大魔王に託されたぼくの異世界革命

曇天

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第三十三話

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 浜に三人の魔人が現れた。 船が海に数十隻あつまっている。

「ふん、貴様がこの島を統括する人間か...... 我らは深王リューガリアさまのしもべだ」

「無駄な抵抗はせずおとなしく我が方に降りるがよい」

「さすればハイドラのものたち共々、我が国の三級臣民として迎えてやろう」

 そう三人は薄ら笑いをうかべる。

(恫喝すればくだると思ってたかをくくっているのか)

「もし断れば」

「......当然、女子供問わず全員死ぬ」

「そうか、そんな脅迫をするものは信じられない。 シャルロット、ハリファ!」

 シャルロットとハリファが魔人の二人を攻撃する。

「宣戦布告だな! かかれ!」

 浜辺に船から大勢の亜人種族が降り立ち町へと向かう。

「革命《レボリューション》澱匣《プリズンボクス》」  

 三つの巨大な箱に魔人たちそれぞれにとぼくとシャルロット、ハリファを閉じ込めた。

「ばかなことを...... こんなもので我らを閉じ込めたら2000の兵がお前たちの兵士を蹂躙するだけだ」

 ぼくの前の長髪の魔人があざけるようにそういった。 遠くでシャルロットとハリファは戦いを始めている。

「かまわない。 お前たちさえいなければな」

(速攻...... 革命《レボリューション》粘槍《トルネードランス》)

 一瞬で槍を放ち魔人の体を貫いた。

(やった...... いや)

 しかし魔人は液体のようになるともとに戻った。

「......面白い魔法だが、私には効かないな」

(液体になれる魔法かよ)

「革命《レボリューション》、魔力波《ウェーブ》」

 魔力の波が魔人を飲み込む。

「そんなもので液体の私が止められるか!」

 真後ろの地面から現れた魔人がそう叫びその手刀をふりあげる。

「革命《レボリューション》結晶《クリスタル》」

「なっ! 体が動かない!」

 魔人のからだ硬直する。

「液化したのは失敗だったな。 ぼくの液化した魔力が体に混ざったから、簡単に動きを止められる」

「くっ...... だがお前がここにいた間に町は蹂躙されている! あとは戻ってきた亜人どもにお前はなぶりごろされるだけだ......」

 町の方から向かっていった亜人たちが戻ってきている。  

「ばかな!! 攻めたはずの我が軍が押されている!? あれはトロール!!」

 そこにいたのは武装したトロール、ドラゴニュートが敵をおしてきていた。

「亜人種が武装だと!? しかも魔法まで使っている!」

 トロールは鎧を着込み巨大な盾、ドラゴニュートは槍をもち敵を押している。
ハーピーは空から弓を放ち、コボルトが剣、ゴブリンは魔法で後方から援護している。

「くっ! 奴らめなにをしている! 数では圧倒的に勝っているのに!」

「お前たちの亜人種族は武器こそあれ、訓練も戦術もできていない。 今まで準備もしているぼくたちには勝てない」

「貴様ら船にのり援軍をよべ!!!」

「無駄だ!」

 亜人たちが船にのると、その船が次々沈没していく。

「なんだと!!」

「マーマンを伏兵にしていた。 もうこれでお前たちは援軍をよべはしない」

「ばかな...... がっ」

 魔人のその体を魔力でかためた。 箱を解除した。

「シャルロットもハリファも魔人を倒したか」

「ええ、この宝珠装備なら魔力切れもしなかったわ」 

「ですね。 かなり格上でしたが、それほど苦戦しませんでした」

 皆が勝利を確信して歓声をあげた。


「じゃあ、ぼくたちはハイドラに援軍に向かう。 100の兵士とガイザ、ガイラとトロールとシャルロットとハーピーはここを守ってくれ」

「はい」

 ぼくたちが船にのり島を出る。

「400でハイドラを攻めている軍を止められるでしょうか」

「確かに相手の数がわからないとかなり危険ですね」

 ブラスとシャスタは不安げにそういった。

「すまない...... あたしたちのために」

 ハリファがあやまる。

「そのための同盟だろ」

「それに、ハイドラが落ちれば次は我らが滅ばされましょう」

「我々が勝ったのは知らぬでしょうから、後方から奇襲をかければ勝機もあります」

 バルスーンとブラスはそういう。

「シンゴさま! あれを!」

 グラブの指差す方を見ると空から何かが近づいてくる。
  
「あれはレベチア!」

 ハリファがそういうと、フェアリーのレベチアが降りてきた。

「ハリファさま、シンゴさま! ご無事でしたか!」

「ハイドラの状況は?」

「はい、敵は20000、我らの二倍、なんとか耐えております」

「20000か...... かなりの数だな。 すぐ向かう」

「いえ、ルテイシアさまからはここに兵力画集中しているうちに、リューガリアを討てとのこと」

「リューガリアを」

「ええ、守るだけならばハイドラはもちましょう。 しかし他の国の介入や増援を送られては手におえない。 いま本国が手薄になっているリューガリアを討てばその危険も減らせるとのことです」

「......わかった。 リューガリアをうとう。 いいハリファ」

「ええ、それがお母様の指示なら」

 ぼくたちはリューガリアを討つべく、リューガリアの国【ザイルディード】に向かう。

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