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教師になりました編
日本語は凄いらしい
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「いやー、食った食った!」
あの出店結構うまかったな!
今の気分は最高潮だ。
それほどうまかった。
だからだろうか……
「財布が少し軽くなった」
や、やべー……どうしよう。
冗談とかいっている暇じゃなかった!
と、とりあえず本を買おう!
情報収集。大事!
「ここが本屋……?」
俺が来たところ、そこはボロボロの小屋らしきものだった。
「さっきの服屋があれだったからどんなもんかと思ったが……案外小さかったな……」
この気持ちはなんだろうか?なんか期待はずれというか拍子抜けというか……想像していた所と全然違ったからかな?
そんなことより……
「よし!入ろう!」
立ち止まっちゃなにも起きないしな!
なんかこの世界に来て少し行動的になった気がする。
まぁ、実際来て五時間程度なのだが……。
「あのー、すいませーん……」
「お?あんたお客かい?」
俺に返事してくれたのは白髪の老婆だった。
「はい。ここで本が買えると聞いたのですが……」
「あぁ、うちは本屋だからゆっくり見ていくといいよ」
「ありがとうございます」
俺は辺りを見渡して気になる本を手に取った。
「日本語学習2年生?」
これってあれだよな?
え?何でこんなものが?
ヤバい。頭がこんがらがってきている。
「あの、すいませんこの本なんですけど……」
「ん?その『教科書』がどうしたって?」
「えっとこれって皆習うものなんですか?」
「そりゃ、ねー?誰もが習うさね。勇者たちが残した言葉だからね……でも全然解読出来てないんだけどね」
「へ、へー……そうなんだ……」
そんなわかってないもん教科に入れるな!
「まぁ、そんなことより……この世界のことについて書かれている本はないのか?」
「それなら図書館に言って見たらどうだい?」
「図書館?」
「本屋は家で読みたい人が買うもの、図書館はその場限りだけどタダで本が読めるよ」
「マジっすか!?」
「嘘ついてなんか無いよ」
やったぜこれで食費に回せるお金が増えた!
図書館に着きました……。
はい……。
え?なんで元気がないのかって?
それはね、図書館に行くために約2時間歩きっぱなしだったからだよ?
「よ、よし元気出して入るか……」
俺は己を奮い立たせ、図書館の中に入る。
図書館の中は美術館を思わせる造りになっていて、中心に大きなホールがある。
俺はしばらく歩いて図書館自体を見てみたいと思った。
「あの、すいません……」
しかしすぐに誰かに声をかけられた。
「はい、何か用でしょうか?」
振り向くとそこにはカウンター席から顔を覗かせる三つ編みの小さな女の子がいた。
いかにも文学少女らしい格好だな……。
「すいませんが、この図書館を使えるのが後十五分しかないんですけど……」
マジですか……。
あー、どうしよう……。
俺明日来たとしても……本読むだけで1日潰しそうだしな……。
「あの、何か深刻な悩みでもあるんですか……?もし宜しければ時間延長しますが……」
「あ、う、うん。そうなんだけどさ……流石に俺一人のためにそこまで……」
「いえいえ、助け合いは大事ですから」
なんだこの子……ちっこい癖に超カッケー。
「で、でもそんなこと勝手に決めていいのか?」
「別に……私もここに用事があったから……」
「そうなのか……じゃあ、お言葉に甘えようかな」
やばいな……エリザベスさんより優しい……
優しすぎる!
「なんか裏とかないよね?」
「あの……それはあまりにひどくありませんか?」
「すいませんでした……」
クソっ!だったらなんでだ?なんでこんなに優しいんだ?
もしかして天使なのか?
ナイチンレベルの天使なのか?
無償の愛って奴か!?
「あ、すいません。終わりのアナウンスをしなくちゃいけないのでまた後で」
「ありがとうございます!」
その後、アナウンスがあった後、彼女は俺のところにやって来た。
「お待たせしましたー」
「お疲れ様です」
俺たちは机についた。
無言の空間……
俺が今読んでいるのはよくわからんがこの世界ことが書いてある本だ。
女の子は何かひたすらに勉強している。
……………………。
この感じいいな……。
なんていうか……うん……恥ずい……。
あ、目があった……
「あの、私の顔に何か付いていますか?」
「え?あ、いや、なにしているのかなー?と思って」
「あ、これは日本語の勉強です。学校の宿題なんですよ」
「へぇ~、学校に行ってるんだ……」
それより本当に日本語が教科に入ってるんだな……。
「もしかして日本語わかりますか?」
「あ、うんわかるけど……」
「教えてもらっていいですか!?」
「い、いいよ。それぐらい……」
ビックリした……てか顔がめっちゃ近い……。
「こ、ここってどう読むんですか?」
「あ、あぁそこは『万歳』だな」
「へー、じゃ、じゃなくて」
「え?」
………………。
あれ?なんかやらかしたか?
「あの……そっちじゃなくってコッチです……」
「あ、あぁ、そっちね!」
あの、えっと……
「アリだな」
「うん。アリ。漢字で書くとこうだな……」
俺は紙に『蟻』と書いてあげる。
「す、凄い……」
「これが凄いのか?」
「あ、いえ、そんな事よりこんな文字見たことないです」
「漢字のこと?」
「いえ、漢字のことはわかりますがそんな事よりこんな難しそうな漢字を使えるなんて……」
あ、やべ、日本からきたのバレたか?
てか、バレてもいいんじゃねーか?別に……。
「でも漢字なんて使える人初めて見ました!」
「こんだけで!?」
「はい!もしかして有名な漢字学者だったりするんですか?」
漢字学者ってなんだよ!
「いや、そんなんじゃないよ。ただの浮浪者?だよ……多分……」
「こんなに自信がない浮浪者も初めて見ました」
「すいません……」
……………………。
しばらく沈黙が続く。
「あ、俺調べ物が終わったんで勉強手伝いますよ?」
「すいません……お願いします……」
それからしばらく勉強を教えた後、俺は帰ることにした。
「すまなかったな……こんな時間まで図書館開けてもらって」
「いえ、私も勉強がはかどりました」
「最後に名前だけ教えてもらって良いか?」
「そうですね……これも何かの縁ですし」
そう言うと彼女は少し前に出てきた。
「私の名前はパハネール・アージュです」
「俺の名前は空乃木 佑紅だ」
「また勉強教えて下さいね?」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして俺の異世界生活1日目の活動が終わった。
あの出店結構うまかったな!
今の気分は最高潮だ。
それほどうまかった。
だからだろうか……
「財布が少し軽くなった」
や、やべー……どうしよう。
冗談とかいっている暇じゃなかった!
と、とりあえず本を買おう!
情報収集。大事!
「ここが本屋……?」
俺が来たところ、そこはボロボロの小屋らしきものだった。
「さっきの服屋があれだったからどんなもんかと思ったが……案外小さかったな……」
この気持ちはなんだろうか?なんか期待はずれというか拍子抜けというか……想像していた所と全然違ったからかな?
そんなことより……
「よし!入ろう!」
立ち止まっちゃなにも起きないしな!
なんかこの世界に来て少し行動的になった気がする。
まぁ、実際来て五時間程度なのだが……。
「あのー、すいませーん……」
「お?あんたお客かい?」
俺に返事してくれたのは白髪の老婆だった。
「はい。ここで本が買えると聞いたのですが……」
「あぁ、うちは本屋だからゆっくり見ていくといいよ」
「ありがとうございます」
俺は辺りを見渡して気になる本を手に取った。
「日本語学習2年生?」
これってあれだよな?
え?何でこんなものが?
ヤバい。頭がこんがらがってきている。
「あの、すいませんこの本なんですけど……」
「ん?その『教科書』がどうしたって?」
「えっとこれって皆習うものなんですか?」
「そりゃ、ねー?誰もが習うさね。勇者たちが残した言葉だからね……でも全然解読出来てないんだけどね」
「へ、へー……そうなんだ……」
そんなわかってないもん教科に入れるな!
「まぁ、そんなことより……この世界のことについて書かれている本はないのか?」
「それなら図書館に言って見たらどうだい?」
「図書館?」
「本屋は家で読みたい人が買うもの、図書館はその場限りだけどタダで本が読めるよ」
「マジっすか!?」
「嘘ついてなんか無いよ」
やったぜこれで食費に回せるお金が増えた!
図書館に着きました……。
はい……。
え?なんで元気がないのかって?
それはね、図書館に行くために約2時間歩きっぱなしだったからだよ?
「よ、よし元気出して入るか……」
俺は己を奮い立たせ、図書館の中に入る。
図書館の中は美術館を思わせる造りになっていて、中心に大きなホールがある。
俺はしばらく歩いて図書館自体を見てみたいと思った。
「あの、すいません……」
しかしすぐに誰かに声をかけられた。
「はい、何か用でしょうか?」
振り向くとそこにはカウンター席から顔を覗かせる三つ編みの小さな女の子がいた。
いかにも文学少女らしい格好だな……。
「すいませんが、この図書館を使えるのが後十五分しかないんですけど……」
マジですか……。
あー、どうしよう……。
俺明日来たとしても……本読むだけで1日潰しそうだしな……。
「あの、何か深刻な悩みでもあるんですか……?もし宜しければ時間延長しますが……」
「あ、う、うん。そうなんだけどさ……流石に俺一人のためにそこまで……」
「いえいえ、助け合いは大事ですから」
なんだこの子……ちっこい癖に超カッケー。
「で、でもそんなこと勝手に決めていいのか?」
「別に……私もここに用事があったから……」
「そうなのか……じゃあ、お言葉に甘えようかな」
やばいな……エリザベスさんより優しい……
優しすぎる!
「なんか裏とかないよね?」
「あの……それはあまりにひどくありませんか?」
「すいませんでした……」
クソっ!だったらなんでだ?なんでこんなに優しいんだ?
もしかして天使なのか?
ナイチンレベルの天使なのか?
無償の愛って奴か!?
「あ、すいません。終わりのアナウンスをしなくちゃいけないのでまた後で」
「ありがとうございます!」
その後、アナウンスがあった後、彼女は俺のところにやって来た。
「お待たせしましたー」
「お疲れ様です」
俺たちは机についた。
無言の空間……
俺が今読んでいるのはよくわからんがこの世界ことが書いてある本だ。
女の子は何かひたすらに勉強している。
……………………。
この感じいいな……。
なんていうか……うん……恥ずい……。
あ、目があった……
「あの、私の顔に何か付いていますか?」
「え?あ、いや、なにしているのかなー?と思って」
「あ、これは日本語の勉強です。学校の宿題なんですよ」
「へぇ~、学校に行ってるんだ……」
それより本当に日本語が教科に入ってるんだな……。
「もしかして日本語わかりますか?」
「あ、うんわかるけど……」
「教えてもらっていいですか!?」
「い、いいよ。それぐらい……」
ビックリした……てか顔がめっちゃ近い……。
「こ、ここってどう読むんですか?」
「あ、あぁそこは『万歳』だな」
「へー、じゃ、じゃなくて」
「え?」
………………。
あれ?なんかやらかしたか?
「あの……そっちじゃなくってコッチです……」
「あ、あぁ、そっちね!」
あの、えっと……
「アリだな」
「うん。アリ。漢字で書くとこうだな……」
俺は紙に『蟻』と書いてあげる。
「す、凄い……」
「これが凄いのか?」
「あ、いえ、そんな事よりこんな文字見たことないです」
「漢字のこと?」
「いえ、漢字のことはわかりますがそんな事よりこんな難しそうな漢字を使えるなんて……」
あ、やべ、日本からきたのバレたか?
てか、バレてもいいんじゃねーか?別に……。
「でも漢字なんて使える人初めて見ました!」
「こんだけで!?」
「はい!もしかして有名な漢字学者だったりするんですか?」
漢字学者ってなんだよ!
「いや、そんなんじゃないよ。ただの浮浪者?だよ……多分……」
「こんなに自信がない浮浪者も初めて見ました」
「すいません……」
……………………。
しばらく沈黙が続く。
「あ、俺調べ物が終わったんで勉強手伝いますよ?」
「すいません……お願いします……」
それからしばらく勉強を教えた後、俺は帰ることにした。
「すまなかったな……こんな時間まで図書館開けてもらって」
「いえ、私も勉強がはかどりました」
「最後に名前だけ教えてもらって良いか?」
「そうですね……これも何かの縁ですし」
そう言うと彼女は少し前に出てきた。
「私の名前はパハネール・アージュです」
「俺の名前は空乃木 佑紅だ」
「また勉強教えて下さいね?」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして俺の異世界生活1日目の活動が終わった。
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