45 / 52
第四十五話「実体分身と魔剣の嵐、グレンザとの死闘」
しおりを挟む
「どうやら、この兵士はただの人間ではないですね......」
「どういうことだいダンジョンさん?」
大勢のローブをきたものたちは人間の魔力ではなかった。
「ふむ、つまり何かゴーレムか人形のようなものか...... どうやら二人とも闇魔法を使っているようだ。 ただそういうものならジェスカたちマーマンや獣人たちでなんとかなるだろう」
「ええ、多数が一挙には入らないように、部屋の入り口を分けてジェスカたちが迎撃しやすいようにしています」
「なら問題はこっちだね。 グレンザとリビラジス、どうだいできたかな」
「ええ、大勢の兵士と分断しました。 ただ二人は一緒にきていますね」
「それなら同じ部屋にはいったら分断しよう。 ユグナくん私のサポートを頼むよ」
「う、うん! 頑張るよ師匠」
ぼくたちは大きな階層へとでた。
むこうから老婆と剣士がやってくる。
「おや、その姿、リステンドかい? まさかあんたが生きていたとはね...... どうやらここに魔核石があるのは間違いないようだね」
老婆があせることもなくそういうと、大柄な眼帯の剣士は背中から巨大な剣をぬく。
「なるほど、グリバラたちがいなくなったのはお前の仕業か」
「七賢者、あなた方はなにをしようとしてるんだい? 昔からこそこそと画策していたようだけど、私を殺して魔核石を手に入れようとしてたんだから」
「ふふっ...... 私たちはもう終わるこの世界より、次の世界に命を繋がないといけないのさ。 邪魔はよしとくれ」
「左様、お前は死んだ身、現世には関係がなかろう」
「それを君がいうかね。 ダンジョンさん!」
「はい!!」
ぼくは伸縮して飛ぶとグレンザに向かった。
「ぬうっ!!!」
グレンザは剣を振るう。 それを小手でうけ、そのままグレンザをつかむとふって飛ばす。 グレンザは地面を転がった。
「よし!! ミミックさんあとは頼みます!」
「ああ、任せたまえ!!」
下から壁がせりあがり部屋をわかった。
「ふっ、なるほど、我らを分断したか......」
グレンザが剣を地面に差し、立ち上がる。
「だが、一人で我ら七賢者と戦えると......」
グレンザから黒い魔力の霧が立ちのぼり、それは地面に落ちると10人のグレンザへと姿を変えた。
「なっ!! 幻覚か!!」
伸縮して一人にぶつかる。 吹き飛ばすが、横にきたグレンザに剣で切りつけられなんとか小手でうける。
ガキッ!!
(なんだ!! 本物!?)
「うわっ!!」
すごい力で吹き飛ばされ地面にはねると、次々とグレンザが迫る。
(どれが本物だ...... さっき吹き飛ばしたやつも感触はあった)
小手で剣をうけると、右のグレンザから剣がなぎはらわれた。
(これは!?)
かわす、そして左のグレンザが剣を縦に振り下ろした。
ガキッ!!! その衝撃で床の石がさけた。
「ぐっ!! なんだこれは全部実体か!!」
「くくくっ、そうだ。 我は全てが実体......」
10人のグレンザが大剣で迫ってきた。 何度も小手や鎧を切りつけられる。
(くそっ! 強い! この剣、何て切れ味だ! この鎧や小手じゃなかったら、痛みで意識を失ってる!)
「その鎧...... 大したものだ。 この空間すら切り裂く魔法剣【ザウガースト】で切れないとはな。 だが傷はうける。 時間の問題だな」
(そう...... これ以上のダメージは意識が保てなくなる。 勝負を決めないと)
「お前たちは何のために魔核石を使っている。 この世界が終わるならそんなことをしても無駄だろう」
「......我らはこの世界より次の世界に向かう」
(次の世界......)
「転生か......」
「まあそんなところだ。 お前たちはもはやこの世界と共に死ぬ...... 我らは次代に知識をもたらさねばならぬ」
「勝手なことを」
「それが運命というものだ。 運命は抗っても無駄...... お前たちの滅びは決まったこと、お前がここで死ぬのも確定した未来」
そういうとグレンザたちはぼくの周りを囲み、剣を構えた。
「それなら抗わせてもらう......」
「なに、地面が!!?」
地面が波のようにうねるとぼくと同じ体が10体現れた。
「なんだと、幻覚!!」
それぞれがグレンザと対峙する。
「いやちがう! 我と同じ......」
「そうだ。 全てが実体...... ここはぼくの中なんだよ」
全員のぼくが体を収縮する。
「貴様なんだ! なんなんだ!!?」
「ぼくか、ぼくはこのダンジョンそのものだ!!」
「なっ......」
一斉に収縮を解放したぼくは、巨大な弾丸のように周囲の空気を切り裂いて、グレンザ全てにぶつかる。
「がはっ!!」
グレンザの受けようとした剣は小手から伸ばした刃によって折れ、全てのグレンザを壁へとめり込ませた。
「どういうことだいダンジョンさん?」
大勢のローブをきたものたちは人間の魔力ではなかった。
「ふむ、つまり何かゴーレムか人形のようなものか...... どうやら二人とも闇魔法を使っているようだ。 ただそういうものならジェスカたちマーマンや獣人たちでなんとかなるだろう」
「ええ、多数が一挙には入らないように、部屋の入り口を分けてジェスカたちが迎撃しやすいようにしています」
「なら問題はこっちだね。 グレンザとリビラジス、どうだいできたかな」
「ええ、大勢の兵士と分断しました。 ただ二人は一緒にきていますね」
「それなら同じ部屋にはいったら分断しよう。 ユグナくん私のサポートを頼むよ」
「う、うん! 頑張るよ師匠」
ぼくたちは大きな階層へとでた。
むこうから老婆と剣士がやってくる。
「おや、その姿、リステンドかい? まさかあんたが生きていたとはね...... どうやらここに魔核石があるのは間違いないようだね」
老婆があせることもなくそういうと、大柄な眼帯の剣士は背中から巨大な剣をぬく。
「なるほど、グリバラたちがいなくなったのはお前の仕業か」
「七賢者、あなた方はなにをしようとしてるんだい? 昔からこそこそと画策していたようだけど、私を殺して魔核石を手に入れようとしてたんだから」
「ふふっ...... 私たちはもう終わるこの世界より、次の世界に命を繋がないといけないのさ。 邪魔はよしとくれ」
「左様、お前は死んだ身、現世には関係がなかろう」
「それを君がいうかね。 ダンジョンさん!」
「はい!!」
ぼくは伸縮して飛ぶとグレンザに向かった。
「ぬうっ!!!」
グレンザは剣を振るう。 それを小手でうけ、そのままグレンザをつかむとふって飛ばす。 グレンザは地面を転がった。
「よし!! ミミックさんあとは頼みます!」
「ああ、任せたまえ!!」
下から壁がせりあがり部屋をわかった。
「ふっ、なるほど、我らを分断したか......」
グレンザが剣を地面に差し、立ち上がる。
「だが、一人で我ら七賢者と戦えると......」
グレンザから黒い魔力の霧が立ちのぼり、それは地面に落ちると10人のグレンザへと姿を変えた。
「なっ!! 幻覚か!!」
伸縮して一人にぶつかる。 吹き飛ばすが、横にきたグレンザに剣で切りつけられなんとか小手でうける。
ガキッ!!
(なんだ!! 本物!?)
「うわっ!!」
すごい力で吹き飛ばされ地面にはねると、次々とグレンザが迫る。
(どれが本物だ...... さっき吹き飛ばしたやつも感触はあった)
小手で剣をうけると、右のグレンザから剣がなぎはらわれた。
(これは!?)
かわす、そして左のグレンザが剣を縦に振り下ろした。
ガキッ!!! その衝撃で床の石がさけた。
「ぐっ!! なんだこれは全部実体か!!」
「くくくっ、そうだ。 我は全てが実体......」
10人のグレンザが大剣で迫ってきた。 何度も小手や鎧を切りつけられる。
(くそっ! 強い! この剣、何て切れ味だ! この鎧や小手じゃなかったら、痛みで意識を失ってる!)
「その鎧...... 大したものだ。 この空間すら切り裂く魔法剣【ザウガースト】で切れないとはな。 だが傷はうける。 時間の問題だな」
(そう...... これ以上のダメージは意識が保てなくなる。 勝負を決めないと)
「お前たちは何のために魔核石を使っている。 この世界が終わるならそんなことをしても無駄だろう」
「......我らはこの世界より次の世界に向かう」
(次の世界......)
「転生か......」
「まあそんなところだ。 お前たちはもはやこの世界と共に死ぬ...... 我らは次代に知識をもたらさねばならぬ」
「勝手なことを」
「それが運命というものだ。 運命は抗っても無駄...... お前たちの滅びは決まったこと、お前がここで死ぬのも確定した未来」
そういうとグレンザたちはぼくの周りを囲み、剣を構えた。
「それなら抗わせてもらう......」
「なに、地面が!!?」
地面が波のようにうねるとぼくと同じ体が10体現れた。
「なんだと、幻覚!!」
それぞれがグレンザと対峙する。
「いやちがう! 我と同じ......」
「そうだ。 全てが実体...... ここはぼくの中なんだよ」
全員のぼくが体を収縮する。
「貴様なんだ! なんなんだ!!?」
「ぼくか、ぼくはこのダンジョンそのものだ!!」
「なっ......」
一斉に収縮を解放したぼくは、巨大な弾丸のように周囲の空気を切り裂いて、グレンザ全てにぶつかる。
「がはっ!!」
グレンザの受けようとした剣は小手から伸ばした刃によって折れ、全てのグレンザを壁へとめり込ませた。
0
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる