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第十一話
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「......サナ」
アイが緊張した声でそういう、おれはクリアをよびだす。
「きたか。 王女さがって」
「わかった」
王女はさがった。左右の茂みが動く。
「囲もうとしている。 後ろにさがりつつ囲まれないようにしよう。 でもアイ炎は使わないで、火災が怖い。 このゲームはオブジェクトも効果が影響するから......」
「......わかった。 じゃあ虫を呼ぶね」
おれたちは後ろにさがると、アイは杖を使う。
「うわっ!!」
茂みから声がして、目の前に鎧をきた騎士が転がってくる。
「クリア!」
クリアが体当たりして、騎士を吹き飛ばした。
「クロウラーにスライム!? なぜこんなところに! もういい! お前たちは奴らを斬れ!」
そう声がすると左右に十人ほど騎士らしきものが現れた。
「本当に襲ってくるとはね......」
「まあ、ゲームだしね。 でもNPC(ノンプレイヤーキャラクター》にも殺されるわけにはいかないよ」
アイと話をしていると、騎士たちは剣をかまえ、徐々に距離を縮めてくる。
(クエイグさんに作ってもらったクロウラーブレードは、【湛剛の鞘】《チャージスキャバード》に納めてる...... 時間経過で威力が上がるから今は使わず、ウィンドスラスターで)
「アイ! 氷を!」
「【蟲飼いの杖】《インセクトスタッフ》! フローズンビー!」
青い大きな蜂が二匹現れ、雪を吹き付け、そこにおれはウィンドスラスターで風を放つと吹雪となった。
「ぐわっ!!」
吹雪が騎士たちを足止めした。
「よし! あっ!」
おれがでようとしたその横を影が横切る。
「ぐっ!」
「がはっ!!」
「ぐあっ!」
テラリス王女は次々と騎士たちを華麗に叩き伏せていった。
「ふぅ」
テラリス王女は追手を全員たたきふせた。
「すごい強いね」
「うん、護衛いらないんじゃないのかな」
「さあ、いこうか」
「このままほっといていくんですか?」
「ああ、襲ってきたとはいえ我が国の騎士だからな...... 何してるんだ? アイどの」
倒れた騎士たちの剣をもつアイに、テラリス王女がいう。
「ええ、何かもらえるものはないかと」
「剣と鎧はやめてやってくれ。 モンスターに襲われたら死んでしまう」
テラリス王女はそういってとめた。
「ちぇ、結構いい武具なのに。 じゃあ、この転送石、あとポーションはもらっておこう」
そういってアイは騎士たちからアイテムをせしめている。
「じゃあ、おれたちはこれで」
おれたちはテラリス王女を送り届けて、天樹の根があるというハスレム山に向かう。
「これでユニークシナリオに進める。 天樹か」
「そうだね。 でももうあれから二週間......」
そうおれたちがログアウトできなくなってもう二週間たっていた。
(さすがに死んだプレイヤーが現実に戻って一週間...... さすがに不安になってきた。 アイもそうだろうな)
「あ、あの...... まあそのうち帰れる......」
「これはもしかして......」
考えていたアイが口を開いた。
「えっ?」
「現実《リアル》とは違う時間が流れてるのかも......」
「違う時間...... どういうこと?」
「私たちがこの世界にはいって二週間、死んだプレイヤーがいてもいなくても、家族が異変に気づくはず」
「確かに...... 気付かなかったな」
(できるだけ考えないようにしてたから......)
「MT《マインドトランスファー》技術は、人が眠っているような状態を擬似的に作り出して、脳波からデータのやり取りをするの」
「つまり夢をみてるみたいな状態ってこと?」
「そう。 夢をみてると実際の時間は違うよね」
「確かに長い夢をみてても、実際は数分なんてこともあるか......」
「これも時間が現実《リアル》の時間とは異なっている可能性があるはず」
夕暮れの空をみてアイはそういった。
「ほとんど時間がたってないかもしれない...... か。 なるほど、それなら連絡ができなくてもおかしくないか」
「まあ結局、現実《リアル》に戻れないことにはかわりないけどね」
「ただ絶望感しかないより、可能性があるほうがいいよ」
「そうだね...... まって」
アイがおれをみる。 おれは剣をかまえる。
「だれだ!」
「すまない......」
でてきたのはテラリス王女だった。
「なんで王女が!」
「私も連れてってくれないか! どうしても待っていられないんだ」
「でも......」
「......連れていきましょ」
考えていたアイがそういった。
「なんで!?」
「王女の強さをみたでしょ。 私たちはレベル19と17、このまま進むと、かなり危険だよ」
「確かにこのシナリオの推奨レベルは25か...... しかたないか」
「本当か! ならばよろしく頼む! そして王女としてではなく仲間として私のことはテラリスと呼んでくれ」
おれたちはテラリスと共に天樹へと向かうことにする。
「テラリスはレベル24か!」
テラリスが仲間になり、そのステータスの高さに驚いた。
「幼少より剣をたしなんでいる。 その代わり魔法はからきしだがな」
そう苦笑している。
「剣...... 教えてもらいたいな」
「私でよければ鍛練には付き合うが」
「じゃあ、あとで頼むよ」
「あそこ! 根っこがあるよ」
先にいっていたアイが指差す。
「でかい!!」
その方向に天まで届くような巨大な木の根があった。
アイが緊張した声でそういう、おれはクリアをよびだす。
「きたか。 王女さがって」
「わかった」
王女はさがった。左右の茂みが動く。
「囲もうとしている。 後ろにさがりつつ囲まれないようにしよう。 でもアイ炎は使わないで、火災が怖い。 このゲームはオブジェクトも効果が影響するから......」
「......わかった。 じゃあ虫を呼ぶね」
おれたちは後ろにさがると、アイは杖を使う。
「うわっ!!」
茂みから声がして、目の前に鎧をきた騎士が転がってくる。
「クリア!」
クリアが体当たりして、騎士を吹き飛ばした。
「クロウラーにスライム!? なぜこんなところに! もういい! お前たちは奴らを斬れ!」
そう声がすると左右に十人ほど騎士らしきものが現れた。
「本当に襲ってくるとはね......」
「まあ、ゲームだしね。 でもNPC(ノンプレイヤーキャラクター》にも殺されるわけにはいかないよ」
アイと話をしていると、騎士たちは剣をかまえ、徐々に距離を縮めてくる。
(クエイグさんに作ってもらったクロウラーブレードは、【湛剛の鞘】《チャージスキャバード》に納めてる...... 時間経過で威力が上がるから今は使わず、ウィンドスラスターで)
「アイ! 氷を!」
「【蟲飼いの杖】《インセクトスタッフ》! フローズンビー!」
青い大きな蜂が二匹現れ、雪を吹き付け、そこにおれはウィンドスラスターで風を放つと吹雪となった。
「ぐわっ!!」
吹雪が騎士たちを足止めした。
「よし! あっ!」
おれがでようとしたその横を影が横切る。
「ぐっ!」
「がはっ!!」
「ぐあっ!」
テラリス王女は次々と騎士たちを華麗に叩き伏せていった。
「ふぅ」
テラリス王女は追手を全員たたきふせた。
「すごい強いね」
「うん、護衛いらないんじゃないのかな」
「さあ、いこうか」
「このままほっといていくんですか?」
「ああ、襲ってきたとはいえ我が国の騎士だからな...... 何してるんだ? アイどの」
倒れた騎士たちの剣をもつアイに、テラリス王女がいう。
「ええ、何かもらえるものはないかと」
「剣と鎧はやめてやってくれ。 モンスターに襲われたら死んでしまう」
テラリス王女はそういってとめた。
「ちぇ、結構いい武具なのに。 じゃあ、この転送石、あとポーションはもらっておこう」
そういってアイは騎士たちからアイテムをせしめている。
「じゃあ、おれたちはこれで」
おれたちはテラリス王女を送り届けて、天樹の根があるというハスレム山に向かう。
「これでユニークシナリオに進める。 天樹か」
「そうだね。 でももうあれから二週間......」
そうおれたちがログアウトできなくなってもう二週間たっていた。
(さすがに死んだプレイヤーが現実に戻って一週間...... さすがに不安になってきた。 アイもそうだろうな)
「あ、あの...... まあそのうち帰れる......」
「これはもしかして......」
考えていたアイが口を開いた。
「えっ?」
「現実《リアル》とは違う時間が流れてるのかも......」
「違う時間...... どういうこと?」
「私たちがこの世界にはいって二週間、死んだプレイヤーがいてもいなくても、家族が異変に気づくはず」
「確かに...... 気付かなかったな」
(できるだけ考えないようにしてたから......)
「MT《マインドトランスファー》技術は、人が眠っているような状態を擬似的に作り出して、脳波からデータのやり取りをするの」
「つまり夢をみてるみたいな状態ってこと?」
「そう。 夢をみてると実際の時間は違うよね」
「確かに長い夢をみてても、実際は数分なんてこともあるか......」
「これも時間が現実《リアル》の時間とは異なっている可能性があるはず」
夕暮れの空をみてアイはそういった。
「ほとんど時間がたってないかもしれない...... か。 なるほど、それなら連絡ができなくてもおかしくないか」
「まあ結局、現実《リアル》に戻れないことにはかわりないけどね」
「ただ絶望感しかないより、可能性があるほうがいいよ」
「そうだね...... まって」
アイがおれをみる。 おれは剣をかまえる。
「だれだ!」
「すまない......」
でてきたのはテラリス王女だった。
「なんで王女が!」
「私も連れてってくれないか! どうしても待っていられないんだ」
「でも......」
「......連れていきましょ」
考えていたアイがそういった。
「なんで!?」
「王女の強さをみたでしょ。 私たちはレベル19と17、このまま進むと、かなり危険だよ」
「確かにこのシナリオの推奨レベルは25か...... しかたないか」
「本当か! ならばよろしく頼む! そして王女としてではなく仲間として私のことはテラリスと呼んでくれ」
おれたちはテラリスと共に天樹へと向かうことにする。
「テラリスはレベル24か!」
テラリスが仲間になり、そのステータスの高さに驚いた。
「幼少より剣をたしなんでいる。 その代わり魔法はからきしだがな」
そう苦笑している。
「剣...... 教えてもらいたいな」
「私でよければ鍛練には付き合うが」
「じゃあ、あとで頼むよ」
「あそこ! 根っこがあるよ」
先にいっていたアイが指差す。
「でかい!!」
その方向に天まで届くような巨大な木の根があった。
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