はみ出し記者 鷹見恭平 オールドメディアは世の不条理、タブーを暴けるか VOI.1 不法滞在者が運ぶ甘い媚薬

奇談エバンジェリスト

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Take5:黒幕登場

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「社長…お愉しみのご様子ですね」
サディスティックな余興の現場に現れたのは、狐のような顔の男だった。
彼はドリーの傍らに立つと狡猾そうな表情で、力なく縄の捩れに身を任せ、裸同然の姿で項垂れるばかりの美人キャスターをしげしげと眺める。
「ほほう…伊集院雅子。噂に違わぬいい女ですねえ。こんな場所で実物を、しかも素っ裸同然のSM拷問の現場に立ち会えるとは、なかなかラッキーですよ」
「ふん、松宮君か」
恭平はこの松宮という男の名に聞き覚えがあった。
(松宮…、あの松宮享か)
若き日は半グレ集団に身を置き、今は陣川会系のヤクザの門弟にしてキワどい演出を売りにする映像会社の社長を兼ねた人物だった。

同じ映像の世界に生きる者同士とはいえ、硬派なジャーナリズムを追求する恭平と、人間の、殊に女の恥部を売りにするハイエナのような松宮とは接点を持つはずもない間柄だ。
強姦の現場などを収め、その映像を販売することで、裏モノ業界ではそれなりの地位を築いている松宮。
しかも、それは松宮自身が女性を拉致監禁し、子飼いの男優に陵辱させるという、犯罪紛いの手法で制作された物ばかりだという話は有名だ。
取り締まりの対象になりそうなものだが、なぜか彼への捜査は一向になされず、何か大きな権力が働いているのでは、という都市伝説めいた話がネット上を賑わしてはいる。
黒幕と、新たに登場した危険なオーラを放つ男の関係に、報道人としての興味をそそられる恭平。
だが、今は凶悪な輩の陰謀、いや淫謀に嵌った最愛の女、雅子の危機こそ最大の関心事であった。

が、真の黒幕は別にいた。
「お前たち、そんな鼻垂れ小僧の記者風情と小娘相手に何を盛り上がっとるんだね?」
正体は不明だ。
ジェイソンマスクの小男――――。
その男から発せられる強烈な攻撃的オーラに、一同は一気に緊張感に包まれた。
(誰だ、この男は?)
明らかに老人の域に入っているであろう、小男だが、その威厳と威圧感はハンパなものではない――――。
ジェイソンマスクは、恭平に歩み寄ると、そのきかん気な表情をマスクの下の眼でぐっとにらむ。
「いいだろう、この男、気に入ったよ。交渉に入る」
有無を言わさぬ口調で、言い放つと、恭平の手錠を解くよう命じた…。
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