オルタナティブバース

曇天

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第十二話

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「これが天樹か、でもどうやって露を手に入れるんだ?」

 近くにいくと壁のような根しかない。

「なんか光ってるよ」

 アイにいわれてみるとおれの鞄が光ってる。 インベントリの鞄の中の聖葉が光っていた。 

「みろ! そこに光が当たってる!」

「本当だ」

 テラリスがいうように根っこに葉っぱから光が当たると、根っこに大きな空洞ができ【天樹の根】と表示された。

「ここがダンジョンになってるのか」

「みたいね。 行きましょう」

 おれたちはできた空洞にはいった。

 根っこのなかはモンスターがいて、それを倒しながら進む。

「さすがにレベル25推奨、敵が強いな」

「ええ、でもテラリスがいてくれるからなんなく進めるよ」

 テラリスは敵を簡単に両断していく。

「とりあえず、ここで休憩だ。 テントをはろう」

 すこし広いところにでたので、アイテムを使い休憩する。

「テラリスすこし剣を教えてくれない」

「ああ、かまわないぞ」

 おれは剣を抜いてテラリスと戦う。

「常に力をいれるんじゃなく、当たる瞬間に力を込めるんだ」

「ああ、わかった」

 それからテラリスから剣の指導をうける。

「はぁ、つかれた」

「ふむ、剣は素人だが、かなりすじはいい。 それにその筋力なら十二分に戦えるな」

(まあ、筋力はゲームだからだけど、それにしてもテラリスの剣は、西洋の構えと違うような気がする)

 その時『【アクティブスキル】【ダブルスラッシュ】を獲得』と表示された。

「おっ! スキルを覚えた」

(ええと、二連の剣撃を繰り出す...... か)

「二人ともおつかれさま。 食事を取って」

 アイが作った料理を持ってきた。

「ああ、ごめん。 わざわざ作ってもらって」

「ううん、いつも作ってもらってたから」

 アイと話していると、不思議そうにテラリスがみている。

「ん? どうしたの」

「あ、いや...... 二人は他のプレイヤーとはちがうなとおもってな」

「他のプレイヤーと......」

「プレイヤーはその戦闘力や技能は凄まじい。 しかし尊大で無礼なものが多いと皆が話している。 我々のことを見下すようにみているからな」

(普通のプレイヤーならそうだろうな。 NPC《ノンプレイヤーキャラクター》はプログラムだし)

「そうか、それは申し訳ないな」

「いや、そのことで問題がおきているんだ」

「問題......」

「実はプレイヤーたちが、東の大陸で国を乗っ取っているという話がある」

「えっ!? 国を!!」

 おれとアイは顔を見合わせた。

 プレイヤーが国を作っている話をテラリスから聞いた。

「それは戦争をしているってこと?」

「ああ、複数プレイヤーが集まり、武力で国を支配していくつかの国ができたらしい」

(プレイヤーたちがNPC《ノンプレイヤーキャラクター》を支配しているってことか。 このゲームそんなことまでできたのか)

「その事で我ら中央大陸の各国は兵力を集めている。 おそらく連合軍となる。 元々大陸内でも対立があるからな」

「戦争になるってこと?」

「ふむ、このままでは...... どうやら、彼らは世界を支配しようとしているとまでいわれている......」

 テラリスは沈んだ顔している。

(勝手に行動しているのか。 でも止められないな)

「まあ二人はそんなことはなさそうだ。 あの人みたいだ」

「あの人。 テラリスはプレイヤーにあったことがあるの」

 アイが聞くとテラリスはうなづいた。

「ああ、私に剣を教えてくれた。 優しく強い女性、名前はセイだ」

(おれたち以前にプレイヤーがいたのか)

「その人は天樹のことは?」

「いいや、他のプレイヤーたちと気があわないとかで、しばらく城に滞在して剣の鍛練につきあってくれていた。 でも何か急ぎの用ができたとかで一年前に旅だってしまったな」

 懐かしそうにテラリスは答える。

(この世界に取り残されたからか...... やっぱり時間経過が違うな。 一期のテストプレイヤーでもせいぜい半年前ぐらいのはず)

「セイは竜《ドラゴン》を使うんだ。 それで毎日鍛練していた」

(竜《ドラゴン》、召喚かテイム、おれと同じか!)

「竜についなにかいってた? 強くする方法とか」

「そうだな。 自身が強くなると竜《ドラゴン》も強くなるといっていたな」

「レベルがあがるとか」

「いや、確かに竜《ドラゴン》はレベルがあがると基本能力は上がるが、特殊な能力は心が通じないと獲得しないらしい」

「心が?」

 おれとアイは互いの顔をみる。

「そう。 そして竜《ドラゴン》と心を通じあわせると、強くなるらしい」

(対話...... AIと...... 確かにクリアには戦いの指示しかしてないな。 今普通に出す分にはつかれないが、指示を出すと頭に痛みがくる)

「おれもクリアと話してみるか」

 クリアをだして対話するが、いまいち何を考えているかわからない。


「ぐぇぇ......」

「くっ......」

 おれたちは食事に当たった。

「ご、ごめん。 料理の制作に失敗したみたい」

 アイはくるしげに横になりながらそうあやまる。

「し、仕方ない...... ち、調理を間違えると、こうなるみたいなんだ......」

(こんなところを作り込まなくても.....)

 それから二日苦しむが、なんとか復活した。

「はあ、危なかった」

「ご、ごめんね。 実際も繊細な作業は得意じゃなくって......」

 アイがあやまる。

「いいよ大丈夫。 かなり回復した」

「そうだ。 味は問題なかった。 うん味は」

 おれたちはフォローして先に進むことにした。

 
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