はみ出し記者 鷹見恭平 オールドメディアは世の不条理、タブーを暴けるか VOI.1 不法滞在者が運ぶ甘い媚薬

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Take15:雅子は権力と裏社会の闇に引きずり込まれ…

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旭日の事務所の地下はコンクリート張りの狭い監禁部屋だった。
「どうだい、すっぽんぽんにされて吊るされたご感想は? なかなか良い姿だねえ、囚われのお姫様」
天井の剥き出しの支柱に、手首を縛った縄がかけられ、引き上げられた。
土屋は、素足の先でかろうじてバランスを保とうとする雅子の美しい裸体を、ニマニマと眺める。
「ついでにこのまんま、ぶん殴られる恐怖は、想像を絶するものだと思うがねえ、正直に白状しな。いくらマスコミ人とはいえ、北関東市の件はタブー視されていたはずだ。なぜ俺たちに目を付けた?」
「……」
雅子はふいッと美貌を背ける。

ジェイソンマスクの男からの“依頼”であることは言いたくなかった。
彼らが、この街の秘密を暴けと命じた以上、権力構造や支配階級の利害が複雑に絡み合っていることは容易に想像できた。
ましてや、上司である恭平の制止を無視した自分のスタンドプレーで失態をやらかしたのだ。
無様に捕まったうえ、関係者の素性を明かしてはジャーナリストの名折れだと、雅子は自覚していた。
(きっと拷問されるんだわ…)
雅子は、その魅惑の肉体を強ばらせた。
以前にも経験した恐怖の時間がまたやってくるのだ。
(ああ、助けて…恭平クン)
雅子は、恋人の名を心の中で連呼する。

「鞭で叩かれるのと、警棒で滅多打ちにされるのとどちらがいいかね、お嬢ちゃん?」
「随分と、趣味が悪いのね。女を拉致して、暴行を加えようだなんて」
雅子はそれでもクレバーかつ怜悧に振舞う。
「貴方たちは全員がグルなのね。ヘイトも反ヘイトも根っこは一つなんだわ」
「そう、その通り、ご聡明なお嬢ちゃんだ」
満足げに土屋がほくそ笑む。
「権力には逆らえませんって、美人キャスター殿。あんただって会社の社長には逆らえず、枕営業でもして、今の地位を築いたんだろ?」
旭日が下卑た笑みを浮かべ、女性蔑視に慣れた口調で雅子を詰る。
「ますます見下げた人たちね」
雅子は侮蔑の表情を美貌に浮かべる。

「人種差別はガス抜きにもなるんだ、大衆のね。が、それがあまりに公になれば、日本の良識が問われるし、国内外で眉を顰める御仁が現れる。それに反する我々活動家がいることで、日本の良識もアピールできる。バランスが大事なのさ。ましてや、ハラム人たちに、そしてその母国に利用価値があるとすれば、なおさらだ」
土屋は得意満面にカラクリを解説する。
「そのバランス感覚抜群で、ハラム人の人たちや貴方がたを利用しているお方は誰なのかしら?」
雅子は、本当の意味での黒幕、つまりは旭日や、魔室、そして土屋らを掌握する者たちの名前を知りたかった。
「ふん、なかなか生意気な小娘だよ」 
と、土屋が言えば、
「お前、自分が尋問される側だってこと忘れんなよ、このくそアマ」
と、旭日がその美女キャスターの端正な貌を鷲掴みにして凄む。

その時だ、雅子への制裁に待ったがかかる。
「待ってください、二人とも」
現れたのは、魔室だ。
「その女、いたぶるよりもっといい方法があります」
通話を終えたスマホを手にしている。
「例の“嬌声収容所”送りにしましょうや」
その言葉に二人が戸惑っている。
「さすがに不味かろう、魔室君」
土屋が戸惑いの色を見せる。
活動家の彼が眉をひそめるほど、妖しげな場所なのだろうと想像した雅子は、なおさら身を強張らせた。

「伊集院雅子のような有名人が失踪して、万、万が一取材や捜査の手が入れば…」
「大丈夫ですって、あの御方がなんとしても、この伊集院雅子を“例の方法”で抱いてみたいと仰るんでね…」
魔室は、莫大な儲け口でも見つけたかのような言い回しで、繋ぎ止められた女囚をしげしげと眺める。
「あーら、あら、可愛いこと。恐怖のあまり乳首なんてツンツン勃てちゃって」
魔室は雅子のサクランボを指で弾きつつ、ほくそ笑む。
「やめてッ!」
身を捩って拒絶する雅子の反応を横目に、恐ろしいことを言う魔室。
「ふふん、大丈夫ですって。これほどの上玉が“嬌声収容所”送りになったとくれば、その事実を突きつけた方が放送局にも、脅しがかけやすい…。いずれにせよ、この女は始末しますが、ね」
魔室のボディガード達が、雅子の手首の縄を外し、いずこかへ連れ去る準備を始める。
口に粘着テープを貼られ、後ろ手に手錠を掛けられた。
素っ裸のまま、地下の隣接する駐車場に素足のまま歩かされる。
生命の危機が迫っている、雅子は、恐怖に慄いた――――。
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