17 / 19
Take17:急げ恭平ッ、雅子の運命は風前の灯火だ‼
しおりを挟む
活動家土屋の事務所に押しかけた恭平は、無人の事務所でパイプ椅子を蹴り倒し、八つ当たりした。
「くそう、やはりもぬけのからか!?」
旭日のアジト、そして魔室の事務所、それに建王配送を順に“襲撃”した恭平だが、無論の事、雅子の姿はなかった。
それぞれの場所でスタッフや子飼いの連中を締め上げもしたが、最愛の女はいずこへ連れ去られたか、よう(と)して知れなかった。
「どこへ拉致られたんだよ、雅子!?」
と、憤った恭平は古びた壁に拳を叩きつけた。
「ひぃッ!」
無人と思われた事務所だが、部屋の片隅に廃棄したデスクの陰から小さな悲鳴が漏れ出る。
「ああ、命ばかりはぁ!」
恭平のキレ具合に恐れ慄いた男は哀願した。
「お前も、土屋の手下か…んん? なんか見覚えがあるな…ああ…」
恭平は目を見開く。
最初にこの北関東市に赴き、活動家同士の小競り合いの現場にいた雅子のファンだった。
「あの時のヲタク野郎か?」
「は、はひぃ、乱暴だけはしないでぇ!」
「てめぇ、何でココに?」
ヲタク青年は怯え切りながらも声を震わせ、答えた。
「い、いや、伊集院さんがまた取材に来るって情報をキャッチしたから、もう一度だけお逢いしたいなって思いましてぇ」
「何が情報をキャッチしただよ。単なるストーカーもどきじゃねえか! 報われない恋心を育てた変態になるより、現実を見て歳相応に落ち着きを持てよ、って言ってもお前みたいのじゃ、どんな輩になるか、たかが知れているけどな」
と、苛立ち紛れに、このヲタク青年を完全に見下して見せる恭平だ。
「無駄とわかって訊くが、お前…彼女が今どこにいるかだなんて…」
「知ってます」
「な、何だと!?」
意外な回答に恭平は青年の胸ぐらをつかんだ。
「ぼ、ぼ、僕…土屋が…雅子さんを…どこへ連れ去ったか…」
――――――。
再び六本木の怪しげな地下牢獄…。
「きゃッ」
手錠を掛けられたままの美人キャスターは、一人の男から頬を打たれ、仰向けに吹っ飛んだ。
「抵抗しろ、抵抗しろ。せいぜい泣き喚いて抗ってくれた方が、俺らは愉しいんだよ。どんだけ泣き叫ぼうが、助けは来ねえよ」
雅子は全裸のまま、男たちからいたぶられ、愉しまれている。
「うぅ、あなたたちのバックには誰がいるのかしら? 慰みものにされる代わりに教えてもらいたいものねッ」
それでも雅子は勝気な口調で虚勢を張る。
「無様にとっつかまったジャーナリストもどきが生意気言うんじゃあねえよ!」
男の一人が強烈な膝打ちを、雅子の鳩尾に叩き込む。
「あうッ…」
崩れ落ちる美女を捕らえた男は、その端正な貌が苦悶に歪むのを愉しむ様に耳打ちする。
「お前が誰に抱かれて、地に堕ちるかだけは教えといてやる。堀越会系のお偉方だよ」
(堀越会…)
一般人にも牙をむく、半グレだけで形成された新興ヤクザの組織だ。
恐れ慄く雅子に対し、男は目出し帽の下でほくそ笑む。
「いいじゃあねえか、反日マスコミの代表格大江戸TVの女キャスターが、反社の餌食になる…。めっちゃ心地良くなって狂いまくるサマが世間に知れれば、業界への見せしめにもなるってわけだ。触れちゃあならねえ場所があるってことを知らしめるための、な!」
「ハラム人問題には、かなりの闇があるっていうわけね。彼らを利用した、それも日本人の特別な階級が操る…」
雅子が戦慄した表情で言葉を紡ぐ。
「ハラム人問題だけじゃあねえ、それにお偉方が日本人ばかりとは限らねえがな…。おしゃべりが過ぎたぜ。ラリッたお前さんを抱きたいってお望みの御方がご到着の様子だ」
男は、地下室の扉の開く方を見遣る。
大柄なスーツ姿の男の影が見える。
「ふひひひ、下準備を急がねえと、な」
牢獄内の男たちは、雅子を捕らえると手錠を外しにかかる。
が、最高の獲物である雅子を釈放するはずもなかった。
簡素な白いベッドの四隅には、鎖付きの拘束具が垂れ下がっていた。
雅子を繋ぎ留める目的であることは明白である。
「い、いやよ、誰か、助けてェッ!」
可憐な乙女は必死に抗うも、男たちの手に掛かれば所詮は小娘でしかない。
パンパンと頬を張り倒す乾いた音が鳴り響く。
ベッドに倒れ込む雅子、
「あぁ…」
観念した雅子はベッドに担ぎ上げられ、男らから四肢を上下左右に広げられる。
それぞれ、手首足首がカチッとロックされる感覚に雅子は絶望した――――。
「くそう、やはりもぬけのからか!?」
旭日のアジト、そして魔室の事務所、それに建王配送を順に“襲撃”した恭平だが、無論の事、雅子の姿はなかった。
それぞれの場所でスタッフや子飼いの連中を締め上げもしたが、最愛の女はいずこへ連れ去られたか、よう(と)して知れなかった。
「どこへ拉致られたんだよ、雅子!?」
と、憤った恭平は古びた壁に拳を叩きつけた。
「ひぃッ!」
無人と思われた事務所だが、部屋の片隅に廃棄したデスクの陰から小さな悲鳴が漏れ出る。
「ああ、命ばかりはぁ!」
恭平のキレ具合に恐れ慄いた男は哀願した。
「お前も、土屋の手下か…んん? なんか見覚えがあるな…ああ…」
恭平は目を見開く。
最初にこの北関東市に赴き、活動家同士の小競り合いの現場にいた雅子のファンだった。
「あの時のヲタク野郎か?」
「は、はひぃ、乱暴だけはしないでぇ!」
「てめぇ、何でココに?」
ヲタク青年は怯え切りながらも声を震わせ、答えた。
「い、いや、伊集院さんがまた取材に来るって情報をキャッチしたから、もう一度だけお逢いしたいなって思いましてぇ」
「何が情報をキャッチしただよ。単なるストーカーもどきじゃねえか! 報われない恋心を育てた変態になるより、現実を見て歳相応に落ち着きを持てよ、って言ってもお前みたいのじゃ、どんな輩になるか、たかが知れているけどな」
と、苛立ち紛れに、このヲタク青年を完全に見下して見せる恭平だ。
「無駄とわかって訊くが、お前…彼女が今どこにいるかだなんて…」
「知ってます」
「な、何だと!?」
意外な回答に恭平は青年の胸ぐらをつかんだ。
「ぼ、ぼ、僕…土屋が…雅子さんを…どこへ連れ去ったか…」
――――――。
再び六本木の怪しげな地下牢獄…。
「きゃッ」
手錠を掛けられたままの美人キャスターは、一人の男から頬を打たれ、仰向けに吹っ飛んだ。
「抵抗しろ、抵抗しろ。せいぜい泣き喚いて抗ってくれた方が、俺らは愉しいんだよ。どんだけ泣き叫ぼうが、助けは来ねえよ」
雅子は全裸のまま、男たちからいたぶられ、愉しまれている。
「うぅ、あなたたちのバックには誰がいるのかしら? 慰みものにされる代わりに教えてもらいたいものねッ」
それでも雅子は勝気な口調で虚勢を張る。
「無様にとっつかまったジャーナリストもどきが生意気言うんじゃあねえよ!」
男の一人が強烈な膝打ちを、雅子の鳩尾に叩き込む。
「あうッ…」
崩れ落ちる美女を捕らえた男は、その端正な貌が苦悶に歪むのを愉しむ様に耳打ちする。
「お前が誰に抱かれて、地に堕ちるかだけは教えといてやる。堀越会系のお偉方だよ」
(堀越会…)
一般人にも牙をむく、半グレだけで形成された新興ヤクザの組織だ。
恐れ慄く雅子に対し、男は目出し帽の下でほくそ笑む。
「いいじゃあねえか、反日マスコミの代表格大江戸TVの女キャスターが、反社の餌食になる…。めっちゃ心地良くなって狂いまくるサマが世間に知れれば、業界への見せしめにもなるってわけだ。触れちゃあならねえ場所があるってことを知らしめるための、な!」
「ハラム人問題には、かなりの闇があるっていうわけね。彼らを利用した、それも日本人の特別な階級が操る…」
雅子が戦慄した表情で言葉を紡ぐ。
「ハラム人問題だけじゃあねえ、それにお偉方が日本人ばかりとは限らねえがな…。おしゃべりが過ぎたぜ。ラリッたお前さんを抱きたいってお望みの御方がご到着の様子だ」
男は、地下室の扉の開く方を見遣る。
大柄なスーツ姿の男の影が見える。
「ふひひひ、下準備を急がねえと、な」
牢獄内の男たちは、雅子を捕らえると手錠を外しにかかる。
が、最高の獲物である雅子を釈放するはずもなかった。
簡素な白いベッドの四隅には、鎖付きの拘束具が垂れ下がっていた。
雅子を繋ぎ留める目的であることは明白である。
「い、いやよ、誰か、助けてェッ!」
可憐な乙女は必死に抗うも、男たちの手に掛かれば所詮は小娘でしかない。
パンパンと頬を張り倒す乾いた音が鳴り響く。
ベッドに倒れ込む雅子、
「あぁ…」
観念した雅子はベッドに担ぎ上げられ、男らから四肢を上下左右に広げられる。
それぞれ、手首足首がカチッとロックされる感覚に雅子は絶望した――――。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
東京の人
くるみあるく
青春
BLなのかもしれませんし、そうでないかもしれません。
沖縄からたまたま東京に来ていた警官・矢上明信(やがみ・あきのぶ)は、悲鳴を聞きつけある女性を助けました、が、彼女は言いました。「私、男です」
あっけにとられる矢上に彼女いや彼は自分も沖縄の人間だと告げ、勤め先であるミックスバーの名刺を渡して立ち去りました。彼女いや彼は金城明生(きんじょう・あきお)という名前なのですが読み方を変えて‘あけみ’と名乗っています。同じ明の字を持つ同郷の矢上を、‘あけみさん’は「ノブさん」と親しく呼びました。
矢上はやがて上京の度に、彼女いや彼こと‘あけみさん’やミックスバーの面々と親しく交流するようになります。矢上自身はやくに妻と死に別れ、孤独を紛らわせる場を探していたのでした。
ところが矢上の中学生の息子が母親の遺品で化粧を始めるようになります。息子は小さな頃から女の子のものを欲しがることが多かったのです。今はなんとか保健室登校をしていますが、「高校へ行きたくない、制服を着たくない」と泣き叫びます。悩んだ矢上は‘あけみさん’に相談すると、彼女いや彼は自分の高校の女子服を譲ってもいいと申し出ます。
そして二人は制服の受け渡しのためデートをすることに。‘あけみさん’が男であることをわかっているのに胸の高鳴りをおぼえる自分に矢上は戸惑いを隠せなくて……。
2026.2.20〜 AI校正を導入しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる