下僕で護衛で時々獣

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11. 体を育むと書いて体育

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 私立城咲女子学園高等部二年御苑みそのあいみは、恋をしていた。毎日毎晩毎朝毎夕毎食後、寝ても覚めてもレム睡眠ノンレム睡眠問わずとにかく四六時中、彼女の魂は恋しい人と共にあった。だがしかし、あいみはその恋が決して叶わないことを熟知してもいた。自分がどれだけ可愛くても、どれほどスタイルがよくても、名門女子校のスクールカースト上位に属していても、絶対に相手を振り向かせることはできないのだ。いやもしかしたら上手いこと接近することができさえすれば、相手の性格的に大いに振り向いてくれそうではあるが、けれどそれは何があっても振り向かせてはならない相手なのである。何故なら――。
「あーーーあの童貞野郎マーーージでありえねーわ。っとにナメやがってクソが」
 あいみがアイスコーヒーを片手にスツールの上で脚を組んで毒づくと、隣に座る短めのツインテールの少女は肩を竦めて、ドリンクともスイーツともつかない大量の生クリームとアイスクリームとその他諸々の入った透明の容器にプラスチックのスプーンを突っ込んだ。ちなみに今、この二人は放課後に制服のまま喫茶店に立ち寄り飲食するという重大な校則違反を現在進行形で犯しているのだが、それについて文句を言う人間は少なくとも店内には一人もいない。
「あいみさん、まだ例の合コン失敗引きずってんですかぁ? もういいじゃないですか、そもそも同い年の男と遊ぶより女同士でつるんでる方が楽しくないです?」
 言いながら少女は突っ込んだスプーンで諸々を山盛りすくい取り、ぱくりと食べた。そうして、うま、と呟いて幸せそうに破顔する。あいみはそんな相手の緩んだ笑みを一瞥し顔をしかめた。
「楽しい楽しくないの問題じゃねーよ。つかお前よくそんな甘いもん食えるな。2型糖尿病になるぞ」
「糖尿て。あいみさん、外見は『趣味はお菓子作りです』みたいな感じなのに、ほんと甘いの駄目ですよね」
「仕方ないじゃん、甘いもん食うと胃酸がしこたま出るんだから」
 あいみは溜め息をつき、自身が手にしたアイスコーヒーに視線を落とした。ガムシロップもポーションクリームも入っていない、正真正銘のブラックだ。
「――それともお前も、『女の子はぁ、甘くていい匂いがしてふわふわでぇ、いわく言いがたい複雑怪奇で面妖なものでできてるのぉ』って幻想を持ってんの? おいどうなんだ音々ねね
 彼女の視線が不穏な色を帯びる。しかし相手は能天気な笑みを浮かべたまま首を傾げた。
「何言ってんのかよくわかんないですけど、私はクレープ屋でキュウリ巻きをワイルドに貪る苦み走ったあいみさんが好きですね」
「へ……へえ、そう? ふうん……お前苦み走るの意味わかってなさそうだけど、まあそこは気にしないどくわ…………じゃなくて、お前にモテてどうするよ、私の狙いはお前じゃなくて向坂縁だって……あああーーーやっぱ一発どついとくべきだったなあのクソ童貞が」
 そう言って、シャンプーのCMに出てきそうなほど艶やかな黒いロングヘアーに滑らかな白い肌、華やかさを備えつつも淑やかな顔立ちをした大和撫子風の美少女は、ほとんど名人芸の域に到達しているといってよいくらいこなれた舌打ちをした。すると、音々と呼ばれた少女、すなわちあいみと同じ城咲女子学園高等部に籍を置く桃田ももた音々ねねは、スプーンを咥えたまま愛らしい顔をほんの少し曇らせた。
「あいみさん、マジのマジでマジに落ち込んでますね」
 首を傾げると、黒よりも茶に近い色をしたくるくる癖っ毛ツインテが、モビールのように揺れる。大きな目と小さな口と鼻は明らかに美少女のそれなのだが、舎弟じみた雰囲気の三下み溢れる喋り方のせいか、あいみと一緒にいると森のドンあいみグマの子分のリスといった雰囲気がある。
「だって、あのクソ童貞野郎が向坂縁に近づくための唯一の足掛かりだったんだもん」
「だもんて。まあ確かに、こないだ街で向坂縁をストーキン……いや偶然見かけて話しかけようとしたときも、周りのお友達連中が即座にガードしてきて、半径一メートル以内には立ち入らせてもらえませんでしたよね」
「そうなんだよ。あの取り巻きども守備力高すぎて意味がわからん、アライバかよ」
「うーん、でもですよ、ぶっちゃけ向坂縁なんてどうでもよくないです? 確かに顔は『彼』に似てるっちゃ似てますけど、全くの別人ですよ?」
 語尾を軽やかに上げてから、音々は容器に残っていたクリーム状の諸々を全て胃に流し込んだ。ふう、と満足げに息を漏らし、そうしてやや真面目な顔をする。
「あいみさんだって、ほんとはこんなことしても意味がないって、わかってるんじゃないですか?」
 音々が向ける真っ直ぐな瞳に、あいみは一つ瞬きしてから溜め息をついた。
「……うん、意味なんてない」
 ぽつりと弱々しい呟きが漏れる。
「きっと罰が当たったんだ。向坂縁を、『彼』の代わりにしようとしたから。だからあんなクソ童貞にコケにされ……ああああーーー畜生ぶん殴りてえなぁあのクソ童貞野郎!!!」
 あいみの罵声が、店内の空気を凍りつかせる。もしもクソ童貞野郎こと久野知之が自分の知らないところで自分と全く同じロジックを展開していたと知ったら、彼女は怒りと屈辱によって憤死していたことだろう。一方、びくつく周囲の客と店員をよそに、音々は真面目な顔を向ける対象をあいみからメニューへとスライドさせ、次に貪る甘味の検討を始めていた。
「ねえあいみさん、このスイート焦がしキャラメルビターガトーショコラカプチーノアフォガートホットシェイクっていったい何処にアイデンティティがあるんでしょうね? それともそもそも何かに対しアイデンティティを見出そうとする行為に意味なんかないって主義主張のスイーツなんですかね。よくわかんないけど深いですねぇ! あ、そういえば話変わりますけど、今年の新入生になんかやべーのがいるって噂ですよ。知ってます?」
「……またすげー勢いと角度で方向転換してきたな、対向車がいたら事故ってたぞ」
 マイペース極まりない音々の様子に、あいみの怒りのボルテージががくんと下がる。部活や委員会が同じというわけでもなく、趣味嗜好が似ているというわけでもないのに、彼女がこの一つ年下の後輩とつるむようになったのは、この無邪気な後輩があいみが内面に抱えるある種の激しさをクッションのように受け止め、負のエネルギーを霧散させてくれるせいなのかもしれない。
「で、何? 新入生? うちの? ってことは女? なあ音々、お前どういう思考回路と論理展開と教育課程を経たらそんなクッソどうでもいい話題を今この瞬間この場で提供しようって判断下せるの」
「わぁん怒らないでくださいよぉ、思いついたことをすぐ口にできるのは親しい証拠じゃないですか。それに今うちのクラスはその話題で持ち切りなんですよ。まあ私もまだそのやべーの見てないんですけどね」
「じゃあまずそのやべーの本人を自分の目で見てから話題にしな。……あ、やば、そろそろ帰らないとリアタイできない」
「いつもの番組ですか? スマホあるんだからワンセグで見ればいいじゃないですかぁ」
「ばっか何のためにこの世に77Ⅴ型有機EL4K対応テレビが存在すると思ってんの、『彼』の美貌とあの愛らしい言動を超高画質大画面で堪能するためでしょうがよ。じゃあ私はもう行くけど、お前も暗くなる前に家に帰れよ。このへん最近クソナンパ野郎が出没するって話だし」
「了解ですー。それじゃあいみさん、また明日」
「おう、明日な」
 あいみは肯いて自分のコーヒー代をテーブルに置き、席を立った。そんな彼女の後ろ姿を、会合に出かける親分を見送る子分のような眼差しで音々は見送る。
「『愛らしい言動』ねえ……あんなポンコツタレントにガチ恋する気が知れないけど、まあそこがあいみさんの可愛いとこやね」
 ふふっと笑うと、音々は再びメニューに視線を戻し、スイート焦がしキャラメルビターガトーショコラカプチーノアフォガートホットシェイクのアイスを注文しようと、テーブルに設置された呼び出しベルに指をかけた。と、そのときだった。
「――こんにちは。もしお邪魔じゃなければ、お姉さんのアリーナ一列目、僕が独り占めしてもいいですか?」
 突然前方から、爽やかすぎて逆に鬱陶しくなるくらい爽やか極まったミントとシトラスのハイブリッドのような声が聞こえてきて、彼女は恐る恐る顔を上げた。



「おい久野、一つ訊きたいんだが」
「おやすみなさい」
「なんだその返事は。もう朝だし、何より受け答えとして成立していない」
「おやすみなさいといったらおやすみなさいです俺は何も聞きません聞こえません本日の営業は永遠に始まりませんお客様のおかけになった番号は現在」
「下着が分泌物で濡れているようなんだが、何かの病気なんだろうか」
「お前の台詞の方が数百倍受け答えとして成立してねえよ!」
 向坂の身体が突然変化してから三日目の朝。久野は既にボロ雑巾のようにくたびれ消耗しきっていた。ちなみに火曜日午前五時現在、二人は同じベッドの中にいて、久野の片腕は向坂の胸の谷間に押し込まれている。
「朝からうるさい奴だな。近所迷惑だぞ」
「どうして近所の迷惑より先に俺の迷惑を考えてくれないんですかね向坂さんは!? あのねいいですか、俺は今ナウまさにジャストで朝勃ちしてるんですよ。そういうときに下半身の話題を持ち出しちゃいかんってことくらい、向坂さんくらいおつむの出来がよろしければ容易に想像がつきそうなものだと思うんですがどうなんでしょう!? それとも向坂さんみたいにお上品なかたには朝勃ちなんておわかりになりませんかね!?!?」
「何を偉そうに。わかるも何も、そんなもの僕もするに決まっているだろう。いや待て、今の身体ではしないか。とにかく、僕が今話題にしているのは僕の生殖器であって、お前の生殖器についてではない。話を逸らしていたずらに会話文を増やすな」
 目覚めたばかりなのに早くも悪夢のような展開だ、と久野は思った。そう、今自分の視界の大部分を塞いでいる、祝福されし顔面にクールな表情を浮かべて隣の枕からじっとこちらを見つめてくる灰色の瞳の美少女は、手のつけられないド畜生なのだ。哀れな主人公は物語開始から三日目にして早くも世を儚み辞世の句を練り始めていたが、美少女のアバターをまとった暴君は、主人公の苦悩と悲哀を知りもせず、おっぱいで相手の腕を挟んだまま強引に話を続けた。
「とにかく実際に下着を見てくれ。本当は他人の手など借りたくはないんだが、残念ながら僕自ら確認しようとするとまず間違いなく嘔吐してしまうからな。お前が清掃する手間を省くためにも、代わりに調べてくれ」
「はあなるほど、俺が代わりに……いやちょっと待てなんだそれ意味わかんねえよどうして俺が当たり前のようにお前のゲロ掃除担当になってるんだよ絶対嫌だよ!」
 彼が猛反発すると、向坂はやや真剣な顔をした。話が通じたのだろうか、そんなささやかな期待が、無限の闇の中にただ一つ灯された小さな蝋燭の火のように胸を照らす。
「なあ久野、今思ったんだが、お前は任侠映画から抜け出してきたような顔と声をしているわりに、妙に言葉遣いが幼いな。もし高校生としてもう少し洗練された話し方と語彙を身につけたいと思うなら、お前のために何冊か良書を推薦しても構わないが、どうだろうか」
「もういや!!!!!!!!」
 これまでろくに会話を交わさぬまま丸一年同じ部屋で寝起きしていたのがまるで嘘みたいに、日曜朝から本日火曜朝に至るまで、二人は言葉のドッジボール(一方的に久野がぶつけられている)を繰り返していた。今朝も早くから一つの布団にくるまり、傍若無人で可憐で柔らかくていい匂いのする悪魔的な生き物と不毛な応酬をした久野だったが、しかしあまりの不毛さに厭世モードが始まりそうになった挙句良書を推薦されそうになったため、諦めの溜め息をつくとおっぱいの間から腕を引き抜きむくりと起き上がった。そして部屋の明かりをつける。
「ええと、俺は後ろを向いてるから、お前は自分でズボンとパンツを脱いで、パンツだけこっちに寄越せ。脱ぐだけなら目を閉じててもできるだろ。いいな?」
「難儀な奴だな。まあ、仕方ない」
 難儀なのはお前だろ、と言いたくなったが、そこはぐっと堪える。朝五時の段階で不毛な会話で気力を使い果たすと、学生の本分である学業に支障をきたしてしまう。今日はまだ火曜日、週は始まったばかりなのだ。
 彼がベッドに背を向けて仁王立ちで腕組みをすると、後ろからもそもそと服を脱ぐ音がした。相手が男、それもゴッド向坂だとわかっていても、すぐ傍で下半身を露出していると思うとやはり落ち着かない。緊張で汗ばんだ手を握り締めたとき、突然頭の上に何かが落ちてきて彼は舌を噛みそうになった。恐る恐るその何かを摘み、目の前に持ってくる。それはパンツだった。彼が何か言う前に、向坂の声が飛んでくる。
「脱いだぞ。見てくれ」
 恐らく目を瞑ったまま脱いだパンツを放り投げたのだろう。ひどい、と彼は思ったが、ここまでくると何がひどいのかというより、何がひどくないのかがわからなくなってくる。泣きたい気持ちでパンツを広げ(一柳なりの配慮なのか、用意されたのは中性的なボクサータイプのパンツだ)、股間の部分を検めてみたが、いかんせん生地が黒っぽいため色が濃くなって濡れていることはわかるが、分泌物の正体は掴めない。もうギブアップしたい、そう久野は心から思った。しかし彼はどうにも善良な人間だったので、一柳が持ち込んだ段ボール箱の存在を思い出すと、その中身を漁って『なぜなに思春期――からだとこころのはなし――』という小学校高学年女子児童向けの冊子を取り出した。そうして眉間に五十本ほど皺を刻みながら、該当箇所を探した。
「あった。向坂、この分泌物はおりものっていうらしい。これ自体は自然なものだってさ。まあ、病気のせいで異常な場合もあるそうだけど……」
「だったら正常か異常か判断してくれ」
 どうやって、とか、嫌だよ、とかいう台詞を吐くには、久野は少し疲弊しすぎていた。彼は項垂れ、パンツの湿った部分に触れ、そして匂いを嗅いだ。今や彼の精神と生殖器は限界を迎えていたが、それでもモノの状態について報告しないという選択肢はいくらあたりを見回してみても残念ながらご用意されていなかった。
「………………正常だと思う」
 喉から声を絞り出す。血が出そうだと思った。むしろ実際に喉から血を出せば、向坂も彼に対し遠慮を覚え、少しは状況が好転するような気さえしていた。しかしあいにく彼の喉は彼のメンタルよりも丈夫だった。というわけで、心をすり減らした久野の報告に対する向坂の反応は、冷静そのものだった。
「そうか。病気でなければいいんだ。じゃあ穿かせてくれ」
 ふざけんな、という台詞を、鋼の意志で久野は飲み込んだ。しかしその鋼の意志をもってしても、魂の叫びを飲み込むことはできなかった。
「自分で穿けよ!!!」
 その叫びはまさに傷ついた野獣の咆哮だった。天が裂け地が割れんばかりの、悲痛にして悲壮な雄叫びだった。だがゴッドは眉一つ動かさず、瞬き一つしなかった。強面の厳つい男に怒鳴られれば、その内面が生まれたての子羊のようにか弱いと知っていても、多少なりとも動揺するのが人間というものなのだが、向坂は冷静そのものだった。というよりも純粋に、久野知之の精神状態に関心がない様子だった。
「脱ぐのと穿くのとでは勝手が違うだろう。それに昨夜は風呂で全部脱がせたし全部着せたじゃないか。何を恥じらう必要がある。童貞か」
「童貞だよ!!!!!!」
 耐え切れず、彼は振り向いて絶叫した。すると、というべきか当然、というべきか、下半身裸の美少女がベッドにちょこんと腰かけている姿が視界に飛び込んできた。真っ白で滑らかな肌、理想的なラインを描く脚、そしてTシャツと太腿の間の極小三角ゾーンの奥の暗がり。この世に救いはないということ、もしくは久野知之という人間は救済の二文字を夢見ることすら能わないのだという単純な事実を、彼は細胞レベルで理解した。そんなわけで、久野は言語未満の何かを口の中で唱えながら音速で向坂の下半身にパンツとズボンを穿かせると、凄まじい勢いで部屋を飛び出しトイレを目指したのだった。



 学校というものはある意味よくできていて、教員も職員も生徒も保護者も、とりあえずあつらえられたトロッコに乗り込み敷かれたレールの上を進んでいれば、それなりに何処かに辿り着き何とかなるものとなっている。一人の生徒が突然女体化してしまっても、なんだかんだでそれなりに何とかなってしまう。それがこの学校というシステムなのだ。しかしここで一つ大きな問題が発生しつつあった。スーパーお坊ちゃま学校にしてウルトラ進学校の七葉学園では誠に遺憾ながらたいへん軽んじられているとはいえ、それでもカリキュラムにはしっかりと組み込まれている、とある教科が存在するのだが――。
「久野、あんまり顔のことは言われたくねえと思うんだけどよ……」
「いつも二、三人バラしたみたいな顔してるけど、今日は二、三人バラした奴をバラしたみたいな顔してるよ、うん」
「何かあったのか? その……向坂と」
 三時間目の授業が終わり、久野の席までやってきた三人組は、それぞれ心配そうな目をした。久野は組長もたじろぎそうなほど凄みのある顔を三人に向け、口許を動かした。
「……ええと……その……」
 凄みのある顔のまま彼が内気な幼女のようにもごもごしていると、後ろの席から軽やかにして邪悪な声がした。
「何もないぞ。少なくとも、僕との間には」
 ゴッドの突然のロゴス投下に、三人はわかりやすく飛び上がり、それから小声で彼に問いかけた。
「マジで?」
「そうなの?」
「本当に?」
 久野は思った。身体だけは美少女のサディスティックゴッドに脱ぎたてのパンツを投げつけられおりものの色と匂いを確認させられたことが何もないというのなら、世の中に事象と呼べるものはほぼ皆無といってよいだろう。
「……ああ。何もない……」
 彼は向坂の言葉を肯定し、自らの精神世界において世の中の事象をほぼ殲滅せしめた。神のロゴスの前では、人は悲しいほどに無力なのである。
「さて、次の授業は体育だ。移動するぞ」
 こうして彼らはぞろぞろと教室を出たのだが、体育館に到着するなり彼らの許に、拡声器を抱えた男がすっ飛んできた。
「向坂君……着替えについてですが……」
 すっ飛んできたのは体育の教科担任白川だった。この白川という教員、体育教師というよりもサナトリウムの病める青年といった外見の男で、常に蚊の鳴くような声で囁くように喋る。そのせいでグラウンドはもちろん体育館でも全く声が通らないのだが、七葉学園の育ちのよい生徒たちにとって体育は文字どおり体を育む授業であり、勉強の息抜きかレクリエーションの一種として認識されていたため、時々拡声器の電池が切れて教員が何を言っているか聞き取れなくても、支障はきたさないのだった。
「……ほかの生徒と同じ更衣室を使うのはよろしくないので、体育準備室を使ってください……鍵はこれです」
 白川はポケットから鍵を取り出して差し出した。向坂はそれを受け取ると、ゴッド特有の全くありがたそうには聞こえないがしかし言われた側は恩寵を与えられたような気持ちになる例の淡々とした調子で、お心遣いありがとうございます、と言い、それから全くありがたそうには聞こえないが恩寵からも遠く隔たった例のただひたすら淡々とした調子で、じゃあ行くぞ久野、と言った。
「やっぱりそうなるよな」
 久野は渋々肯いた。実に悲しい話だが、向坂の着替えには慣れつつある。しかし慣れているのは当人同士だけであって、事情を知らない人間は二人の会話に驚愕した。
「え?」
「え?」
「え?」
「……久野君……ききき君は向坂君と同じところで着替えるつもりなんですか……?」
 三人組と白川が、一様にクエスチョンマークを提示する。久野は慌てた。
「いやあのええと……」
「白川先生。これには正当な理由があります」
 すかさず向坂も参戦する。もちろん久野が窮地に陥ったからではない。自分に不利益が生じるのを避けるためだ。
「僕は健康上の理由により自分一人の力では着替えることができないため、寮では常にルームメイトである久野に手伝ってもらっており、学校でも同様にしたいと考えています。既に冷泉教頭と僕の保護者代理の了承も得ているので問題ないと思うのですが、いかがですか?」
 どうして教頭と狂犬執事の了承については触れるのに、最も重要なはずの俺の了承は話題にしてくれないんだろう、と久野は思った。しかし彼はひどく疲弊していたため、もしかしたらこれは自分自身の日本語能力もしくは論理的思考の問題なのかもしれない、と考えてしまった。そして白川はというと、久野よりは疲弊していなかったためやや冷静だった。
「だったら構いませんが……しかし女性の先生にお願いした方が……」
「残念ながら、それができないため久野に頼んでいるんです」
「そうですか……久野君」
 白川は幸の薄そうな顔を、突然ぐいと久野に近づけた。
「いいですか久野君……わかっていると思いますが……」
「は、はい」
 七葉学園の教員は大きく二つに分けることができる。久野を怖がるか怖がらないかだ。教頭の冷泉やクラス担任の薮内のような、どのような生徒も全て等しく自分の生徒だと考えて接するタイプの教員は後者に属するが、校長や白川のような気弱な人間は前者に属する。しかしいくら気が弱くても、言わなくてはならないことはきっちり言うのが教員である。
「久野君……もしですよ、もしも仮に万が一君が血迷って向坂君に……」
「血迷いませんよ! こっちは命がかかってるんですから!」
 白川が先を続けようとしたので、久野は慌てて遮った。もしもだろうが仮にだろうが万が一だろうが、他人の口からそんなことは聞きたくない。
「……命、というと……?」
「こいつの保護者代理に脅されているんです。もし向坂に何かあったら、まず間違いなく俺はあの狂犬執事の手で東京湾に沈められ、魚の餌にされます」
「なるほど……久野君が行方不明になったら、江戸前は食べない方がいいですね……」
「寿司じゃなくて生徒の心配をしてください」
 やるしかない、というわけだ。仕方なく彼は向坂を連れて体育準備室に入り、相手の身体を直視しないよう意図的に白目を剥きながら制服を引き剥がしてジャージを着せ、そして自らも着替えたのだが、それだけで彼はフルマラソン後のランナーのごとく疲弊した。
「はぁ……ほんとやってられねえよ……」
「同感だ」
「お前、俺の気持ちなんて欠片もわかってねえくせに、よくそんな台詞が吐けるよな……ここまでくると感心するわ……」
「優れた人間に対し素直に感心するのはよい習慣だ」
「うーんもしも願いが叶うなら今すぐ窒素になりたい」
 そんなわけで二人は準備室のドアを開けたのだが、外に出てみると体育館は異様な雰囲気に包まれていた。クラスメイトたちが皆、物凄い勢いで彼らに視線を注いでいるのである。向坂もそれに気づいたのか、随分注目されているな、とコメントした。久野は耳を澄ませてみた。クラスメイトたちの会話が聞こえてくる。
 ……おい久野の顔見てみろよ、すげえ形相だな俺ちびりそう、きっと俺たちが妙な目で向坂のことを見ないように、ああやって視線でわからせてるんだ、さっき一緒に体育準備室に入っていったのも、不心得者が向坂の着替えを覗かないように見張りをしてたんだろう、きっと自分は向坂に背中を向けて着替えが終わるのをじっと待っていたんだろうな、確か久野は向坂と寮で同室だったよな、困ってるルームメイトを助けないわけにはいかなかったんだな、いやあマジで漢の中の漢だわ……。
 久野は動悸息切れ眩暈頭痛胃痛を覚えた。しかし向坂の態度は実にクールだった。いや、本当はクールと形容すべきではないのだろう。恐らく向坂のそれは、度を越したマイペースというやつである。
「久野、お前は同級生から人間性を高く評価されているようだな」
「嬉しすぎて死にそうというか死にたい」
「死ぬのは僕の身体が元に戻ってからにしろ、迷惑だ」
 ここで始業の鐘が鳴った。生徒たちがとりあえず整列すると、何処からか白川が姿を現し、こちらもとりあえずといった様子で拡声器のスイッチを入れた。
「えー……本日は体力テストを行います……二人一組になってお互いに測定しましょう……準備運動が終わったら出席番号順に二列になってください……それでは体育委員は前に出て体操の指揮を……」
 今年もこのパターンかよ、と久野は周囲に合わせて体操をしながら思った。高等部ではクラス替えを行わないシステムがとられており、なおかつ他の生徒の転校・退学・休学等もなかったため、当然のことながら出席番号順で並んで二人一組になると、去年と同じ相手とパートナーになる。そしてちょうど一年前、体力テストで久野とパートナーになり、彼の劣等感をいたく刺激した相手とは、今まさに彼の隣に立って真っ直ぐに前を見ている男(今はガワだけ美少女だが)、向坂縁だった。
 一方、向坂はというと、どうも身体を動かすときに胸が揺れるのが不快であるらしく、少し不機嫌そうな顔をしていた。そして周囲の生徒たちは、久野の威嚇(威嚇していない)が効いたのか、あるいはゴッドの肉体に性的な眼差しを向けることは不敬罪に問われると考えているのか、揺れる胸を視界に入れぬよう誰もが明後日の方向を見て違うことを考えようとしていたため、ただのラジオ体操のはずなのに多くの生徒が身体のバランスを崩して倒れたり首や足や背中が攣ったりしていた。かくして準備運動の段階で大半の生徒が心身共にガタガタのヨレヨレになるという大惨事で始まった体育の授業は、その後も順調に惨事を積み重ねることとなった。
「……ではまずは上体起こしから……開始時と終了時に笛を鳴らしますので、補助側は相手が何回できたかカウントしてください……足が浮かないように、しっかり押さえてあげてくださいね……」
 繰り返すが、七葉学園において体育とは成績評価の対象ではあるものの、実態としてはレクリエーションの一種である。体力テストもやるだけやるという感じで、ウェイな生徒がウェイな仲間同士でウェイウェイと数字を競うためだけに実施されているといっても過言ではないほど、教員からも生徒からも重視されていなかった。だがそれを差し引いても、久野にとって昨年の体力テストはかなり暗い思い出となっていた。
 ~一年前の四月最初の体育の授業~
「ここでも君とか」
 体力テストのパートナーとなった久野を見た向坂は、短い感想を述べた。ここでも、というのは、当時二人が寮で同室になったばかりだからである。ちなみにこのときの向坂は久野のことを紳士的に「君」と呼んでいるが、数日後に久野が胸の谷間が強調された衣装を着用した女性キャラが表紙の全年齢対象のファンタジー漫画を部屋に持ち込んでからは、「お前」に降格処分となった。
「お、おう、よろしくな」
 向坂に話しかけられた久野は、ぎこちなく返事をした。当時、彼は向坂のことをよく知らなかった。もちろん顔と頭の出来が常人離れしており、おまけに実家がとんでもない金持ちであるということは知っていたが、たまに廊下で見かけても、その存在に現実味が感じられなかった。それはルームメイトになってからも同様で、恐ろしく早寝早起きでなおかつ几帳面な性格であり、そして他の生徒とは異なり久野を恐れる素振りを全く見せない肝の据わった男だという新情報が加わった程度で、同じ部屋で寝起きしていても、向坂縁という人間がそこに存在しているような気がしなかった。それはもしかしたら、映画館でスクリーンに映る俳優を眺めているような感覚なのかもしれなかった。
 よろしくと言われた向坂は、遠い異国の空を閉じ込めたような淡い灰色の瞳で、じっと久野を見た。
「こちらこそ」
 あまりにも顔のよすぎる人間に見つめられると、性別問わず緊張するものである。向坂は平均より背が高かったが(高一の四月の時点で一七〇センチあった、もちろん久野よりは低い)、ほっそりとして色が抜けるように白いため、よけい彼をどぎまぎさせた。向坂の視線が自分から離れると、久野はこっそり相手の身体と自分の身体を見比べてみた。わかってはいたが、やはり腕の太さも身体の厚みも全く違う。善良な彼は、自分のようなゴリゴリムキムキのマッチョ体型(不幸なことにただ呼吸しているだけで筋肉が発達してしまう体質なのだ)とペアになったせいで、ミスター・パーフェクトと名高い向坂がプライドを刺激され(よく知らないがお高くとまっている節があるのできっと負けず嫌いだろう)、無理をしないか心配になった。
「じ……自分のペースでやれよ。無理する必要はねえんだから」
 綺麗な横顔にそっと告げる。すると向坂は僅かに眉を上げた。
「――貴重なアドバイスをありがとう」
 それは鼓膜が凍りつきそうなほど冷え切った声だった。
 さて、そうして高等部に入って最初の体力テストが始まったのだが、そこで久野はミスター・パーフェクトというあだ名の本当の意味を思い知らされることとなった。というのも、久野がいくら本気を出しても、全ての項目において向坂が彼の成績を上回るのである。反復横跳び、シャトルラン、持久走、何をやってもまるで勝てない。この結果に久野は愕然とした。俺の筋肉は飾りか、と思いながら肩で息をしていると、彼の成績を記録用紙に記入していた向坂が静かに言った。
「自分のペースでやればいい。無理をする必要はない」
 それは痛烈な皮肉だった。ここで漸く久野は、向坂のことを考えてした自分の発言が逆に相手のプライドを傷つけていたこと、そしてミスター・パーフェクトとは顔と頭と実家の資産のみに適用される表現ではないのだということを、筋肉レベルで悟ったのだった。確かによくよく思い出してみればこの男、中等部の頃から体育祭で活躍していたような気がする(久野もいちおう毎年体育祭には参加していたのだが、こういった行事で主導権を握るスクールカースト上位陣の盛り上がりについていけず、競技中はほぼずっと自分の靴の紐の結び目を見ていたため、いつも自分のクラスの順位すら知らずに終わっていた)。そう、向坂は自身の身長と筋肉を持て余している久野よりもよほど運動神経がよいのだ。もちろん、もしも握力測定があれば、その項目に関してだけは久野も向坂に勝てたかもしれない。しかしお坊ちゃま学校に握力を計測するという発想などなかったため、そもそも握力計自体が存在しなかった。そのため結局のところ体力テストは、久野の惨敗という結果になった。善良かつ多感な彼はひどく恥じ入り、様々な意味で様々な角度から落ち込み、完全に自分が悪いとはいえ向坂に対し若干の苦手意識が芽生え始めたのだが、後日自分が持ち込んだ漫画を巡り向坂から本気で罵倒されると、彼の脳内で向坂縁イコール関わりたくない男という判定が下され、その後二人の間で小さなトラブルが起きるたびに判定はより悪い方へ更新されていき、一年後には現在の向坂縁イコール悪魔という認識に至るのであった。
 ~というわけで現在~
「いやおいちょっと待てよ」
 上体起こしをするため床に寝転がった彼は、そこそこの声量で盛大に独り言を漏らした。
「なんだ?」
「え? あ、いやいや何でもない、気にすんな。ちょっと自分のインナーコアと通信してただけだから」
 怪訝そうな表情で問いかけてくる向坂に対し、久野は適当な台詞を並べて誤魔化した。もちろん、本当にインナーコア(とは)と通信していたわけではない。今年はこのいけ好かないミスター・パーフェクトに勝てるんじゃないか、と考えたのである。精査するまでもなくこの美少女仕様の向坂縁、元の美少年仕様の向坂縁と比較すると身長がだいぶ縮んでいる。筋肉量と体力も、間違いなくかなり落ちている。それはつまり、去年よりも体力テストの成績が大幅に下がるということだ。
「そうか……これで勝てる……初めて勝てるんだ俺は……」
 これまでありとあらゆる点において、久野知之と向坂縁のステータス値には東京ドーム百個分の砂金を流し込んでも埋められない差があった。たとえかりそめのものであったとしても、一度くらいはミスター・パーフェクトに勝ってみたい、というのがあと少しで十七になる少年の素朴な本音であり、そんなわけで、これはもろたで、とわくわくしながら久野は開始の笛が鳴るのを待っていたのだが、しかし人生とはそう上手くはいかないもので、補助兼カウント役の向坂によいしょと足を抱え込まれてから、雲行きは俄然怪しくなった。
「こ、向坂、そんなにぎっちり固定しなくてもいいぞ、爪先に軽く手を添えるくらいで全然構わないから」
 要するに、妙な気分になるから対面で股をおっ広げるな俺の足をお前の細くて柔らかい太腿で挟むな、ということなのだが、しかし自身も(恐らく)童貞であるにも拘らず(間違いなく)誰よりも童貞の気持ちがわからないゴッドにそんな複雑かつ繊細な童貞心理が伝わるわけもなく、向坂は朴念仁を通り越して宇宙人のようなにべもない返事を寄越した。
「さっきしっかり押さえろと教員から指示があった」
 久野は人目もはばからず泣きたくなった。確かにこの数日間、乳首も女性器も嫌というほど見たし触った。が、実際のところこういうなんともいえない微妙なシチュエーションにおける仄かに香る程度のエロティシズムが股間にいちばん悪いのだ。おまけにここは体育館。周りにはクラスメイトが大勢いて、こちらを見ないように努力しつつも我慢しきれず、ちらちらと視線を投げかけてきている。勘弁してくれ俺はこんな状況下で勃起しても平然としていられるほど鉄面皮じゃないんだよ、と思えば思うほど股間に血液が集中しそうになる。
「なあ向坂頼むよ、白川の言ってることなんて無視していいからさぁ」
 すると向坂は視線の温度を二十度ほど下げた。
「この状況において無視されるべきは教員ではなくお前だ」
 これまで数々の暴力的な謎理論をぶちかまし、この世の理を捻じ曲げ続けてきた人間が吐いたものとは思えない、ド直球ド真ん中のド正論だった。その芸術的なまでの正論っぷりに久野の言語中枢は麻痺した。と、そのとき上体起こし開始の笛が鳴り響いた。
「おい、何を寝ている。始まったぞ」
 久野は満身創痍の獅子のような唸り声を上げ、瞼を貝のように固く閉じて自らの視覚を封じると(その方がいくらか興奮せずに済むような気がした)、やり場のない怒り悲しみ苦しみに全身を震わせつつ上体起こしを始めた。しかし悪魔は何処までもマイペースだった。太腿で彼の足を締めつけたまま、言いたいことを口にする。
「ところで久野、一つ訊きたいことがあるんだが」
「い……今じゃなきゃ駄目か?」
「別に後でも構わないが、しかしお前は今暇だろう」
「今まさに腹筋の真っ最中なのが見てわからないか?」
「さっき性器から何かどろりとしたものが出てきた感覚があったんだが、これもおりものというやつなのか」
「キャアアア」
 ここで終了の笛が鳴った。向坂は久野の足を放り出すと、さっさと立ち上がり記録用紙に向かった。
「……な……何回、だった……?」
 肉体疲労ではなく精神疲労でゼェハァしながら久野が問うと、向坂は振り向きもせずに答えた。
「五回だな」
「五回」
「そう、五回だ」
「……一秒あたり?」
「三十秒で五回だ」
「三十秒で」
「そう、三十秒で」
 惨劇と形容してしかるべき数字だった。小学生を遥かに下回る成績にショックを受けて呆然とする彼を、向坂は窒素を見るような目で(先ほどの願いが叶ったのかもしれない)見た。
「何をぼうっとしている。次はお前が押さえる番だ」
 そう言うと、向坂はマットの上に横になった。ふわふわした淡い色の髪が、まるで涙の川に落ちたオフィーリアのそれのように、あるいは女神のベールのように広がる。スポブラで固定しているせいか、胸の形は起きているとき同様、オーストリアの美しい山を思わせる見事な曲線を維持していた。
「僕も自分で数えるが、お前もしっかり補助兼カウント役の務めを果たせよ」
「クライムエブリマウンテン……」
「なんだ? またインナーコアと通信しているのか?」
「全ての山に登れ……」
「もう下山しなくていいぞ」
 体力テストは、まだ始まったばかりだった。
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