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第十五話『歪んだ国と沈黙の審問騎士団──腐敗の地アスワルドへ』
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「ここが、アスワルドか......」
アスワルドの町、デオリアにきていた。 そこは歓楽街のようで、酒場や怪しげな店が連なる。 道のあちこちに浮浪者がいてねていた。
「あまりいい町じゃなさそうだ」
「ええ、アスワルドは貧富の差が激しく、ここも貧しいものたちが集まりできた町だときいてるですの」
「なるほどな。 それゆえ歓楽街とかしたのか」
「貧しいものが多いと、人の欲のタガが外れやすくなり、人の欲望を満たす商売が多くなるのは道理ですの」
そう悲しげにメルディ姫が顔を伏せる。
「それはお主の国とて同じであろう?」
「違う! 少なくとも父上はそれをよくないと知ってるですの。 でも国防にも政治にもお金がかかるのですの。 ですから、魔力技術をもつ巨大な商人ギルドの影響は無視できないのですの......」
(そういえば城は泊まったホテルよりも質素だったな。 王様でもコントロールが利かないほど商人たちの影響が強いのか)
「それでもここまでの差は、我が国ではみられないですの」
「確かにここまで荒れてはなかったな」
「この国で、本当に魔力消費が行われているか、調べないと...... 情報を手に入れないと」
「ならば、酒場だな!」
ぼくたちが酒場に入ると普通につまみ出された。
「なんなんだ!! 客だぞ!」
「そうですの! 話もきかずにつまみなんて!」
「まあ、子供ですし、むしろ良心的ですよ。 とはいえ、このままだと情報をえることもできないな。 あそこにいきますか」
「ん?」
「なんですの?」
「なるほどの、冒険者の依頼で遺跡か」
「ええ、冒険者ギルドは各国にありますから、依頼を受ければ調べることができます」
「ほう、なかなかやりますですの」
ぼくたちは依頼を受けにいった。
「えっ? 遺跡関係の依頼はない!?」
「はい...... アスワルド国からの命で、すべての遺跡への入場は禁止されています」
ギルドの受付の男性がそういった。
(やはり、研究や利用しているからか......)
「ふむ、なれば複数の冒険者の参加する一番報酬の高いものを教えてくれ」
「高いものですか! は、はい、少々お待ちください」
ぼくたちは依頼をうけた。
「いいんですかディルさま? いま依頼なんて受けている暇なんてあるんですか?」
「うむ他の冒険者から情報をえるのだ。 高い報酬のものほど、詳しい情報を持っておる優秀な冒険者と知り合えるはずだ」
「なるほど、ただの小娘ではなかったですの」
「誰がただの小娘だ!」
「まあまあ」
(知力2のわりには考えているな)
「依頼は明後日です。 今日は休息をとりましょう」
ぼくたちはその日、宿で休むことにした。
依頼の日、ぼくたちは森へときていた。
「ラウセルだ。 今日はこのパーティーのリーダーをつとめる」
大柄な男は巨大な戦斧をせおっている。
「クレーゼだ」
剣を二本、腰にさした長身の男だ。
「リキータよ」
弓を持った女性がそう静かにこたえる。
「まあ、あんたらは有名な冒険者だからいいけどよ。 そっちのガキどもはなんだよ。 命がかかってるんだ。 子守りは勘弁してほしいぜ」
クレーゼがこちらをみてヘラヘラ笑いながら皮肉をいう。
「なんだと!」
「あのものに魔法は放ってよろしいですの?」
「待ってください! なかまですよ!」
「そのものたちは大丈夫だ。 ルバレスでは有名な冒険者だ。 カレンの仲間でパープルモールをやったらしい」
「あのカレンの仲間!? パープルモールをこいつらが......」
クレーゼが驚いて言葉を失った。
「カレンをしっておるのか?」
「ああ、まだルーキーながら軍が必要なモンスターと、言い寄る男をことごとく倒して【アマゾネスエンプレス】の異名をもつ。 冒険者ならしらないものはいない」
そうラウセルはいった。
(カレンはそんなに名前がしられてるのか)
「それでラウセルさん、今日の依頼を詳しく教えていただけませんか」
「ああ、この森にでる巨大なムカデ、ルートセンティピードを討伐するのが依頼だ。 たまに畑を荒らし回るんだ。 昔から飢餓の原因になる」
「国からの兵士は派遣はないのですの?」
「ええ、昔から国はモンスターなどはほったらかしよ。 これは町のものたちの共同依頼なの」
リキータが眉をひそめいう。
(どうやら、国民のことなど興味もないようだ......)
「本当にろくでもない国だな。 よく反乱が起こらんな」
「審問騎士団がいるからな。 奴らに悪口をいっているのでもみつかれば一族郎党、隔離されて強制労働だ」
クレーゼがあきれたようにいった。
「審問騎士団?」
「この国に反抗するものを調べとらえるものたちだ」
「それで国の不満を押さえ込んでいるのか。 だがそんなことをすればいずれ瓦解し国が滅びかねんぞ」
「そうだな。 実際に国民の反乱によって落ちた国もある」
「ミルソダス......」
メルディはそうつぶやいた。
「ええ、でもそのあと、権力争いで混乱してるわ」
(まあ、そうだろうな。 国を倒すまではいいけど、そのあとのことなんか考えていないから、それぞれ勝手なことをするだろうな。 メルディ姫は自分の国のことを考えているのか)
ぼくはそんなことを思いながらあるいた。
アスワルドの町、デオリアにきていた。 そこは歓楽街のようで、酒場や怪しげな店が連なる。 道のあちこちに浮浪者がいてねていた。
「あまりいい町じゃなさそうだ」
「ええ、アスワルドは貧富の差が激しく、ここも貧しいものたちが集まりできた町だときいてるですの」
「なるほどな。 それゆえ歓楽街とかしたのか」
「貧しいものが多いと、人の欲のタガが外れやすくなり、人の欲望を満たす商売が多くなるのは道理ですの」
そう悲しげにメルディ姫が顔を伏せる。
「それはお主の国とて同じであろう?」
「違う! 少なくとも父上はそれをよくないと知ってるですの。 でも国防にも政治にもお金がかかるのですの。 ですから、魔力技術をもつ巨大な商人ギルドの影響は無視できないのですの......」
(そういえば城は泊まったホテルよりも質素だったな。 王様でもコントロールが利かないほど商人たちの影響が強いのか)
「それでもここまでの差は、我が国ではみられないですの」
「確かにここまで荒れてはなかったな」
「この国で、本当に魔力消費が行われているか、調べないと...... 情報を手に入れないと」
「ならば、酒場だな!」
ぼくたちが酒場に入ると普通につまみ出された。
「なんなんだ!! 客だぞ!」
「そうですの! 話もきかずにつまみなんて!」
「まあ、子供ですし、むしろ良心的ですよ。 とはいえ、このままだと情報をえることもできないな。 あそこにいきますか」
「ん?」
「なんですの?」
「なるほどの、冒険者の依頼で遺跡か」
「ええ、冒険者ギルドは各国にありますから、依頼を受ければ調べることができます」
「ほう、なかなかやりますですの」
ぼくたちは依頼を受けにいった。
「えっ? 遺跡関係の依頼はない!?」
「はい...... アスワルド国からの命で、すべての遺跡への入場は禁止されています」
ギルドの受付の男性がそういった。
(やはり、研究や利用しているからか......)
「ふむ、なれば複数の冒険者の参加する一番報酬の高いものを教えてくれ」
「高いものですか! は、はい、少々お待ちください」
ぼくたちは依頼をうけた。
「いいんですかディルさま? いま依頼なんて受けている暇なんてあるんですか?」
「うむ他の冒険者から情報をえるのだ。 高い報酬のものほど、詳しい情報を持っておる優秀な冒険者と知り合えるはずだ」
「なるほど、ただの小娘ではなかったですの」
「誰がただの小娘だ!」
「まあまあ」
(知力2のわりには考えているな)
「依頼は明後日です。 今日は休息をとりましょう」
ぼくたちはその日、宿で休むことにした。
依頼の日、ぼくたちは森へときていた。
「ラウセルだ。 今日はこのパーティーのリーダーをつとめる」
大柄な男は巨大な戦斧をせおっている。
「クレーゼだ」
剣を二本、腰にさした長身の男だ。
「リキータよ」
弓を持った女性がそう静かにこたえる。
「まあ、あんたらは有名な冒険者だからいいけどよ。 そっちのガキどもはなんだよ。 命がかかってるんだ。 子守りは勘弁してほしいぜ」
クレーゼがこちらをみてヘラヘラ笑いながら皮肉をいう。
「なんだと!」
「あのものに魔法は放ってよろしいですの?」
「待ってください! なかまですよ!」
「そのものたちは大丈夫だ。 ルバレスでは有名な冒険者だ。 カレンの仲間でパープルモールをやったらしい」
「あのカレンの仲間!? パープルモールをこいつらが......」
クレーゼが驚いて言葉を失った。
「カレンをしっておるのか?」
「ああ、まだルーキーながら軍が必要なモンスターと、言い寄る男をことごとく倒して【アマゾネスエンプレス】の異名をもつ。 冒険者ならしらないものはいない」
そうラウセルはいった。
(カレンはそんなに名前がしられてるのか)
「それでラウセルさん、今日の依頼を詳しく教えていただけませんか」
「ああ、この森にでる巨大なムカデ、ルートセンティピードを討伐するのが依頼だ。 たまに畑を荒らし回るんだ。 昔から飢餓の原因になる」
「国からの兵士は派遣はないのですの?」
「ええ、昔から国はモンスターなどはほったらかしよ。 これは町のものたちの共同依頼なの」
リキータが眉をひそめいう。
(どうやら、国民のことなど興味もないようだ......)
「本当にろくでもない国だな。 よく反乱が起こらんな」
「審問騎士団がいるからな。 奴らに悪口をいっているのでもみつかれば一族郎党、隔離されて強制労働だ」
クレーゼがあきれたようにいった。
「審問騎士団?」
「この国に反抗するものを調べとらえるものたちだ」
「それで国の不満を押さえ込んでいるのか。 だがそんなことをすればいずれ瓦解し国が滅びかねんぞ」
「そうだな。 実際に国民の反乱によって落ちた国もある」
「ミルソダス......」
メルディはそうつぶやいた。
「ええ、でもそのあと、権力争いで混乱してるわ」
(まあ、そうだろうな。 国を倒すまではいいけど、そのあとのことなんか考えていないから、それぞれ勝手なことをするだろうな。 メルディ姫は自分の国のことを考えているのか)
ぼくはそんなことを思いながらあるいた。
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