神に召喚された“願望”、僕は異世界を修正する

曇天

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第十四話『知力3の姫と魔法特訓!だけど願っただけでは光らない』

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「姫を助けてくれて本当に感謝する」

 そう王様は頭を下げる。

「それでその装置というのは......」

 そうきくリヴァルドさんにぼくが説明した。

「......魔力でアンノーンとやらを作り出すというのか。 回収に向かわせたが、そんなものがあるとはな...... それで魔力が高い姫を生け贄にしようとしたのか。 ギルフェドという男、君たちから聞いた風体をもとに捜索してはいる」

 リヴァルドさんは考え込んだ。

「ギルフェドまあまあいい男だったわ」

「ふむ、まあまあよかったな」 

(そういや、魔力を魅力に移動したんだったっけ?)

「王様、なにか大量の魔力消費に関して知っていることはありませんか?」

「そうだな。 近年、魔力技術の発達で魔力を使った装置が増えておる。 古代の技術を復元したものが主だ。 それで貧富の差も激しくなってしまったがな」

 王は眉をひそめた。

「......だがそれほどの魔力を消費する技術はこの国にはないだろうな。 考えられるなら、軍事等だとおもう。 隣国のアスワルドなど近年、そういう技術を手に入れようとしているという」

 リヴァルドさんがそういった。

「アスワルドか...... もうすこし、情報が入ればよかったけど、この二人が話もきかず倒したから」

「あ、あれは峰打ちよ!」

「そうだ! 峰打ちだ!」

「両刃の剣に峰なんてないですよ! おもいっきり振りかぶって! どっちにしろやるつもりだったでしょ!」

「ふっ、まったく、おろかな小娘ですの」

 そうメルディ姫がほくそえむ。

「なんだと! このアホの姫が! わらわは聖女だぞ!」

「なんですの! あなたよりましですの!」

 またディルさまとメルディ姫がほほを引っ張りあっている。

「これこれ、やめなさいメルディ。 はぁ」

 王様がため息をついた。

(知力3の姫、王様の心中察するにあまりあるな)

「それで君たちはどうするのだね?」

「魔力消費の原因を探らないと、この世界に多大な影響があります」

「そうだ。 最悪この世界から魔力がなくなる」

「聖女さまがそうおっしゃるならそうなのでしょうな。 わかりました。 我らもその原因調べておきましょう」

 そう王様も約束してくれた。


「ふははっ、これで当面の生活費はなんとかなろう」

 ディルさまは王様がくれたお金の袋を大事そうに抱えている。 ぼくたちは馬車にのり、隣国のアスワルドへと向かっていた。

「でも、またカレンがいないんですよ」

「しかたなかろう。 あのアホ姫の護衛で残っておるのだ。 また狙われかねん」

「誰がアホ姫ですの!」

 そう荷台の荷物からメルディ姫が顔をだした。

「なっ、姫様!? なんでここに!」

「私も王家のものとして魔力消費の原因を調べるですの! もしかしたら国に関わることですの!」

「やめとけ、そなたに手におえるものではない」

「なにいってるですの。 私は魔法が使えるですの。 あなたより役に立つですの」

「魔法...... そういえば魔力がかなり高かったですね」

「へぇ、私の才能に気づくとはただのボンクラではなさそうですの」

「でも、お帰りください」

「なんでですの!」

「当たり前だ。 お主狙われておったであろう? 捕まればアンノーンとやらのエサにされるぞ」

「ふん、あの時は虚をつかれただけ、くるとわかっているなら私の魔法で吹き飛ばして差し上げますの」

 そう姫は自信満々にいった。

(魔法か...... 確かぼくも魔力はあったな。 もしかしたら使えるかもしれないな)

「姫、魔法を教えてくださるなら、保護するものがくるまで一緒にいっても構いません」

「本当ですの! わかりましたですの。 お教えしますですの」

「本気か! 魔法ならばわらわが教えるぞ!」

「ディルさまは魔法はつかえないでしょ」

「ぬう......」

「早速ですが、魔法はどうなってつかうんですか?」

「まず、魔力とは願いの力、それを集めて願いの事象を起こすそれが魔法ですの」

「そんなことはわかっておる」

「だったら使ってみなさいですの」

「くぅ! みておれ! 奇跡を見せてやろうぞ!」

 ディルさまはむきになって言う。

「やめてください! 消えてしまいますよ! それで具体的にどうすればいいのですか姫?」

「魔力を集めて、起こしたいことをイメージするですの。 私は言葉でイメージを補強するですの。 みてて」

 ーー光よ、その身を照らし、わが前に輝きをあらわせーー

 姫がそうつぶやくと、光の球体が目の前に浮遊する。

「これが魔法...... イメージか」

「私は炎と光の魔法が使えるですの」

「くくっ、たった二つか」

「ひとつも使えない人にいわれたくないですの!」

 ーー光よ、その身を照らし、わが前に輝きをあらわせーー

「......なにも起こらない」

「当然ですの。 私だって毎日毎日、練習してやっとつかえるようになったんですの。 魔法は誰でもすぐにつかえるものではないですの。 だから魔力技術が発展したですの」

「なるほど、みんながつかえるものとして普及したのか」

 ぼくは繰り返しやってみたが、魔法はつかえなかった。
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