とある空中大陸の領主サマーチートは側近の人達でしたー

猫々 ねねこ

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◆本編◆

episode.009 祈りを捧ぐのは

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「ロイド、お前の処遇を決めますよ」


ガレスは目の前に立っているロイドを見つめていて、ロイドは憔悴した表情をしながらもガレスを見ている。

ロイド自身も、今までマレーネに自分が操作されていたという自覚を今更ながら得たのだろう。


「はい、どんな事でも受け入れる覚悟は………あ、あります」

「関係の無い人をギルドの敷地に入れ、此処まで大事にしたという自覚を持ったんっすね」


ガレスは軽く息を吐きながらも、煙草を吸いながらロイドの様子を観察している。

元々ロイドは、ガレスの下で働いていた部下でもありガレスからの信頼も得てもいた。
だが、今回の事でガレスからの信頼もギルドからの信用も失ってしまっている。


「本来なら、“島流し”で他の大陸へとお前を追放しないといけない程の案件だ」

「っ……はい」


ロイドは憔悴した表情をしながらも、ガレスを見つめては話をちゃんと聞いているが微かに肩や手が震えていた。


「……だからこそ、ロイド」

「っ……」

「お前は、“島流し”として此処から追放する」

「………はい」

「だが、とある報告でお前は“孤児院”を見捨てずに活動をしてくれていたようっすね」

「!……それは、」


この商人交易都市から少し外れた場所には、教会と一緒にある孤児院が存在していて常に商人ギルドが支援をしていた。

だが、マレーネは金の無駄と言って支援を切っていた。
それを知ったロイドは、影ながらも自分のポケットマネーで孤児院の支援をマレーネにバレないように行っていたのだ。

それについて、事前にガレスの部下の誰かが調査のために教会へと出向きシスターから話を聞いたようだ。


「だから、“島流し”ではなく“同盟場所に設置する商人ギルドのサブマスター”として働いてもらうっす」

「えっ?ど、同盟……ですかっ?」

「そうっすよ?ね、ククルさん」


ガレスは満面な笑顔で顎に組んだ手を置いては、側に居たククルへと向けて話せばククルは少し唖然としていたが軽く笑っていた。


「あー、そういう事ね」

「“開拓ポイント”を此方で買わせていただき、ククルさんの大陸に“商人ギルドの支部”を置かせてもらえますかね?」

「ん、こっちは断然構わないけど……ロイドさんは、それでいいの?」


ククルは固まっているロイドへと話かけると、ロイドは慌てた表情をしながら手をワタワタと動かしていた。


「そ、そ、そんなっ……有難い話ですがっ、ボクは皆さんに迷惑をっ」

「根本的に悪いのは、マレーネって人でしょ?まぁ、ちゃんとした判断が出来なかったロイドさんも悪いけど……一番裁かれるべきなのは、操作を行い勝手な事をしてきたマレーネって人なんだから別に構わないと思うよ」

「っ…」

「相変わらず、マスターは甘いんやからぁ~」


ヴェニタスはククルを後ろから抱きしめては、ククルの頭を優しく撫でているのだがククルはヴェニタスを放置している。


「ロイド、どうするんっすか」

「っ………わかりましたっ、不甲斐ないボクでも役に立てるなら……少しでも役に立ち、少しでも償えるならっ!ボクは、行きますっ!!」


ロイドは覚悟して決めたのか、それとも何かが吹っ切れたのかは分からない。
それでも、強い眼差しで目の前に座っているガレスを見つめていた。

そんなロイドを見ては、ガレスは煙草を灰皿へと押し付けては優しく微笑んでは一枚の書類をロイドへと手渡す。


「商人ギルドのサブマスターとして、ロイドを任命する」

「はいっ!!」


その後は、色々とゴタゴタと忙しかったがククル達は拠点に戻ってくると直ぐに“商人ギルド”を拠点の屋敷の隣に設立させていた。

その際に、商人ギルド本部からスウメイノ部下の人がククルの大陸にある“商人ギルド支部”へと異動してきた。


「ますたぁー、賑やかになりましたね~?」

「そうだねー」

「そういえばガレスさんから、お手紙を預かっていたんですけど」


ノルンがガレスから預かっていた手紙を空間から取り出しては、ククルへと手を渡してククルは受け取り中身を確認する。

それは、一つの頼み事でもあった。


【ククルさんへ】

【突然の手紙を渡して申し訳ないと思っているっす】

【ですが、これはククルさんというよりククルさん達に頼みたい大きな案件とも言えるんっすよ】

【それは、“商人交易都市”としては解決すると凄く助かりますしククルさんにも朗報ともなる事だと思います】


ククルはガレスからの手紙を確認していると、手紙の中には転送石と登録石が入っていた。


【“中立港都市”に、出向いて問題を解決させてきて欲しいんっす】

【彼処には、豊富な資源もあれば情報も得られるし新たな仲間も手に入る良い場所だと思うんっすよ】

【報酬は此方から、現金と“開拓ポイント”の譲渡っす】


ククルは手紙を閉じては、軽く頭を書いてから少しだけ困った表情をしていた。

この案件をガレスが出してくるって事は、その“中立港都市”で起きている問題は面倒事なのは確かだからだ。


「これは、レーヴェとヴェニタスを連れて出向いた方がいいかなぁー……もしかして、なんだけどね~凄く嫌な予感がする……」


ククルが嫌な予感を感じている頃、その“中立港都市”では連日降り続ける大雨によって、作物も育たないのと船も出せない程の“天候の不安定”で都市は殆ど機能をしていない。

そんな中で、一人の赤い髪色にハネっ毛のあるセミロングを軽く束ねていて、少しツリ目のパッチリ目をした幼い少女が泣きながら空を見上げていた。


「……だれか、おにいちゃんを、たすけて、よっ……おねがいっ……だれかぁっ……!!」






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