√選びのメランコリー

松平 なま暗

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序章

大イベント開始 準備編

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 一度は体験したことがあるだろうか、中学生という何とも難しく、人間関係になやまされる時期を。
 そして、中学生での大イベントは三つあると思う。
 一つ目は修学旅行だ。皆でご飯を食べて、いろいろな場所へ行き、複数人で寝るときに恋バナ。などという大イベント。
 二つ目は受験勉強である。どこの高校へ行こうか、それともいきなり働いてみるか、などという人生においてとても大切な時期。
 では、この二つのイベントに必要であり、またその励みになることもあれば、不必要だと感じることのあること。それは恋と友情だ。
 これらの中で、恋と友情はとても攻略難。そんなものである。
 そして、そのようなイベントがたくさん待ち受けている中学三年。
 この時期に友情と恋は複雑に絡まる。


 ……俺の名前は羽切はねぎりまつり。中学三年でクラス委員をやっている。
 彼、羽切は、成績は並より上。身長は百八十センチ。顔も悪くはない。運動はできない。しかし、こんな彼が何故クラス委員になれたかというと、ズバリ人徳である。彼自身はただクラスの仲間たちと普通に会話しているにすぎない。だが、彼はやや周りから敬遠されがちな人たちにも、とても明るくにぎやかな人たちにも、皆平等に接し、それが評価されている。いわゆるクラスの人気者というやつだ。
 しかし、そんな彼にもやはり好きな人。嫌いな人。というのは出てくる。
 たとえば、話しかけても無視してきたり、暴言や暴行などで周りから敬遠されてしまう人。しかしその人たちにまでにこにこと、場合によっては人によっては気持ち悪いと思われているかもしれないが、それでもなぜか彼は皆となかよくしたい、と思っていた。
 しかし反対に好きな人もいた。
 その人は同じクラスの音橋おとはしかなでだ。彼女はおとなしく、羽切が話しかけても小さく「うん」とか「そうだね」とかいう程度のもの。だが猫好きで、とても優しい人だと彼は自負している。彼女はつい捨て猫がいると家に持ち帰り、結果、今は家に十匹ほどの猫がいるらしい。さすがに多いんじゃないか、と思うが、それが彼女の優しさなのかなあ、と勝手に想像している。
 そしてこのクラスは、いじめ、悪口、精神的拒否などがすごく多く、席替えは、くじで決めるとその仲の悪い人たちが同じ班になってしまい、大変気まずい、ということで、クラス委員の羽切と女子のクラス委員の平賀ひらが美緒みおの二人と担任で席を決めている。「クラス委員が席決めるなんてずるい!」、「平等じゃない」と思うかもしれないが、ちゃんとクラス投票で決めたのでしょうがないし、しかも、このような決め方をしなければならない原因を作っているのはクラスの皆。ということでとくに不満はない。
 そして、こんなクラスの環境でも特にひどいいじめがあった。それは時白ときしろ冬樹ふゆき」に対するものだった。時白は容姿があまり良くなく、声が小さい、しかもすこしマザコンという噂がながれている。それが一年、二年、と学年を重ねるごとに悪化していった。因みにこの学校は、ほとんど地元の小学校から入学するので、初対面、ということを知らない。そのため「どうせクラスなんか変えても意味ないだろ」と、三年間クラスは変わらない。
 なので時白は毎日のように悪口を言われたり、殴られたり、そういうことばかりだった。二年の頃、一度、とてもひどいいじめにあわされ、自殺をしようとしていた。が、しかし。
 そんな時白を救ったのが羽切である。
 羽切は彼がいじめられていることに気づかず、本当に鈍感というのか、馬鹿というのか二年間も同じクラスで過ごしてきた。
 だが、そんな馬鹿も、クラスの皆に平等に話しかけていたので、もちろん時白にも話しかけている。
 自殺しようと、厳しい考えの中、そんな馬鹿の話は、実に温かく、まるでこの世でまだ生きろ。と言わんばかりに心地が良かった。
 そのせいか。時白は羽切を慕うようになり。自殺は思いとどまった。
 そんな時白は日々、羽切へ想いが高まり、同性ながらも好きになっていた。

 四月十日。この日は入学式と始業式があった。
 この学校は地元の学校って感じがして、生徒数も、全校で二百人。一学年で約六十五人という小規模でもなく大規模でもなく、普通より少し人数の少ない学校だった。因みに一学年で二つの学級しかない。
 そして、入学式、始業式が終わり、生徒は皆自教室へと向かっていた。

 式が終わった自教室。去年と変わらぬ担任は話をしていた。
 クラスには去年と同じ、約三十名がいた。とても皆はつまらなそうに担任を見ている。
「いやー、三年二組、まさか今年も俺が担任になるとはね。笑っちゃうよ。そして、三年間クラス変わんないわけだから、三年間同じ担任ってわけね」
 皆は「ふざけるな」という顔を全力で担任にぶつける。
 すると担任は困ったように
「そんな顔スンナってみんな。しょうがないだろ、俺が決めたわけじゃないんだからさ。恨むなら校長先生を恨んでよ」
 と、言葉を発した後、生徒たちは、何か不安げに、廊下を見つめていた、一点をだ。
 そこには、
「校長先生!」
 すると大変にっこりした校長は担任のもとへとやってきていた。
「安藤先生」
「は、はいっ!」
「至急、校長室に来るように。」
「わかりました! 百メートル十位秒台の私、走らせてもらいます!」 
 安藤は全力で駆けた。
 すると、廊下を走ってゆく安藤を見て校長は、
「ふむ、廊下を走るなど、生徒の模範となる教員がすることではありませんな」
 と、校長は生徒の皆に視線を送る。
 思わず生徒たちは「ひっ」となった。
「君たち」
 と、大変にっこリして、
「とりあえずクラス委員でも決めていなさい」
「はい」
 と皆で答える。
 すると校長は微笑み、全力で廊下を駆けた。
 

 そして、クラス委員決め。
 一人の男が声を上げる。
「めんどくさいからよお、二年の頃と同じで羽切と平賀やってよ」
 クラスの流れは、「それはいい」という意見一色で、とても拒否という言葉はなかった。
 こうして二人はクラス委員となった。

 放課後の集会室に二人の男女は集まっていた。その二人は椅子に座って話をしている。
「はは、まさかまたクラス委員になるとはね」
「しょうがないよ。周りがやらないんだったら」
「それもそうか」
 その声は羽切と平賀だった。二人は先ほどの他愛ない話でネタはきれ、沈黙に包まれていた。そして、落ち着いて羽切は平賀を見てみる。
 ……平賀って結構、可愛いんだよな。黒髪ツインとかちょっと子供っぽい感じするけど、またそこも良い。また、ペドではない。
 すると平賀が、
「先生、こないね」
「ああ」
 この二人は実は学年主任からの呼び出しがあり、集会室に放課後こい。とだけ言われていた。しかし、いくら待っても来ないのだ。
 かれこれ四時十分から二時間たっている。現在六時十分だ。そしてこの学校は完全下校時刻が六時半なので、もう二十分しかない。
 そんな焦ったような、もう帰ろうか、などの気持ちはあるが、そんな状態を緩やかにさせるように羽切は言った。
「なあ、平賀ってさ、好きな人とかいるの?」
 それはふと、羽切の口からこぼれたものだった。いつも冷静な彼女は、少し焦り、照れた様子で、
「い、いきなりなによっ! びっくりしたじゃぬい……」
 唐突でかんだのだろう、彼女の顔はひどく赤くなっていた。
「で、どうなんだい?」 
「言えるわけないでしょ!」
「そうなのか」
「そうなのよ」
 だいたい。と彼女は、
「今、中学生が付き合ったところで、どうせ結婚のことなんか考えていないし、儚い青春の一ページになってさよならよ」
「ま、まあな」
 それに。と
「だいたい勉学に励むことを生業なりわいとする学生が、恋愛なんかにうつつを抜かしていたら本末転倒よ」
「そ、そりゃそうだけどねぇ」
 じゃあ。と羽切は、
「平賀は誰かと付き合ったことがあって、それで勉強に手が付けられなくなっていたりしたのか? そうじゃなきゃ、あんな生々しいコメント、でてこないよなあ。ええ?」
 彼女は大きな声で
「そんなわけないでしょ! 馬鹿!」
 と、立ち上がった時。彼女が机に置いていたバッグから、一つ、ブックカバーのかかった本が落ちた。
「あっ」
 その本は羽切の足元に落ち、すぐに平賀はその本を取り戻そうとする。が、羽切のほうがその本への距離が近かったため、結果、羽切にその本が渡った。
「ふむふむ、あっ。そういえば平賀お前、芥川龍之介の本が好きとか言っていたな。いやはや、どうしてこのような内容の本はあなたのバッグに入っていたのでしょう」
 その本の内容は
「恋愛小説ねぇ」
「あああああ!」
 彼女は絶叫していた。
 羽切はそれを鎮めようと、
「落ち着けって。芥川龍之介の本が好きなはずの平賀が実は、恋愛小説を読んで、リア充気分を味わって、恋愛にうつつをぬかしていたって、誰もせめねぇよ」
 すると、羽切の読み通り、彼女の悲痛な叫びは収まった。
「そうそう、そうやって落ち着いてるほうがいいぜ。まあ、恋愛小説を読んで、ドキドキ落ち着いてない君には無理か。ははっ」
 そして、そう笑っていた羽切に平賀は近づく。
「ん? どうした? 俺はそんな本通りに簡単には落とせないぜ?」
 彼女は右腕を後ろに引き、
「歯ぁ、食いしばりなさい!」
 ひゅっ、と風起きる音とともに、羽切の頬は彼女の右拳をくらった。


 四月十二日。ただいまクラスで二泊三日の修学旅行の二日目の自由行動の計画を練っていた。因みに今回の修学旅行は京都、奈良、大阪である。その中で自由行動ができるのは京都である。そしてクラス委員の羽切は前に出て指示を出していた。
「はーい、皆。じゃあこのパンフレットとしおり、旅行本などを使って二日目の京都自由行動の時行きたいところを選んでください」
 因みにこのクラスは正確に三十四人。一組は三十五人だ。
 そしてこの自由行動は六つの班に分かれ、各班に大型のタクシーが来るのでそれを用いて、行きたい場所に行く。もちろん、その班決めは、昨日、クジで行った。
 二日前、四月十日の放課後。
 あの後、結局気まずい空気が漂っていた。その三分後に学年主任は来た。
「めんごめんご。遅れタワー。待った?」
「「待ったわ!」」
 ここまで息がぴったり合うと不思議と目が合う。
 そして、真顔で見つめあった二人は、おかしくなって、
「平賀あー、俺と言葉そろえるなよー」
「そっちがそろえてきたんでしょー」
「はは、もうどうでもいいや」
「そうね、ああ、もう外は暗いねー。帰ろうかー」
「そうだなーよーし、この羽切おにいさんが家まで送ってやろうー」
「はは、心細くてーちょうどよかったわー」
 因みに、二人の家は徒歩一分とすごく近い。そして、外が暗いのも無理はない。いくら冬があけ、少し日が長くなったといっても四月の上旬だ。おまけにこの六時過ぎという時間。暗いに決まってる。
「「よし、帰ろうか」」
 二人はまた言葉があったことにおかしさが抑えきれないのだろう。笑いながらバッグを取り、かつぎ、廊下に出て帰った。否、帰ろうとした。
「ちょっと待てい!」
 二人は言葉をまた合わせようと、せーの、といってから
「なんですか? 四十二歳の横島先生」「なんですか? 四十四歳の横島先生」
 あー、と二人はひどく落胆した。まあ、しょうがない。そんなに言葉はかぶらないに決まっている。
四歳よ約四十!」
 あー、そう、と興味なさそうな顔で二人は横島を見る。
「もー。で、本題よ。明日の学活で修学旅行の自由行動の時の班を決めたいんだけど……、あなたたち二人で決めてくんない?」
「「いやです」」
 また揃った! とか言っている二人を流し言葉を続ける横島は、
「なんで?」
 と問うた。
「「だって」」とまたかぶったが、今度はそこまで喜ばず(おそらく飽きてきた)、譲り合った結果、平賀が理由を述べた。
「だって、この人間関係が終わっているこのクラスの班決めとか、どうやっても皆が納得できる班なんてできるわけないですし、後々、イマイチだったグループの人が「最悪! なんだよクラス委員の奴ら! ふざけんなよ!」とか言ってきたらめんどくさいんですもの」
「あなるー(ああ、成程)」
 こほん、と横島はわざとらしく咳をしてから、
「じゃあ、どうすんの? クジで決める?」
「「はい」」
 二人は言葉が揃って喜ん……割愛。
 と、クジで班を決めることとなったのだ。

 その日の翌日。クジでの班決めが行われた。
 しかし、あまりにも平賀の予想通り過ぎる展開がクラスには広がっていた。
「最悪!」、「ふざけんな!」、「クジなんかじゃなくてちゃんとクラス委員が決めろよな!」
 クラス委員の二人は、どこか解せなかった。
 しかし、羽切の班員はなかなかだった。
 時白、音橋、熊崎、上山、平賀、羽切だった。
 因みに、熊崎、上山について説明しよう。
 熊崎くまさき東華とうかは、羽切にとってなかなか仲がいい奴。男。
 上山かみやま愛花あいかは、生徒会長だ。とても頭がよくまじめ。しかも美人。
 ……よっしゃ! 音橋さんと一緒の班だ! これでもっと仲良くなれるかも。
 しかし、クラス委員がだぶるというのはなかなかに滑稽だ、と羽切は思う。
 そんなこんなで、羽切は自分の班にご満悦。他の班から聞こえてくる悲痛な叫びとクラス委員に向けられる目線など、気にならなかった。

 そして、話は戻って十二日。羽切は班員に尋ねた。
「じゃあ、皆。とりあえず行きたい場所をこの紙に書いて。十五分ね」
 と、十センチ四方のメモ用紙を皆に配る。すると各自、本やパンフレットを見ながらペンを走らせた。この班の班長である羽切はクラス委員の仕事もあり、忙しかった、が、充実感もありとてもすがすがしかった。

 十分後。班員から紙をもらう。
 ……どれどれ
 一枚目、とれもきれいな文字で「清水寺、錦市場」と書いたあった。おそらく、まじめな内容から上山さんのものだと判断しよう。
 二枚目、これまた綺麗な文字で「○○神社、清水寺」と書いてあった。
「誰だよこれ! なんで神社名ふせてるんだ!」
 すると平賀が、
「うーん、神社にはいきたいんだけど、どこ行こうか決まってなくて」
「あーはい、おーけ、おーけ」
 気を取り直して三枚目。今度はえらく小さい文字で「羽切君の行きたいところ」とあった。
 ……おそらく時白だろう。彼は俺に執着しまくっている。彼は俺と班になれてうれしいのか、先ほどからにこにこしている。ここで言葉を挟もう。「だが、男だ」俺的には俺のいない班に行って、ほかの人とも話せるようになってきてほしいものだ。しかし、現状、時白はクラスの多くの人からいじめにあっている。そこらへんに適当に入れるのもよくない。たとえるなら「ピラニアの入った水槽に、傷をつけ、血の流れた人を入れるようなもの」だ。ようは、危険。と言いたいのだ。心中お察しします……。
 続いて四枚目、崩れた文字で「ゲーセン、デリパラ」と書いてあった。
「おい! これ書いたの誰だよ!」と、その紙を皆の前に突き出す。すると、
「あ、俺」
 熊崎だった。熊崎ならしょうがないか、と、めんどくさくなったのでスルーする。
 五枚目、これも小さい字。しかし、きれいだ。「猫カフェ、本屋」とある。
「あのー、これ。音橋さんの?」
 彼女は、こくっ、と小さくうなずく。
「成程」
 一息おいて、羽切は決意を決めた。
「よし皆、とりあえず朝八時旅館出発の四時に旅館帰還だ。つまり八時間をうまく使わなければならない。」
「うん」とそれぞれ頷きや言葉で肯定する。
「だから俺的に、最初、「どっかの神社」次「錦市場」次「ゲーセン」と「本屋」。次「猫カフェ」次「清水寺」次ご飯として「デリパラ」そして最後に俺の行きたかった「ラノベイト」で行こう!」
 そして、皆は息をそろえた、どうも言いたいことは同じらしい。
「ラノベイト、却下」
「え……?
  ……なんでだ!ゲーセン通ったのに!
 すると平賀は言った。
「あのね、地図を見ると、「そのゲーセン」の近くには本屋があるからいいの。猫カフェもかわいいし、ここらへんにないからいい」
「まって! ラノベイトもここらへんにはないよ!」
「ラノベイトの周辺、ラブホ街なのよ!」
 こうして悲しくも僕の意見だけ通らなかった。

 そして、修学旅行の大体は決まった。
 一日目 奈良 主に団体行動
 二日目 京都 主に自由行動
 三日目 大阪 主に某有名テーマパークに一日
 という感じだ。
 ……ああ、ここらへんラノベイトないのになあ。
 羽切は心残りだった。

 四月十五日。天気は大雨。空港ロビー出発前にて。 
 三年の学年主任横島は整列した生徒たちに、
「よし、準備はいいかい? いざ出発だ!」
「おおおおお!」
 皆はイキイキしていた。
 すると、校長が、コホン、と鳴らして
「皆、静粛に。ここは公共の場です。そして横島先生。ちょっとこちらへ」
「え? あ、はい」
 横島は校長に連れて行かれ説教をくらっていた。
 しかし、生徒たちは決して今のことを後悔はしていない。

 ――――とても楽しみで、わくわくしているのだから。
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