告発ゲーム

みにぶた🐽

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第11章 反逆の結束

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ロビーに集まった参加者たちの空気は、これまでとは明らかに違っていた。

奈々が一人で椅子に座る中、他の十人は微妙に距離を保ちながらも、暗黙の了解で彼女を包囲するような形になっていた。

「告発時間を開始します」

機械音声が響くと同時に、美咲が立ち上がった。

「みなさん、話し合いませんか?昨夜の奈々の告白を受けて」

奈々が冷やかに笑った。

「話し合い?何を話すの?あなたたちの言い訳?」

「言い訳じゃない」大輔が眼鏡を直しながら言った。「確かに私たちは橋本美咲さんに対してデジタル犯罪を犯した。それは認める。でも……」

「でも?」

「でも、あなたのやり方は間違ってる」拓海が立ち上がった。「復讐のために俺たちを騙して、ここに連れてきて、殺し合いをさせる。それが正しいことだと思うのか?」

奈々の目が危険に光った。

「正しい?美咲ちゃんを殺したあなたたちが、正しさを語るの?」

「俺たちが悪いことをしたのは事実だ」拓海が拳を握り締めた。「でも、だからって、お前に俺たちを裁く権利があるのか?」

「権利?」奈々が立ち上がった。「美咲ちゃんの親友として、当然の権利よ」

千尋がスマートフォンから顔を上げた。

「でも、あなたも美咲ちゃんを救えなかったって言ったじゃない。だったら、私たちと同じじゃない?」

奈々の表情が歪んだ。

「同じですって?私は最後まで美咲ちゃんの味方だった!」

「味方?」莉子が立ち上がった。「でも、結果的に救えなかった。だったら、あなたも共犯者よ」

沈黙が流れた。

蓮は参加者たちの変化に驚いていた。昨夜までは互いを疑い合っていたのに、今は奈々という共通の敵に対して結束している。

沙織が震え声で言った。

「私たちは確かに美咲さんを傷つけた。でも、それを贖罪する方法は、死ぬことだけじゃないはず」

「そうよ」翔太が続けた。「生きて、美咲さんのために何かをする方法だってある」

奈々が笑った。しかし、その笑いには狂気が混じっていた。

「生きて贖罪?きれいごとね。あなたたちは結局、自分が生き残りたいだけでしょ?」

亮介が威圧的な口調で言った。

「確かに生き残りたい。だが、それの何が悪い?生きることは罪なのか?」

「美咲ちゃんは生きられなかった」奈々の声が震えた。「あなたたちのせいで」

圭が小さな声で言った。

「でも、僕たちが死んでも、美咲さんは戻ってこない。意味がないよ」

「意味がない?」奈々が叫んだ。「復讐に意味がないって言うの?」

「復讐に意味はない」蓮が立ち上がった。「復讐は、ただ悲しみを増やすだけです」

奈々が蓮を睨みつけた。

「あなたに言われたくない。全ての元凶のくせに」

「僕が元凶だということは認めます」蓮が静かに言った。「でも、だからこそ分かるんです。復讐では何も解決しない」

10分が経過した。

参加者たちの議論は続いていたが、誰も端末に触れようとしなかった。

15分が経過したとき、美咲が提案した。

「みんな、決断の時よ。私たちは奈々の復讐ゲームに従うの?それとも……」

「それとも?」大輔が尋ねた。

「奈々を告発する」美咲がはっきりと言った。「このゲームの黒幕を排除する」

参加者たちがざわめいた。

奈々が冷笑した。

「面白いわね。被害者が加害者になろうとしてる」

「私たちはもう被害者じゃない」拓海が言った。「お前の復讐に巻き込まれた、新たな被害者だ」

「そして、あなたは新たな加害者よ」莉子が付け加えた。「私たちを騙して、死に追いやろうとしてる」

奈々の表情が動揺した。

「私は……私は美咲ちゃんのために……」

「美咲さんのため?」千尋が立ち上がった。「本当に美咲さんがこんなことを望んでると思ってるの?」

「美咲ちゃんは優しい子だった」沙織が涙ながらに言った。「きっと、こんな復讐は望んでない」

「だったら、美咲ちゃんは何を望んでるって言うの?」奈々が叫んだ。

翔太が答えた。

「もう二度と、同じような悲劇が起こらないこと」

亮介が続けた。

「俺たちが生きて、美咲の死を無駄にしないこと」

圭が小さく付け加えた。

「そして、美咲さんのことを忘れないこと」

20分が経過した。

奈々は椅子に座り込み、顔を覆った。

「私は……私はどうすればいいの?美咲ちゃんを救えなかった私は……」

蓮が奈々に近づいた。

「奈々さん。僕たちと一緒に生きませんか?美咲さんの死を背負って、でも前向きに」

「前向きに?」奈々が顔を上げた。その目には涙が浮かんでいた。「美咲ちゃんを殺した人間たちと一緒に?」

「そうです」蓮が頷いた。「僕たちは美咲さんを殺した。でも、だからこそ、その責任を一生背負って生きるべきです」

25分が経過した。

参加者たちは、それぞれ端末に手を伸ばし始めた。

「やめて……」奈々が小さく呟いた。

しかし、もう止まらなかった。

一人、また一人と、奈々の名前をタッチしていく。

「奈々:1票」
「奈々:2票」
「奈々:3票」

審判のボーダーラインに到達した。

奈々は立ち上がり、参加者たちを見回した。

「あなたたち……本当に私を告発するの?」

誰も答えなかった。しかし、告発は続いた。

「奈々:4票」
「奈々:5票」

制限時間まで、あと3分。

奈々は蓮を見つめた。

「蓮……あなたも私を告発するの?」

蓮の手が端末の上で震えていた。奈々を告発すべきなのか。彼女も、美咲の死に苦しんでいる被害者の一人なのに。

しかし、同時に、奈々のやり方は間違っている。復讐では何も生まれない。

蓮は奈々の名前をタッチした。

「奈々:6票」

奈々の目から涙が溢れた。

「みんな……美咲ちゃんを忘れないでね……」

制限時間のブザーが鳴った。
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