿にしてるのか」
「俺は大真面目だ。結婚したからには一途だからな」
ほんとか?訝しげに見るが、相変わらずヘラヘラと軽薄な笑みを浮かべている。
ガディウスは誠実という二文字から正反対な男だ。女の子を取っ替え引っ替えしてたことを知っているし、孤児院でも女児全員を惚れさせている。街の人々もガディウスを良い男だと言うが、泣かせられた女の子も多く見ている。クソ野郎だ。
「別に僕と結婚しても愛人とか作っていいよ。あんまりよく知らないけど貴族ってそういうのいるんだろ?」
「はあ?作るわけねえだろ。もちろんへズも絶対だめだぞ」
赤子に言い聞かせるように人差し指を立てて忠告してくる。
別に愛し合って結婚する訳では無いと言うのに何を言ってるんだか。僕はそもそも彼女の一人もできないから良いけどさ。
こくりと頷くと、ガディウスはヨシヨシと頭を撫でてきた。子供扱いしないで欲しい。ガディウスの方が年下のくせに。
「ほんとに好きな人いたら気にしなくていいんだからな。結婚って人生に関わるし」
「心配すんな。へズは?男と結婚って抵抗ない?」
「別に。相手がガディウスなら楽だし」
「ふーん」
ガディウスは目を細めて人差し指で僕の髪をくるくると弄る。勝手に触らないで欲しい。
その数日後、ガディウスは早速婚姻届を用意してきた。自分の名前を書くとあっという間にガディウスがあれよあれよと手続きを進め、新居が決まり、大きなルビーのついた婚約指輪を渡され、ご両親の挨拶も終え、同性婚の施行日が訪れた時には僕とガディウスは名実ともに結婚していた。
し、仕事が早すぎる。ガディウスの親御さんに挨拶へ行った時もよく分からない僕達の出会いから結婚への架空のストーリーをガディウスは語っていたし、親御さんだけでなく周りへの根回しも早い。
孤児院にいた頃から僕とガディウスは恋人同士で、法や世間の目もあり結ばれるのは不可能と思われ一度別れた。しかし僕のためにガディウスは騎士となり手柄を立て褒美に殿下へ同性婚の同意を求め、僕へもう一度アプローチをした。という超大作小説のようなストーリーを作っている。
盛りすぎだろ。普通に僕達両思いなので結婚したいです!とかで良いと思う。もちろんガディウスに抗議したが、ため息を吐いて首を横に振った。
「分かってねえなぁ、こーいうのは同情が必要なんだよ」
「同情?」
「フツーに好きだからって理由じゃ納得しない奴らいんだろ?男同士だし身分もちげえからな。でも俺らがめっちゃ大変な思いをして結婚したとする。そうしたらあーじゃあ仕方ないって単純な奴らは諦めてくれるだろ?特に演劇が好きなお嬢さん達はコロッと態度変えるぜ」
というわけでへズも俺の事好きな態度でよろしく、なんて軽々と言いながらガディウスは朝食にも関わらず大きな肉を口に入れた。
無茶言うな。僕は演技が得意じゃないのに!
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