7 / 19
Take7:ミッションは不法移民問題の謎を解く事…
しおりを挟む
――――数日後。
オフホワイトのパンツ・スーツ姿の伊集院雅子が、恭平にそっと耳打ちしたのは『ワールドニュース22』の放送直前の事だ。
「恭平クン、ジェイソン・マスクのおじさまから連絡があったの…」
「なんだって!」
「しっ。声が高いわ」
雅子は微かに美貌を険しくすると、すぐに声音を和らげる。
「貴方へのミッション、それは…」
「それは?」
「国内に存在するstateless(無国籍)の謎を解き明かすこと…ですって」
「statelessだって? どういうことだい?」
恭平が当惑した顔で雅子を見やる。
「ふふふ、鈍いわね、恭平クン。今時この言葉を聞けば、わかるでしょ? 国籍、国境に縁のない地帯…」
「北関東市か…」
北関東市…。
人口約60万の中核都市で、都心からのアクセスも良いかつては理想のベッドタウンだった。
が、今はその地があることで日々、世間を賑わせている。
それは不法移民問題。
いや、不法滞在とも言い換えられるだろう。
ハラム民族は出身国のポルト共和国からの迫害を逃れ、難民申請を出しつつ、この北関東市に大量に移住している。
彼らは文化の違いからか、日本の住民たちとトラブルを起こし、性犯罪等、事件も絶えない。
誘拐された少女の行方がわからない、という未解決事件も起こっていた。
だが、その件に関してTV局をはじめとしたオールドメディアは、ハラム人事権を一切取り上げはしなかった。
むしろ、ハラム人を難民認定しない日本国の対応を蔑み、その島国根性からくる閉鎖性を嘆くニュアンスの報道ばかりだ。
『ワールドニュース22』でも何度となく、その追求を試みるスタッフはいた。
が、恭平自身もこの件に目を瞑っていたことも事実だ。
恭平自身古い区分でいえば、左翼思想が強く、弱者、事に移民や在日外国人に手厚く接するべきという思想信条を持っていた。
また、上司でもあるキャスター嶌津敏久が、移民問題に関心が薄かった。
ゆえに、与党政治家や、その政治手法を批判することは多くても、実際に弱者とされている面々が引き起こす問題の裏を追究する視点を欠いていた。
ハラム人が先日、引き起こした女子中学生暴行事件を聞くに、その甘さを思い知らされ、忸怩たる思いを抱いていたのも事実だ。
「だが、ハラム人の謎って一体どういうことだ?」
「うふふ、とにかく現地に行ってみましょう。連日、何かと騒がしい街みたいだから」
美貌を寄せる雅子はどこか愉し気だった―――。
オフホワイトのパンツ・スーツ姿の伊集院雅子が、恭平にそっと耳打ちしたのは『ワールドニュース22』の放送直前の事だ。
「恭平クン、ジェイソン・マスクのおじさまから連絡があったの…」
「なんだって!」
「しっ。声が高いわ」
雅子は微かに美貌を険しくすると、すぐに声音を和らげる。
「貴方へのミッション、それは…」
「それは?」
「国内に存在するstateless(無国籍)の謎を解き明かすこと…ですって」
「statelessだって? どういうことだい?」
恭平が当惑した顔で雅子を見やる。
「ふふふ、鈍いわね、恭平クン。今時この言葉を聞けば、わかるでしょ? 国籍、国境に縁のない地帯…」
「北関東市か…」
北関東市…。
人口約60万の中核都市で、都心からのアクセスも良いかつては理想のベッドタウンだった。
が、今はその地があることで日々、世間を賑わせている。
それは不法移民問題。
いや、不法滞在とも言い換えられるだろう。
ハラム民族は出身国のポルト共和国からの迫害を逃れ、難民申請を出しつつ、この北関東市に大量に移住している。
彼らは文化の違いからか、日本の住民たちとトラブルを起こし、性犯罪等、事件も絶えない。
誘拐された少女の行方がわからない、という未解決事件も起こっていた。
だが、その件に関してTV局をはじめとしたオールドメディアは、ハラム人事権を一切取り上げはしなかった。
むしろ、ハラム人を難民認定しない日本国の対応を蔑み、その島国根性からくる閉鎖性を嘆くニュアンスの報道ばかりだ。
『ワールドニュース22』でも何度となく、その追求を試みるスタッフはいた。
が、恭平自身もこの件に目を瞑っていたことも事実だ。
恭平自身古い区分でいえば、左翼思想が強く、弱者、事に移民や在日外国人に手厚く接するべきという思想信条を持っていた。
また、上司でもあるキャスター嶌津敏久が、移民問題に関心が薄かった。
ゆえに、与党政治家や、その政治手法を批判することは多くても、実際に弱者とされている面々が引き起こす問題の裏を追究する視点を欠いていた。
ハラム人が先日、引き起こした女子中学生暴行事件を聞くに、その甘さを思い知らされ、忸怩たる思いを抱いていたのも事実だ。
「だが、ハラム人の謎って一体どういうことだ?」
「うふふ、とにかく現地に行ってみましょう。連日、何かと騒がしい街みたいだから」
美貌を寄せる雅子はどこか愉し気だった―――。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる