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第五話
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サクトたちはゴブリンの王、ゴブリンキングから逃げてこの場所に居住していたという。
「逃げたものたちを殺すために、兵を送ってきたってこと?」
「はい...... ゴブリンキングは我ら弱いゴブリンたちを奴隷としていました。 それからいくつかの部族はそこから逃げて集落を作ったのです。 しかし見つかってしまい、なんとか応戦したのですが......」
そういってサクトは言葉につまる。
(それで数人...... 筋肉質なゴブリンも死んでいたのか。 あれがゴブリンキングが放った兵隊なんだな)
『そのゴブリンキングは負の力の方が強いのでしょう。 そういう負の力が強い多くの亜人やモンスターは好戦的で、他者を支配したりします』
(なるほど...... それなら交渉も無駄か)
「でも追い払ったんだよね」
「いいえ、あれは数名の偵察部隊でしょう。 ゴブリンに限らず亜人やモンスターは凶暴で好戦的なものが多いのです。 次は本隊がやってくる。 さっきの戦いで武器も失い、もう守ることもできません」
「逃げたのはサクトたちだけなの?」
「いいえ、いくつかの部族はキングの支配をいやがり、逃げました。 そのものたちのところに助けをもとめ、コゴルを向かわせたのです」
「コゴル...... ああ、あの倒れていたゴブリンのことか......」
「このままでは皆殺されてしまいます! なにとぞ御慈悲を賜りたい!」
そうサクトは懇願する。 断りたいが気になって、ここの状況を聞いた。
「ここのゴブリンは40人か...... 女子供もいる。 どうやって逃げる...... 人間たちに助けを求められないの?」
「彼らは我らをモンスターと呼び攻撃してきますゆえ......」
「だな。 だったら町にはつれて行けないな。 森の中じゃ結局みつかるし...... その前ににげきれない。 精霊ちゃん、なにか方法はない」
『そうですね。 やはり戦うしかないと思います』
(いや、戦いようもないよ。 相手のゴブリン数人に数倍は殺されてる。 多分戦いなれてない。 仮に武器を直しても戦えるとは思えない)
『外にでてみてください』
「外?」
言われて家から外にでると、多くのゴブリンたちがすがるようにこちらをみている。
(おれがほっとくと、このゴブリンたちはどうなるかな)
『まず皆殺され食べられるか、よくて奴隷でしょうね。 あそこ、そのゴブリンがもっているやつです』
そういわれてゴブリンをみると、その手に壊れたボウガンをもっていた。
(ボウガン...... 矢を乗っけて引き金を引くだけか。 これなら戦闘技術がなくてもやれるかも)
「ねえサクト、ボウガンってほかにあるの?」
「いえ、あのひとつだけです。 森に落ちていたのを修理して使えるようにしただけもので......」
(じゃあ使うのは無理か......)
『いえ、あなたの能力なら可能ですよ。 お金を複製しようしたでしょう』
「えっ? あっ! そうか!」
ゴブリンからそのボウガンを借りる。
「これをばらして、おのおのを復元すれば」
『ええ、ただ、存在しない部分を創造した場合、かなりの力を消費します。 それをよく考えてください』
「......だね。 ただ試すだけはやっでみよう」
おれはボウガンを剣で切り、四つに分けた。
「【創造】《クリエイト》」
すると、四つのボウガンになった。
「おお!! 割れたものから新しいボウガンが!!」
「ウオウ!」
サクトとゴブリンたちから驚きの声があがった。
「ふぅ、なんとか増やせた。 あれ? そんなつかれてない」
『もしかしたら、ゴブリンたちがあなたを信じたいという力が、魔力となっているのかもしれませんね』
(なるほど! 信頼が増して神の力が増えたのか! それならボウガンの複製はできるな!)
それからおれはボウガンと矢を大量に複製した。
「ふう、さすがにこの数だとつかれるな...... みんなにこれをもたせれば戦いが苦手でも戦えるはず」
おれはみんなを集め、ボウガンを持たせる。
「確かに...... しかし人数をはるかにこえるボウガン...... 壊れたときの予備ですかな? それにしても多い」
サクトは不思議そうに首をかしげる。
「いいや、矢をつがえる間、すきができるだろ。 矢をつがえたものを最初から何個も側においておけばその隙をなくせる」
(なんか戦国で武田と織田の戦いで火縄銃で使ってたっていう話を聞いた...... 嘘らしいけど)
「なるほど! これなら数多くのものと戦えますな!」
「もう逃げられない以上、戦うしかない」
「わかりました...... 我らも覚悟を決めましょうぞ! 皆戦うぞ!」
「ウオオオ!!」
おれたちは準備して襲撃をまつ。
夜になった。
『来ました...... 20人はいます。 北側から接近してきます......』
緊張した声で精霊ちゃんがいうと、闇夜の中、たいまつを持ち粗末な剣をもち鎧をきたゴブリンたちが照らされる。
「なめてるな。 隠れもしないで堂々ときた。 もっと近づいてからだ。 まず足元を狙え」
木の板に隠れながらそばにいるサクトへつたえると、ほかのものたちへと伝わっていく。
じわじわとゴブリンたちが低い姿勢で近づいてくる。
(はずさないようにもう少し、もう少し...... よし!)
「いまだ! 放て!!」
おれの号令でゴブリンたちはたち壊れたボウガンを放った。
「ギャ!!」
「ギャギャ!?」
「ギャッ!!」
ゴブリンたちは矢を受けて混乱している。
「再攻撃!!」
また別のボウガンで矢を放つ。
「ギャオ!!」
「ギャアア!!」
次々と敵ゴブリンたちは倒れていく、しかし何人かは盾を使い前へと進んでくる。
(撤退しないのか!!!)
『こちらを侮っています』
(しかたない!)
「サクト!」
「はい! ファイアボール!」
サクトが火球を放つとゴブリンが炎に包まれた。
(サクトはひとつだけだが魔法を使える!)
『来ます!』
他のゴブリンが迫る。
「盾、槍部隊!」
「オオウ!!」
三人一組のゴブリンは盾を二つもって体当たりし、その隙にもう一人が槍で突き刺した。
「ギャア!!」
敵ゴブリンは地面に倒れる。
残りをなんとか倒し、おれたちはゴブリンたちを全滅させた。
「逃げたものたちを殺すために、兵を送ってきたってこと?」
「はい...... ゴブリンキングは我ら弱いゴブリンたちを奴隷としていました。 それからいくつかの部族はそこから逃げて集落を作ったのです。 しかし見つかってしまい、なんとか応戦したのですが......」
そういってサクトは言葉につまる。
(それで数人...... 筋肉質なゴブリンも死んでいたのか。 あれがゴブリンキングが放った兵隊なんだな)
『そのゴブリンキングは負の力の方が強いのでしょう。 そういう負の力が強い多くの亜人やモンスターは好戦的で、他者を支配したりします』
(なるほど...... それなら交渉も無駄か)
「でも追い払ったんだよね」
「いいえ、あれは数名の偵察部隊でしょう。 ゴブリンに限らず亜人やモンスターは凶暴で好戦的なものが多いのです。 次は本隊がやってくる。 さっきの戦いで武器も失い、もう守ることもできません」
「逃げたのはサクトたちだけなの?」
「いいえ、いくつかの部族はキングの支配をいやがり、逃げました。 そのものたちのところに助けをもとめ、コゴルを向かわせたのです」
「コゴル...... ああ、あの倒れていたゴブリンのことか......」
「このままでは皆殺されてしまいます! なにとぞ御慈悲を賜りたい!」
そうサクトは懇願する。 断りたいが気になって、ここの状況を聞いた。
「ここのゴブリンは40人か...... 女子供もいる。 どうやって逃げる...... 人間たちに助けを求められないの?」
「彼らは我らをモンスターと呼び攻撃してきますゆえ......」
「だな。 だったら町にはつれて行けないな。 森の中じゃ結局みつかるし...... その前ににげきれない。 精霊ちゃん、なにか方法はない」
『そうですね。 やはり戦うしかないと思います』
(いや、戦いようもないよ。 相手のゴブリン数人に数倍は殺されてる。 多分戦いなれてない。 仮に武器を直しても戦えるとは思えない)
『外にでてみてください』
「外?」
言われて家から外にでると、多くのゴブリンたちがすがるようにこちらをみている。
(おれがほっとくと、このゴブリンたちはどうなるかな)
『まず皆殺され食べられるか、よくて奴隷でしょうね。 あそこ、そのゴブリンがもっているやつです』
そういわれてゴブリンをみると、その手に壊れたボウガンをもっていた。
(ボウガン...... 矢を乗っけて引き金を引くだけか。 これなら戦闘技術がなくてもやれるかも)
「ねえサクト、ボウガンってほかにあるの?」
「いえ、あのひとつだけです。 森に落ちていたのを修理して使えるようにしただけもので......」
(じゃあ使うのは無理か......)
『いえ、あなたの能力なら可能ですよ。 お金を複製しようしたでしょう』
「えっ? あっ! そうか!」
ゴブリンからそのボウガンを借りる。
「これをばらして、おのおのを復元すれば」
『ええ、ただ、存在しない部分を創造した場合、かなりの力を消費します。 それをよく考えてください』
「......だね。 ただ試すだけはやっでみよう」
おれはボウガンを剣で切り、四つに分けた。
「【創造】《クリエイト》」
すると、四つのボウガンになった。
「おお!! 割れたものから新しいボウガンが!!」
「ウオウ!」
サクトとゴブリンたちから驚きの声があがった。
「ふぅ、なんとか増やせた。 あれ? そんなつかれてない」
『もしかしたら、ゴブリンたちがあなたを信じたいという力が、魔力となっているのかもしれませんね』
(なるほど! 信頼が増して神の力が増えたのか! それならボウガンの複製はできるな!)
それからおれはボウガンと矢を大量に複製した。
「ふう、さすがにこの数だとつかれるな...... みんなにこれをもたせれば戦いが苦手でも戦えるはず」
おれはみんなを集め、ボウガンを持たせる。
「確かに...... しかし人数をはるかにこえるボウガン...... 壊れたときの予備ですかな? それにしても多い」
サクトは不思議そうに首をかしげる。
「いいや、矢をつがえる間、すきができるだろ。 矢をつがえたものを最初から何個も側においておけばその隙をなくせる」
(なんか戦国で武田と織田の戦いで火縄銃で使ってたっていう話を聞いた...... 嘘らしいけど)
「なるほど! これなら数多くのものと戦えますな!」
「もう逃げられない以上、戦うしかない」
「わかりました...... 我らも覚悟を決めましょうぞ! 皆戦うぞ!」
「ウオオオ!!」
おれたちは準備して襲撃をまつ。
夜になった。
『来ました...... 20人はいます。 北側から接近してきます......』
緊張した声で精霊ちゃんがいうと、闇夜の中、たいまつを持ち粗末な剣をもち鎧をきたゴブリンたちが照らされる。
「なめてるな。 隠れもしないで堂々ときた。 もっと近づいてからだ。 まず足元を狙え」
木の板に隠れながらそばにいるサクトへつたえると、ほかのものたちへと伝わっていく。
じわじわとゴブリンたちが低い姿勢で近づいてくる。
(はずさないようにもう少し、もう少し...... よし!)
「いまだ! 放て!!」
おれの号令でゴブリンたちはたち壊れたボウガンを放った。
「ギャ!!」
「ギャギャ!?」
「ギャッ!!」
ゴブリンたちは矢を受けて混乱している。
「再攻撃!!」
また別のボウガンで矢を放つ。
「ギャオ!!」
「ギャアア!!」
次々と敵ゴブリンたちは倒れていく、しかし何人かは盾を使い前へと進んでくる。
(撤退しないのか!!!)
『こちらを侮っています』
(しかたない!)
「サクト!」
「はい! ファイアボール!」
サクトが火球を放つとゴブリンが炎に包まれた。
(サクトはひとつだけだが魔法を使える!)
『来ます!』
他のゴブリンが迫る。
「盾、槍部隊!」
「オオウ!!」
三人一組のゴブリンは盾を二つもって体当たりし、その隙にもう一人が槍で突き刺した。
「ギャア!!」
敵ゴブリンは地面に倒れる。
残りをなんとか倒し、おれたちはゴブリンたちを全滅させた。
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