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Take13:美人キャスターは華麗で強かなり…
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「どう、何か収穫があった? はみ出し記者と一番弟子クン。…その様子だと、空振り…いえ、相手の尻尾を捕まえたけど、尻尾を切って逃げられたってところかしら、うふふ」
「伊集院君か」
恭平はあえて、仲間の前である手前、他人行儀な呼び方をする。
が、雅子の方はかえってそれを揶揄うかのように、そして優等生が悪戯娘に変身したかのようにユーモラスに皆に接する。
「その尻尾を切ったのは、優しい上司、なんてことはありえませんよね、嶌津さん」
雅子は、なおも悪戯っぽく微笑む。
「ああ、恭ちゃん。今宵も女神がご登場のお時間だ。例のスクープは、テーマ曲の後、“今日スク”(今日のスクープ)で行くからね、よろしく」
政財界に友人の多い、メインキャスターが、程よいところで取材を手打ちにしたことを揶揄する雅子に、嶌津はバツの悪そうな表情でスタッフルームを後にした。
その後ろ姿を見送りつつ、美人キャスターはOAに備える。
「あ、雅子センパイ、援護射撃は無しっすか?」
李は姉のように慕う美人キャスターに意外そうな声を向ける。
「そうよ、“チーム鷹見”とはいっても、ジャーナリズムは基本個人プレーよ。スクープしても、そのソースだって明かせない間柄ですもの」
雅子は振り返りつつ、妖艶に微笑む。
「見ててごらんなさい、恭平クン。「見ててごらんなさい、恭平クン。週明けは編成を大きく変える必要があるかもしれなくてよ」」
雅子は、ウインクしてみせる。
「どーいう事ですか?」
?の表情を浮かべる李をよそに、恭平は雅子を呼び止める。
「おい、まさか魔室に接近するつもりなのか?」
「まぁ、流石は、はみ出し記者さん。察しが良いこと」
雅子はあくまでも冷静に、あしらう。
「上司として命令するよ、これ以上君は危険な取材はよせ。魔室はあの運送業者とつながっているぞ」
恭平は確証こそつかめなかったものの、情報屋、“宗さん”から独自のニュースを得ている。
魔室市議が『建王配送』に対し特別運搬許可証を交付し、深夜の一般車両通行不可の特殊道路を使用させ“何か”の運搬を行ったことは確証が得られている。
「ハラム人排斥を訴えている奴が、なんで『建王配送』に協力するんだ。おかしいだろう」
「魔室さんには…もう接触しちゃいましたぁ」
雅子は甘い表情で、恭平を揶揄うように言う。
「ふざけるんじゃない、伊集院君。君に危険が及んだら…」
「およんだら?」
雅子はなおも、どこか甘えるようにかつ、恋人に挑みかかるように、上目遣いの表情を送る。
「もし、わたくしが危機に陥ったら、助けに来てくれる?」
「あ、あぁ…」
憐憫を誘う可憐な表情に、恭平は語気を弱める。
「大丈夫、わたくし、あなたを裏切ったりはしなくってよ。でも、はみ出し記者さん、貴方はまだ読み違えているかも…。私の狙いは、魔室じゃないわ」
「じゃあ、誰だい?」
「ヒント…あの日会った、別の人物…」
雅子はそう言い残すと、ウインクをしてスタジオに入っていった。
「こんばんは、嶌津敏久です」
「伊集院雅子です。今夜もよろしくお願いいたします」
番組開始とともに豹変した雅子の、妖艶かつ怜悧な表情に見惚れるしかない恭平だった――――。
「伊集院君か」
恭平はあえて、仲間の前である手前、他人行儀な呼び方をする。
が、雅子の方はかえってそれを揶揄うかのように、そして優等生が悪戯娘に変身したかのようにユーモラスに皆に接する。
「その尻尾を切ったのは、優しい上司、なんてことはありえませんよね、嶌津さん」
雅子は、なおも悪戯っぽく微笑む。
「ああ、恭ちゃん。今宵も女神がご登場のお時間だ。例のスクープは、テーマ曲の後、“今日スク”(今日のスクープ)で行くからね、よろしく」
政財界に友人の多い、メインキャスターが、程よいところで取材を手打ちにしたことを揶揄する雅子に、嶌津はバツの悪そうな表情でスタッフルームを後にした。
その後ろ姿を見送りつつ、美人キャスターはOAに備える。
「あ、雅子センパイ、援護射撃は無しっすか?」
李は姉のように慕う美人キャスターに意外そうな声を向ける。
「そうよ、“チーム鷹見”とはいっても、ジャーナリズムは基本個人プレーよ。スクープしても、そのソースだって明かせない間柄ですもの」
雅子は振り返りつつ、妖艶に微笑む。
「見ててごらんなさい、恭平クン。「見ててごらんなさい、恭平クン。週明けは編成を大きく変える必要があるかもしれなくてよ」」
雅子は、ウインクしてみせる。
「どーいう事ですか?」
?の表情を浮かべる李をよそに、恭平は雅子を呼び止める。
「おい、まさか魔室に接近するつもりなのか?」
「まぁ、流石は、はみ出し記者さん。察しが良いこと」
雅子はあくまでも冷静に、あしらう。
「上司として命令するよ、これ以上君は危険な取材はよせ。魔室はあの運送業者とつながっているぞ」
恭平は確証こそつかめなかったものの、情報屋、“宗さん”から独自のニュースを得ている。
魔室市議が『建王配送』に対し特別運搬許可証を交付し、深夜の一般車両通行不可の特殊道路を使用させ“何か”の運搬を行ったことは確証が得られている。
「ハラム人排斥を訴えている奴が、なんで『建王配送』に協力するんだ。おかしいだろう」
「魔室さんには…もう接触しちゃいましたぁ」
雅子は甘い表情で、恭平を揶揄うように言う。
「ふざけるんじゃない、伊集院君。君に危険が及んだら…」
「およんだら?」
雅子はなおも、どこか甘えるようにかつ、恋人に挑みかかるように、上目遣いの表情を送る。
「もし、わたくしが危機に陥ったら、助けに来てくれる?」
「あ、あぁ…」
憐憫を誘う可憐な表情に、恭平は語気を弱める。
「大丈夫、わたくし、あなたを裏切ったりはしなくってよ。でも、はみ出し記者さん、貴方はまだ読み違えているかも…。私の狙いは、魔室じゃないわ」
「じゃあ、誰だい?」
「ヒント…あの日会った、別の人物…」
雅子はそう言い残すと、ウインクをしてスタジオに入っていった。
「こんばんは、嶌津敏久です」
「伊集院雅子です。今夜もよろしくお願いいたします」
番組開始とともに豹変した雅子の、妖艶かつ怜悧な表情に見惚れるしかない恭平だった――――。
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