僕と先生との物語

げんき

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中学校

中学3年生【お酒①】

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僕は大暴れしてから、だいぶ落ち着いて過ごせてた。

放課後勉強する時にも、先生たちは僕のクールダウンも兼ねていろいろ話をしてくれた。



テストでも少しずつ点数が取れるようになってきた。
1番直近のテストでは5教科で105点取れた。



ただ、やっぱり事件は起こった。
気温もだいぶ暑くなってきた頃のこと。

元々仲の良かった坂本君と3年生になってから仲良くなった阪崎君とやらかしてしまった。



体育終わりの休み時間。

僕たちは教室に更衣しに帰った。
もちろんそこには女子はいない。

僕は阪崎君と坂本君と教室に戻った。

まだ片付けをしている人も居てたので、僕たちが1番早く教室に戻っていた。



教室に帰るとすぐに阪崎君がニコニコしながら鞄の中から缶に入った酎ハイを大量に取り出した。

そして、「飲もう。」と僕と坂本君は誘われた。

体育終わりの暑かった日。
喉も渇いていた。

僕たち3人は「いいやん。」と言いながら飲み始めた。

この時は何も考えず、3人で乾杯をし飲んだ。



それから少しずつ教室に人が帰ってくる。
ただ、僕にはこの時ダメな事をしている感覚は全くなかった。

だから隠したりする事もなく、飲み続けた。
あっという間に1本飲み終わる。



さらに2本目を開けた。
そして2本目にも口をつけた。

その時、市川君が帰ってきた。

「市川君も一緒に飲もう。阪崎君めっちゃ持ってきてんねん。美味しいで。」と誘った。



すると市川君がめっちゃ怒った。

「げんき、これめっちゃヤバイで。こんなん高橋先生に見つかったらマジで殺されるで。」

そう言われて我に返った。



1年生の時、授業中にお菓子を食べた事があった。
それが見つかった時も、泣くまでもちろん怒られた。
でも、それとは次元が違う。
未成年者が教室で飲酒。



市川君の言葉を聞いて本気でヤバイと思った。

僕はどうして良いかわからなくなり、持っていた酎ハイの缶を中庭に投げ捨てた。

「投げるな。」と市川君は止めたが、その缶は僕の手から離れ中庭に転がった。



外に投げてしまった事で、缶を隠す事も出来なくなってしまった。

結局、残りの缶も全て中庭に投げ捨てた。



しばらく僕はどうして良いのかわからず、その場に固まった。

すると市川君が話し始めた。

「みんな今見た事、誰にも言わんといたって欲しい。高橋先生も東先生も怒るとめっちゃ怖いねん。2人共容赦なくお尻腫れ上がるまで木の棒で叩いてくる。泣いて謝っても絶対許してくれへん。もし、バレたらげんきたちめっちゃ怒られるし、めっちゃ叩かれるし、教室にも入れてもらわれへんようになる。お願い。頼むわ。」と言った。

僕もそれを聞いて「ホンマにお願い。」と言った。



それから僕と坂本君、阪崎君、市川君で屋上に繋がる階段に向かった。

そこで4人で今後の作戦を立てた。

ただ、何も思いつかない。

今更、中庭に缶を取りに行くのも難しい。

先生たちに缶が見つかるのは時間の問題やと思った。

クラスの男子が黙っていてくれたら何とかなるかもしれん。
でも、それしか無かった。



その後の3時間目はタイミング悪く高橋先生の英語だった。

怒られないように必死にがんばった。

「今日げんきがんばってるな。」と褒めてくれた。

ただ、坂本君はお酒に弱かったみたいでうとうとして何度か先生に注意されていた。



そのまま何事もなく授業は終わった。
ただ、その後の休み時間に放送が流れた。

「先生方は至急職員室にお集まりください。」



中庭を覗いみると空き缶は無くなっていた。

これは間違いなく、酎ハイの件だと思った。



僕たち4人はまた階段に集まった。

作戦を再び立てたがやっぱり何も思いつかない。



そして、そのまま次の授業の時間になった。


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