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第48話 魂継の儀⑫ 決勝①
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控え室で治療を受けてから僕達は会場に入る。
「さあ決勝戦は、土光薙 神無チーム、対、土光薙 塑有我チーム、どちらかの勝利で当主が決まります! では、両チーム先鋒前へ」
「じゃあいってくる!」
灰が舞台に上がると、対戦相手の背の低い男がにやにやしながら舞台に上がってきた。
「何だ? 俺の顔を見て笑いやがって、お前と会ったこともないが俺を知ってるのか?」
「ああ、よく知ってるよ......お前が生きてるってことは時夜に俺が作った咒宝具のことを教えてやったのに失敗したんだな」
「!? 俺が作った咒宝具! お前まさか、自在《じざい》!」
「そうさ、顔を変えられちまってるがな」
「土光薙に匿われてたのか」
「ああ、お陰で自分の作った咒霊蟲をつけられ、命じられる羽目になったがな」
「いいきみだ。 お前が作った咒具でどれだけの人間が死んだと思ってる!」
「俺は作りたいものを作っただけさ、使う奴がどう使うかなんて知ったことじゃない」
「お前の作るものは人を殺すものばかりで、ほとんどが犯罪者に渡ったんだぞ!」
「当然だ。 使われない道具は意味がないからな」
そう言ってせせら笑った。
「お前が塑有我のチームってことは、他の奴らも犯罪者かよ......」
「さあな、だが俺達のことを知らせるなよ。 この会場には霊力を吸い爆発に変える咒宝具、極炎天《ごくえんてん》を仕掛けたからな。 今頃、ここら一体を塵に変えるぐらいの霊力が貯まっているぜ」
「何だと!?」
「霊力を完全に消せる俺の傑作だ 誰にも見つけられはしない」
「くっ! ......おまえ達を倒せばいいだけだ......」
薄ら笑いを浮かべる自在に灰は構えた。
「先鋒戦、鬼灯 灰、対、土光薙 大黒《だいこく》始め!」
大黒と名乗る自在は術式を唱える。
「火金木水行、大自在天《だいじざいてん》」
自在は肌が黒くなり、それぞれに縄や斧、剣、弓矢、などを持つ八本の腕を生やす。
「馬鹿な! お前にその術式を使える程の力あるはずがない!」
「ああ、確かに俺の霊力では、この術は使えないが、この咒霊蟲から霊力が送られてくるのさ」
灰は天地覆隠で対抗するも金属の体と八本の腕を持つ自在に押されていく。
「くそっ!」
「どうした灰、私を倒さなくていいのか、お前には倒すべき仇であるはずなのだがな」
「何だと! どう言うことだ!」
「かつて、反魂香が火具槌にあると伝えたのは俺だからな、結果お前の兄は時夜を庇って死んだ」
「......お前が......何のために!」
「頼まれたのさ、教えれば監獄から出すとな」
「貴様!」
「クックック、やってみろ、たとえ黒焔刀でもこの体は斬れはしない」
灰は術式を唱える。 信じられないほどの霊力の高まりを感じ、
「やめろ! 灰そんな霊力をつかえば!」
僕は叫んだ。 が灰は止めない。
「火金土水木行、降三世明王《ごうざんぜ みょうおう》!!」
炎を背に八つの腕を持つ体へと変化した灰は、自在に攻撃を行う。 自在は組み合おうとした金属の腕をへし折られた。
「なんだ!? この力は!!」
灰は振り下ろした黒焔刀で、防ごうとした自在の六本の腕を一瞬で斬り裂くと、八本の腕で自在を殴り続けた。
「ぐぎゃあああああ!」
灰が動きを止めるとゆっくり倒れる。 自在は瀕死になっていた。
舞台に上がり皆で灰に近寄った。
「無茶なことを......」
「かなりの傷と霊力が消耗しているな......」
蕈留さんが僕に言うと、僕は気を失った灰を抱き抱えて、医療室に運んでいこうとした。 会場を出ると、
「神無様、灰さんは私たちが運んでおきますから、神無様は会場に......」
そう雅達が声をかけてきた。
「頼むよ......」
灰を託し、僕は会場に戻る。
「......そうか、雅に任せておけば大丈夫だな」
皆に伝えると鍊がそう言う。
「それより......相手は逃亡者だとはな......伝えれば爆破される。 他の奴も同じか」
蕈留さんが答えと、うずめが、
「でもなんで、わざわざそんなこと話したんだろう?」
「わからない......こちらが動揺するように仕向けたのかも......霊力を練るには集中力が必要だから......」
僕が答えた。
「次鋒戦、雪御 うずめ、対、土光薙 犀《さい》前へ」
うずめは審判にそう言われて舞台に上がる。 向こう側から長身の男が上がってきた。
「君も脱獄囚なの......」
「いいや......違う、私は土光薙家に客分として招かれていた。 いや|
匿《かくま》われていたという方が正しいな」
「匿われていた......」
「ああ......私はとあることで追われていてね。 それにしても君が相手とは運命を感じるね」
「!?」
「私の本名は水瀞 通天《みとろ つうてん》だよ。」
「なっ!? 母さんと戦った!」
「ああ、君の母、氷室はかなり強くてね。 悪化 粧と二人がかりでやっと倒せたよ。 まあ悪化は捕まったけどね」
「何のために母さんを......」
「彼女は水瀞家の守護霊獣を守っていた。 私はそれが欲しくてね。 当主である君のお祖父さんに訴えたんだが、貴様は強欲すぎると断られたんだ。 人間が欲を満たすのは当たり前なのにおかしなことだとは思わないかい」
そう悪びれもせず通天はそう言うと、
「お前は絶対許さない!」
うずめはそう言って構えた。
「では、次鋒戦始め!」
両者は術式を唱える。
「式神依身、青龍四肢《せいりゅうしし》」
うずめは手足を青龍化して、かなりの速さで通天の迫り打撃を繰り出す。 通天は攻撃をかわしもせず攻撃を受け続けた。 うずめが、息が上がり後ろに飛び退くと、
「どうした? もう終わりか、私は何のダメージも受けてはいないぞ」
そう言うとニヤリと笑った。
「何なんだ......その体、何度攻撃しても当たってる感触がない......」
「クックック......そう、これが霊獣、犀との融合、霊獣身《れいじゅうしん》だ」
そう笑いながら言うと通天は、
バシャ
と水になって弾けた。 そして水がもぞもぞと集まり馬の体に牛の四肢背中に甲羅を背負う一本の角のある獣となった。
「私はこの咒霊蟲の力で水の霊獣、犀を調伏し、そして今、融合したのだ。最早どんな攻撃も効かない」
「だったら!」
うずめは術式を唱える。
「水土木金行、氷雪陣《ひょうせつじん》!」
舞台が通天ごと全部凍りつく。
「無駄だよ。 全ての水は私の意のまま、たとえ凍らせてもこんな風に......」
そう言うと通天の凍った体がすぐに溶けて液化していき、液体を散弾銃のように高速で撃ちだす。
ピシュ!
うずめは青龍の腕で防ぐが、何発かは体を貫通していった。
「うっ!」
「諦めてくれるなよ......神無以外の者を殺すよう命じられてるからね」
どんどん液弾を撃ち出していく。
「くっ!」
術式を唱える。
「うずめ!」
僕が叫ぶと、うずめは、
「まだだ! こいつだけは僕がやらないといけない! 今なら青龍と同調できる!」
そう叫ぶ。 そして、
「式神依身、青龍身!」
うずめの体は変化していき青い龍のような人型となった。
「馬鹿な!? 式神と融合して龍人になるだと! だが所詮、式神は霊獣の下位互換にすぎない! 私と犀の方が......」
龍人と化したうずめは液弾を簡単にかわし、爪で通天を切り裂くと、
「無駄だ、式神と融合しようが攻撃など私には効かん」
そう言った通天の体は液体になれず、凍りついた。
「な、なぜだ液体になれない!? ......まさか!!」
「そうだ......僕は咒霊蟲を攻撃したんだ......体は液化して攻撃は効かなくても、咒霊蟲は別だ」
通天と犀が別れて、犀は消えていく。
「馬鹿な......私の犀が......」
「お前のじゃない......霊力がなければ......お前なんかに従うわけない」
うずめが前に進むと、
「ひっ!!」
通天は怯えて後ずさる。 その前をうずめは通り舞台を降りてきた。
「通天、戦意喪失......よって勝者うずめ!」
審判がそう宣言すると、観客席から歓声があがった。
「さあ決勝戦は、土光薙 神無チーム、対、土光薙 塑有我チーム、どちらかの勝利で当主が決まります! では、両チーム先鋒前へ」
「じゃあいってくる!」
灰が舞台に上がると、対戦相手の背の低い男がにやにやしながら舞台に上がってきた。
「何だ? 俺の顔を見て笑いやがって、お前と会ったこともないが俺を知ってるのか?」
「ああ、よく知ってるよ......お前が生きてるってことは時夜に俺が作った咒宝具のことを教えてやったのに失敗したんだな」
「!? 俺が作った咒宝具! お前まさか、自在《じざい》!」
「そうさ、顔を変えられちまってるがな」
「土光薙に匿われてたのか」
「ああ、お陰で自分の作った咒霊蟲をつけられ、命じられる羽目になったがな」
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「俺は作りたいものを作っただけさ、使う奴がどう使うかなんて知ったことじゃない」
「お前の作るものは人を殺すものばかりで、ほとんどが犯罪者に渡ったんだぞ!」
「当然だ。 使われない道具は意味がないからな」
そう言ってせせら笑った。
「お前が塑有我のチームってことは、他の奴らも犯罪者かよ......」
「さあな、だが俺達のことを知らせるなよ。 この会場には霊力を吸い爆発に変える咒宝具、極炎天《ごくえんてん》を仕掛けたからな。 今頃、ここら一体を塵に変えるぐらいの霊力が貯まっているぜ」
「何だと!?」
「霊力を完全に消せる俺の傑作だ 誰にも見つけられはしない」
「くっ! ......おまえ達を倒せばいいだけだ......」
薄ら笑いを浮かべる自在に灰は構えた。
「先鋒戦、鬼灯 灰、対、土光薙 大黒《だいこく》始め!」
大黒と名乗る自在は術式を唱える。
「火金木水行、大自在天《だいじざいてん》」
自在は肌が黒くなり、それぞれに縄や斧、剣、弓矢、などを持つ八本の腕を生やす。
「馬鹿な! お前にその術式を使える程の力あるはずがない!」
「ああ、確かに俺の霊力では、この術は使えないが、この咒霊蟲から霊力が送られてくるのさ」
灰は天地覆隠で対抗するも金属の体と八本の腕を持つ自在に押されていく。
「くそっ!」
「どうした灰、私を倒さなくていいのか、お前には倒すべき仇であるはずなのだがな」
「何だと! どう言うことだ!」
「かつて、反魂香が火具槌にあると伝えたのは俺だからな、結果お前の兄は時夜を庇って死んだ」
「......お前が......何のために!」
「頼まれたのさ、教えれば監獄から出すとな」
「貴様!」
「クックック、やってみろ、たとえ黒焔刀でもこの体は斬れはしない」
灰は術式を唱える。 信じられないほどの霊力の高まりを感じ、
「やめろ! 灰そんな霊力をつかえば!」
僕は叫んだ。 が灰は止めない。
「火金土水木行、降三世明王《ごうざんぜ みょうおう》!!」
炎を背に八つの腕を持つ体へと変化した灰は、自在に攻撃を行う。 自在は組み合おうとした金属の腕をへし折られた。
「なんだ!? この力は!!」
灰は振り下ろした黒焔刀で、防ごうとした自在の六本の腕を一瞬で斬り裂くと、八本の腕で自在を殴り続けた。
「ぐぎゃあああああ!」
灰が動きを止めるとゆっくり倒れる。 自在は瀕死になっていた。
舞台に上がり皆で灰に近寄った。
「無茶なことを......」
「かなりの傷と霊力が消耗しているな......」
蕈留さんが僕に言うと、僕は気を失った灰を抱き抱えて、医療室に運んでいこうとした。 会場を出ると、
「神無様、灰さんは私たちが運んでおきますから、神無様は会場に......」
そう雅達が声をかけてきた。
「頼むよ......」
灰を託し、僕は会場に戻る。
「......そうか、雅に任せておけば大丈夫だな」
皆に伝えると鍊がそう言う。
「それより......相手は逃亡者だとはな......伝えれば爆破される。 他の奴も同じか」
蕈留さんが答えと、うずめが、
「でもなんで、わざわざそんなこと話したんだろう?」
「わからない......こちらが動揺するように仕向けたのかも......霊力を練るには集中力が必要だから......」
僕が答えた。
「次鋒戦、雪御 うずめ、対、土光薙 犀《さい》前へ」
うずめは審判にそう言われて舞台に上がる。 向こう側から長身の男が上がってきた。
「君も脱獄囚なの......」
「いいや......違う、私は土光薙家に客分として招かれていた。 いや|
匿《かくま》われていたという方が正しいな」
「匿われていた......」
「ああ......私はとあることで追われていてね。 それにしても君が相手とは運命を感じるね」
「!?」
「私の本名は水瀞 通天《みとろ つうてん》だよ。」
「なっ!? 母さんと戦った!」
「ああ、君の母、氷室はかなり強くてね。 悪化 粧と二人がかりでやっと倒せたよ。 まあ悪化は捕まったけどね」
「何のために母さんを......」
「彼女は水瀞家の守護霊獣を守っていた。 私はそれが欲しくてね。 当主である君のお祖父さんに訴えたんだが、貴様は強欲すぎると断られたんだ。 人間が欲を満たすのは当たり前なのにおかしなことだとは思わないかい」
そう悪びれもせず通天はそう言うと、
「お前は絶対許さない!」
うずめはそう言って構えた。
「では、次鋒戦始め!」
両者は術式を唱える。
「式神依身、青龍四肢《せいりゅうしし》」
うずめは手足を青龍化して、かなりの速さで通天の迫り打撃を繰り出す。 通天は攻撃をかわしもせず攻撃を受け続けた。 うずめが、息が上がり後ろに飛び退くと、
「どうした? もう終わりか、私は何のダメージも受けてはいないぞ」
そう言うとニヤリと笑った。
「何なんだ......その体、何度攻撃しても当たってる感触がない......」
「クックック......そう、これが霊獣、犀との融合、霊獣身《れいじゅうしん》だ」
そう笑いながら言うと通天は、
バシャ
と水になって弾けた。 そして水がもぞもぞと集まり馬の体に牛の四肢背中に甲羅を背負う一本の角のある獣となった。
「私はこの咒霊蟲の力で水の霊獣、犀を調伏し、そして今、融合したのだ。最早どんな攻撃も効かない」
「だったら!」
うずめは術式を唱える。
「水土木金行、氷雪陣《ひょうせつじん》!」
舞台が通天ごと全部凍りつく。
「無駄だよ。 全ての水は私の意のまま、たとえ凍らせてもこんな風に......」
そう言うと通天の凍った体がすぐに溶けて液化していき、液体を散弾銃のように高速で撃ちだす。
ピシュ!
うずめは青龍の腕で防ぐが、何発かは体を貫通していった。
「うっ!」
「諦めてくれるなよ......神無以外の者を殺すよう命じられてるからね」
どんどん液弾を撃ち出していく。
「くっ!」
術式を唱える。
「うずめ!」
僕が叫ぶと、うずめは、
「まだだ! こいつだけは僕がやらないといけない! 今なら青龍と同調できる!」
そう叫ぶ。 そして、
「式神依身、青龍身!」
うずめの体は変化していき青い龍のような人型となった。
「馬鹿な!? 式神と融合して龍人になるだと! だが所詮、式神は霊獣の下位互換にすぎない! 私と犀の方が......」
龍人と化したうずめは液弾を簡単にかわし、爪で通天を切り裂くと、
「無駄だ、式神と融合しようが攻撃など私には効かん」
そう言った通天の体は液体になれず、凍りついた。
「な、なぜだ液体になれない!? ......まさか!!」
「そうだ......僕は咒霊蟲を攻撃したんだ......体は液化して攻撃は効かなくても、咒霊蟲は別だ」
通天と犀が別れて、犀は消えていく。
「馬鹿な......私の犀が......」
「お前のじゃない......霊力がなければ......お前なんかに従うわけない」
うずめが前に進むと、
「ひっ!!」
通天は怯えて後ずさる。 その前をうずめは通り舞台を降りてきた。
「通天、戦意喪失......よって勝者うずめ!」
審判がそう宣言すると、観客席から歓声があがった。
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