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しおりを挟む教会に聞き慣れないくちくちと水音が響く。それと、聞こえるわけのない嬌声も。
絶対声が漏れないように唇から血が出てしまうほど噛むが、それを見たガディウスは直ぐに僕の唇を己の唇で塞ぎ、舌で歯を退かせ喉の奥まで押し入る。
そんな事をされると、塞がれたとはいえ、口の端から声がどうしても上擦った声が漏れる。自分の聞き慣れない高い声に耳を塞ぎたいが、両手はガディウスの片手で意図も容易く長椅子に縫い付けられ動けない状況だ。
ガディウスは、口付けを交わしながら僕を抑えてるにも関わらず、器用にもう片方の手で僕の後孔を蹂躙する。こんな所でいつもの器用さを発揮して欲しくないのに。ただでさえ口を塞がれ呼吸が出来ない上、後ろを弄られ限界だった僕は顔を顰めて顔を振ると、やっとガディウスが唇を離した。
「っ、は、ぁ」
大きく口を開け酸素を必死に吸う。
ガディウスは何故かそんな僕のはしたない顔を見て、頬を緩ませた。強引な行動に似合わない甘い顔で、優しく僕に啄むようにキスを落とす。
「あー、かっわいいなぁ」
「どこがっ」
「可愛いって。こんなことならもっと早くから犯せば良かったぜ」
怖、何言ってるんだ。ガディウスの行動も言動も何一つ理解が追いつかない。
困惑する僕を置いて、ガディウスは再び後孔を弄り始めた。
「んなとこ、触ん、な!」
「んー?でも体の方は俺の指に吸い付いてくるけどなぁ」
「そんなことな、ひっ!」
「おっ、へズの良いとこみーっけ」
僕が明らかに反応が変わったことに気づいたガディウスは、にんまりと笑った。
とんとんとガディウスの指の腹で触られると、痺れるような刺激が下半身に走る。なんだこれ。触られると変な気分になる。
かつてない感覚に怯える僕に対して、ガディウスはオモチャを見つけたように指で優しく撫でたと思いきや、急に早く動かしたり、僕の反応を見て楽しむ。
一頻り弄ばれ、いつの間にかガディウスの長くゴツゴツとした指が三本も中を占領していた。さらに、両手を拘束していた手は下へ降り、僕の乳首を執拗に撫でる。撫でるだけならまだしもカリカリと爪先で引っ掻き、思わず腰が動いてしまう。
「ん、ふ……ぁ、ん、もうや、だ」
「へズは口は反抗的なのに、体は正直だなぁ」
溜息のように重く吐かれた言葉と同時に、ガディウスは指で僕の尖った乳首をピンと弾いた。
「ひ、っあ、あぁ」
「可愛い。いい加減、黙って俺の言うこと聞いてくれよ。そっちの方がへズも苦しまずに済むし、な?」
聞き分けの悪い子供に教えるような声色で話すガディウスに普段ならきっとバカにするなって言い返しただろう。だが、敏感になっている乳首を指先で優しく転がされたり、ふと弾いたり摘んだりを繰り返されたら、言葉は発せず、喉からはただ抑えきれなかった嬌声だけが零れる。
甘い刺激に脳が上手く働かず、拘束されていた手も自由になったにも関わらず、そのまま熱に溺れた。
「ん、ぁ、はぁ……」
「そろそろいいか」
ふと指が抜かれ、何も無くなった後孔がひくつく。熱が脳裏に焼き付いたまま僕は動かず、天井を眺めたまま余韻に身を委ねていた。
だが、現実に引き摺り込むように熱く固いものが熱を帯びたままの後孔に押し当てられる。
身体を起こしてその正体を見ようとしたが、叶わなかった。
「ひあぁっ!ぁ、ん……」
大きなものがゆっくりと侵入してくる。僕の狭い内側に比べて明らかに大きく圧迫感で上手く息ができない。
恐る恐る目線を下へ向けその正体を見ると、ガディウスの凶器のような色濃い肉棒が目に入った。それはまだ先っぽしか入っておらず、血管が浮き出た太く長い肉棒が覗く。
で、でかすぎる……。あんなの、入るわけ無い。この先もあると思うとぞっとし咄嗟に逃げようと腰を浮かした。
だが、ガディウスは僕の腰を強く掴み、奥まで一気に貫いた。
「ああ゛っ!ひっ、あ、あぁ、うぁ」
目の裏に火花が散る。ガディウスは逃げようとした僕へ躾けるように、容赦なく攻め立てた。あんなに抑えようとしていた嬌声は、今や全く隠す事もせず教会に響く。
「あっ、んあ、が、がでぃ、だめ」
「だめじゃねえだろ。俺ら結婚してんだし」
「やっ、でも、まだっ、すきじゃ、ああぁっ!」
ガディウスはまだ僕の事を好きになってないじゃないか、と伝えようとしたが、その瞬間ガディウスは僕の最も敏感なところに刺激を与えた。一際強い快感が身を襲い、全身が震える。だが休む間もなく律動は速まりどちゅどちゅと淫らな音が響く。
突き上げられる度に嬌声が漏れる。するとふと空いた口にガディウスの唇が重なり、漏れた嬌声をまた吸い取られた。
抵抗する気も失せ、ガディウスの舌に絡め取られ、濃密に唾液が交わる。空気も漏れないほど貪るような口付け。激しい腰の動きに軋む長椅子。余りの快感に頭が溶けそうになる。
「……っは、中で射精すからちゃんと孕めよ。二人で赤ちゃん育てような♡」
「あ、あ、あ、あ、も、はげし、イく」
「俺もイっ、く!」
激しい律動が止み、最奥で熱が放たれる。腰が仰け反り、目の奥が白く弾け、焦点が合わなくなる。
肉棒が抜かれ、後孔からは入り切らなかった精液がどろりと垂れた。終わったのにも関わらず興奮が途切れない後孔はその後もピクピクと収縮を繰り返す。
「は……ぁ……」
ぐったりと横になり、余韻に浸る。霧がかかるように思考が遮られ、ただ荒い息を繰り返した。
やっと解放された、もう終わった。安堵していたが、ガディウスは何故か僕の両脇に手を入れて軽々と抱え上げた。そして祭壇へ僕を抱えたまま歩いていく。
「そこに手ついて」
ガディウスが僕を祭壇の前へ降ろそうとしたが、足が震えて上手く立てない。ガディウスの指示通り祭壇の上に手をついて、なんとか立つと、ガディウスは何を思ったのか背後から僕を囲むようにぴったりとくっ付いた。そして、お尻に太く熱いものが押し付けられる。
もう二度目だから、その正体が何かは分かった。
「っ、あ゛!ぉ、ん、あっ、あっ、あ」
下からの強い突き上げに、爪先立ちの不安定な体勢のまま揺さぶられる。歯を食いしばり、目を瞑って耐える。
「っはは!こんな雌みたいになったらもう婿になんかいけねえな」
「んぉ、ん、あっ、あっ」
「一生俺の嫁でいろよ、なあ」
ヘズ、と耳許に囁くガディウス。何故かその声には震えが帯びていて泣きそうだ。泣きたいのはこっちなのに。
でも、その声が孤児院で初めて会った時の寂しさを紛らわすように強気を演じるガディウスと重なって、僕は振り返ってあの頃より大分高くなった頭へ手を伸ばし、髪を撫でた。目を見開くガディウスを最後に、意識を手放した。
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