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第三十三話
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「ど、どうしてこんな小さな国に!」
あからさまにアブリオは動揺している。 周りの貴族たちもざわつき始めた。
「国の大小はモンスターには関係ありません。 国を守るため準備をされることを忠告させていただきに参ったしだい」
「王よ! 早く兵士たち騎士団に防衛の命令と準備を!」
セレネはそういった。
「国...... 守る! どうやって! 兵士たち! 騎士団! 騎士団を呼べ!」
「おそれながら、騎士団や兵士たちでは足りないと存じます」
「なに!?」
「私が仕入れたところ。 このモンスターはかつての魔王ディンプルディが使い魔、グルナードというモンスター」
「グルナード...... 聞いたことがある! 軍隊をひとのみにした巨大なサーペント! そんなものがここに!」
アブリオが真っ青になっている。
「ならば、ここは貴族や王族の方も武器をとり戦うしかありません!」
セレネが会場の皆に伝えた。
「我々が...... そんな化け物と......」
「戦ったことがないのに......」
「そんな死ぬだけではないか」
周囲の貴族たちはあわてふためく。
そのとき、アブリオ王は気づいたようにこちらをにらむ。
「わかったぞ! 貴様、そのようなことをいって我らをはめようとしたのだな! こんなところにそんなモンスターが来るわけがない! なにが目的だ! 我らが逃げたあと財貨でも盗むつもりか!」
そうアブリオはニヤリと笑う。
「ですが、ほら」
俺が指を指すと、窓の外の湖を巨大な影が左右に動いていた。 そして水面から白い巨体を持ち上げた。
「なんだあれは!!」
「でかい!! サーペンドだ!!!」
「グラナード!! 本当にいたのか!!」
貴族たちは次々と逃げだした。
「まて! 私をおいていくな!!」
「お待ちください!! アブリオさま! あなたはこの国の王! 逃げてはなりません! 我らを指揮してください!」
「私は戦ったことなどない。 戦いようがない! 早く逃げねば! どけ!!」
アブリオは人を押し退け城の外へと飛び出し、財産を運ぶように兵士に命じて先に馬車で逃げていった。
「あれが王の責任ね......」
「なんたること! 王が率先して逃げるとは! しかたない! みんな私に続け! すみませんサキミさん力をお貸しください! 我らではあのモンスターは倒せません!」
セレネが懇願した。
「まあ、外へいってみようよ」
城の外に出ると、民たちがすきやカマ、鍋なとをもって集まっていた。
「なにをしているのです! お逃げなさい! ここは騎士団と兵士に任せてください!」
セレネが叫ぶ。
「いやだ! この国は俺たちの国だ! 逃げない! セレネさまが戦うなら俺たちも戦う!」
「そうだ!!」
「おお!! そうだ!!」
「ええ、わたしたちも!」
そう民衆は声をあげた。 セレネは困惑しながら目をつぶり、考える。
「......わかりました。 あなたたちがそういうならば...... ですが、約束を! 我ら騎士団が戦ったあと、あなたたちが戦ってください! 素人では邪魔になります! よろしいですね!」
そう静かに民に告げると、みんながうなづいた。
「サキミさん、我ら騎士団が倒されたら、彼らを先導して逃がしてください。 戦いをみればその恐怖ゆえ逃げることに同意するでしょう」
「わかった......」
「まて!」
そう声がした。 民衆が道を開けると粗末な服を着た大柄な男がたっていた。
「アベル王子!!」
「セレネ、すまなかった。 だがここは私がいく」
アベル王子は剣を抜き進み出ると、セレネは騎士団たちと剣を抜いて湖の方に向かい、白い巨体の前にたちふさがった。
「こい!!」
アベル王子がそう剣を向け、近寄ってきたグルナードにいい放つ。
「断る...... ただの散歩だからな」
そうグラナードがいうと、水面に潜り帰っていった。
「えっ?」
セレネたちは唖然としていた。
「帰ってったな」
「おーい!」
空からディンが風のヴェールで降りてきた。
「もうあやつは帰ってったようだな」
「ああ、王子救出助かった」
「あの王子、助けたら話しも聞かずに出てってしまったわ」
ディンがあきれていった。
そばで民衆が歓声をあげている。
アベル王子はそちらに向かう。
「お前もいけよ」
「私はなにもしてません......」
「向かっていっただろ。 命を懸けてな」
そう俺がいうと、恥ずかしそうにセレネは歓声のわく民衆の方へと歩いていった。
あからさまにアブリオは動揺している。 周りの貴族たちもざわつき始めた。
「国の大小はモンスターには関係ありません。 国を守るため準備をされることを忠告させていただきに参ったしだい」
「王よ! 早く兵士たち騎士団に防衛の命令と準備を!」
セレネはそういった。
「国...... 守る! どうやって! 兵士たち! 騎士団! 騎士団を呼べ!」
「おそれながら、騎士団や兵士たちでは足りないと存じます」
「なに!?」
「私が仕入れたところ。 このモンスターはかつての魔王ディンプルディが使い魔、グルナードというモンスター」
「グルナード...... 聞いたことがある! 軍隊をひとのみにした巨大なサーペント! そんなものがここに!」
アブリオが真っ青になっている。
「ならば、ここは貴族や王族の方も武器をとり戦うしかありません!」
セレネが会場の皆に伝えた。
「我々が...... そんな化け物と......」
「戦ったことがないのに......」
「そんな死ぬだけではないか」
周囲の貴族たちはあわてふためく。
そのとき、アブリオ王は気づいたようにこちらをにらむ。
「わかったぞ! 貴様、そのようなことをいって我らをはめようとしたのだな! こんなところにそんなモンスターが来るわけがない! なにが目的だ! 我らが逃げたあと財貨でも盗むつもりか!」
そうアブリオはニヤリと笑う。
「ですが、ほら」
俺が指を指すと、窓の外の湖を巨大な影が左右に動いていた。 そして水面から白い巨体を持ち上げた。
「なんだあれは!!」
「でかい!! サーペンドだ!!!」
「グラナード!! 本当にいたのか!!」
貴族たちは次々と逃げだした。
「まて! 私をおいていくな!!」
「お待ちください!! アブリオさま! あなたはこの国の王! 逃げてはなりません! 我らを指揮してください!」
「私は戦ったことなどない。 戦いようがない! 早く逃げねば! どけ!!」
アブリオは人を押し退け城の外へと飛び出し、財産を運ぶように兵士に命じて先に馬車で逃げていった。
「あれが王の責任ね......」
「なんたること! 王が率先して逃げるとは! しかたない! みんな私に続け! すみませんサキミさん力をお貸しください! 我らではあのモンスターは倒せません!」
セレネが懇願した。
「まあ、外へいってみようよ」
城の外に出ると、民たちがすきやカマ、鍋なとをもって集まっていた。
「なにをしているのです! お逃げなさい! ここは騎士団と兵士に任せてください!」
セレネが叫ぶ。
「いやだ! この国は俺たちの国だ! 逃げない! セレネさまが戦うなら俺たちも戦う!」
「そうだ!!」
「おお!! そうだ!!」
「ええ、わたしたちも!」
そう民衆は声をあげた。 セレネは困惑しながら目をつぶり、考える。
「......わかりました。 あなたたちがそういうならば...... ですが、約束を! 我ら騎士団が戦ったあと、あなたたちが戦ってください! 素人では邪魔になります! よろしいですね!」
そう静かに民に告げると、みんながうなづいた。
「サキミさん、我ら騎士団が倒されたら、彼らを先導して逃がしてください。 戦いをみればその恐怖ゆえ逃げることに同意するでしょう」
「わかった......」
「まて!」
そう声がした。 民衆が道を開けると粗末な服を着た大柄な男がたっていた。
「アベル王子!!」
「セレネ、すまなかった。 だがここは私がいく」
アベル王子は剣を抜き進み出ると、セレネは騎士団たちと剣を抜いて湖の方に向かい、白い巨体の前にたちふさがった。
「こい!!」
アベル王子がそう剣を向け、近寄ってきたグルナードにいい放つ。
「断る...... ただの散歩だからな」
そうグラナードがいうと、水面に潜り帰っていった。
「えっ?」
セレネたちは唖然としていた。
「帰ってったな」
「おーい!」
空からディンが風のヴェールで降りてきた。
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「ああ、王子救出助かった」
「あの王子、助けたら話しも聞かずに出てってしまったわ」
ディンがあきれていった。
そばで民衆が歓声をあげている。
アベル王子はそちらに向かう。
「お前もいけよ」
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そう俺がいうと、恥ずかしそうにセレネは歓声のわく民衆の方へと歩いていった。
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