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第三十話
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「いる! 静かに」
アイに言われてゆっくりと部屋にはいる。 その部屋は壁まで凍っていて、鏡のようにおれたちを写している。
「グルウウウウ!」
奥に伏せていた巨大な牙をもつ大きな白い狼がたちあがる。
【氷冴狼】《アイシクルウルフ》と表示された。
狼は口から吹雪を吐き出す。
ファイアソーサーで防ぐ。 すると狼は一瞬で間合いをつめ、そのサーベルタイガーのような巨大な牙でかみついてきた。
「この!」
ヤマトがその牙を防ぐ。
「流星剣!」
テラリスがその横を抜け体をきりつける。
「グォ!!!」
「効いてるぞ!」
狼が前足をテラリスにふるおうとする。
「残った前足だ! クリア頼む!」
クリアが前足に体当たりして狼の体勢を崩した。
その瞬間に剣と魔法で狼に攻撃をくわえる。
「ガアアアア!!」
狼が咆哮すると体がビリビリとしびれる。
(なんだこれは!? しびれる......)
体が動けない間に大きな爪が目の前に迫る。
クリアが狼の顔面にぶつかった。
「グゥゥ」
狼が少し怯むと、体の縛りがとけた。
「これは...... 動ける」
「咆哮による麻痺みたいなものかも!」
「またくらったらまずいぜ!」
「みんな散開しろ!」
テラリスにいわれ散開してかまえる。
「攻撃してるが、正直あまり効いてる感じがしない。 レベル差が大きすぎる...... この剣で仕留めるか。 だが威力が上がる効果時間に制限がある。 かわされると終わりだ」
おれは風を放ちながら、つぶさに観察する。 クリアが狼にぶつかっていく。
「グゥゥ!」
(......クリアの攻撃は効いてるか! ただ威力が弱い! 柔らかな体でぶつかっても...... 固さ)
「テラリス! 凍刃《フリーズブレイド》を放ってくれ!」
「こいつの足止めにもならんぞ!」
「いや、狼じゃない! クリアにだ。 クリアこの形になってくれ!」
テラリスは困惑しながらクリアに向かって氷の刃を放つ。
クリアは鋭利な刃のような形で凍った。
「よし! クリア後ろ足をとめろ!」
クリアは飛び狼の後ろ足に刺さった。
「グオオオオッ!」
狼は足をひきずる。
「攻撃だ! サナは後ろに!」
ヤマトの声で一斉に攻撃を仕掛ける。 おれは後ろでチャンスをうかがう。
「ガアアアア!!!」
咆哮でみんなが動けなくなっている。
(ここだダブルスラッシュ!)
おれは後ろからドレインソードを抜いて狼の腹を下からきりつけた。
「グオオオオン!!」
狼は大きな咆哮をすると、そのまま光になって消えた。
「嘘だ...... あり得ない」
おれたちが万年雪の結晶をもちかえると、リンキュルは言葉を失う。
「あのモンスターはレベル50はあったはず、お前たちはどう考えてもレベル30満たない奴ばかり...... プレイヤーとはいえ、あそこのモンスターにであえば、洞窟にすら進めず逃げ帰ってくるはずだったのに」
そういってリンキュルは万年雪の結晶をみている。
「頼むリンキュル、おれたちを襲ってくるやつらは、レベル50以上なんだ」
「レベル50、普通の人間はそこまで到達しない。 プレイヤーたちだな......」
「ああ」
「ふぅ...... 仕方ない。 約束は約束だ」
ため息をつくと、そういってリンキュルは立ち上がった。
「な、レベル60!?」
リンキュルのレベルをみておれは驚いた。
「そんな強いならエイジに襲われても大丈夫だな」
ヤマトは笑いながらいうとリンキュルは不機嫌そうにみている。
「そんな簡単にいくわけないだろ。 私は肉弾戦なら弱い。 武装、魔法、スキルでレベル差なんて覆せる。 それにプレイヤーなら特殊なスキルももってるしな」
「ああリンキュルのいうとおりだ。 それに一人じゃない。 おそらく複数のレベル上位者がいるはずだ。 確か【廃鬼人】《ディスコードオーガ》というギルドのもの。 一応国に調べてもらってはいるがな」
テラリスが眉をひそめた。
おれとアイとヤマトで話をする。
「まあ、救いなのはPK《プレイヤーキラー》じゃないことね。 エイジはこっちを狙ってくるかもしれないけど、ギルドメンバーはわからないわ」
「そうだけど、ギルマス...... やつらのギルドマスターが戦争のために魔導器《マギカレガリア》を探してるのは間違いない。 プレイヤーでこの世界を支配しようとしてるかもしれない」
「それでこれからどうするんだ?」
ヤマトがこちらをみて腕組みをした。
「正直、NPC《ノンプレイヤーキャラクター》のためにプレイヤーを死なせるわけにはいかないけど......」
「じゃあ、プレイヤー側につくの」
「それもな...... もし戦争などで重要なNPC《ノンプレイヤーキャラクター》が死んだら、シナリオがつみかねない。 まあ、単純にいやだしな」
「ああ、最悪NPC《ノンプレイヤーキャラクター》を奴隷にしたり、殺し尽くすことも考えられるな」
ヤマトが不快そうな顔をすると、アイはうなづく。
「やはりとめないと」
「止めるにもしてもおれたちだけじゃどうにもなんないぞ。 襲われるのを防ぐのでも手一杯だろ」
「ヤマトのいうとおり、個人で対抗できるとはおもえないが、このまま奴らを野放しにしていると、魔導器《マギカレガリア》を手に入れて戦争を仕掛けかねない。 そうなったらプレイヤーとNPC《ノンプレイヤーキャラクター》との全面戦争になる......」
テラリスがそうかなしげにいう。
「......止めるには魔導器《マギカレガリア》をさきに手にいれるか、もしくは破壊するしかないな」
リンキュルがため息をついてそういった。
「ああ、やるしかないな...... このままだとどっちにしろ大勢死ぬことになる」
おれがアイとヤマトをみる。
「そうね...... それならレキさんにも伝えておきましょ」
「レキ...... 他のギルドのやつか」
「ああ、プレイヤーの暴走を止めつつ、クリアを目指してゲームを攻略中だ」
おれはヤマトに説明して、事情をレキさんに伝えた。
アイに言われてゆっくりと部屋にはいる。 その部屋は壁まで凍っていて、鏡のようにおれたちを写している。
「グルウウウウ!」
奥に伏せていた巨大な牙をもつ大きな白い狼がたちあがる。
【氷冴狼】《アイシクルウルフ》と表示された。
狼は口から吹雪を吐き出す。
ファイアソーサーで防ぐ。 すると狼は一瞬で間合いをつめ、そのサーベルタイガーのような巨大な牙でかみついてきた。
「この!」
ヤマトがその牙を防ぐ。
「流星剣!」
テラリスがその横を抜け体をきりつける。
「グォ!!!」
「効いてるぞ!」
狼が前足をテラリスにふるおうとする。
「残った前足だ! クリア頼む!」
クリアが前足に体当たりして狼の体勢を崩した。
その瞬間に剣と魔法で狼に攻撃をくわえる。
「ガアアアア!!」
狼が咆哮すると体がビリビリとしびれる。
(なんだこれは!? しびれる......)
体が動けない間に大きな爪が目の前に迫る。
クリアが狼の顔面にぶつかった。
「グゥゥ」
狼が少し怯むと、体の縛りがとけた。
「これは...... 動ける」
「咆哮による麻痺みたいなものかも!」
「またくらったらまずいぜ!」
「みんな散開しろ!」
テラリスにいわれ散開してかまえる。
「攻撃してるが、正直あまり効いてる感じがしない。 レベル差が大きすぎる...... この剣で仕留めるか。 だが威力が上がる効果時間に制限がある。 かわされると終わりだ」
おれは風を放ちながら、つぶさに観察する。 クリアが狼にぶつかっていく。
「グゥゥ!」
(......クリアの攻撃は効いてるか! ただ威力が弱い! 柔らかな体でぶつかっても...... 固さ)
「テラリス! 凍刃《フリーズブレイド》を放ってくれ!」
「こいつの足止めにもならんぞ!」
「いや、狼じゃない! クリアにだ。 クリアこの形になってくれ!」
テラリスは困惑しながらクリアに向かって氷の刃を放つ。
クリアは鋭利な刃のような形で凍った。
「よし! クリア後ろ足をとめろ!」
クリアは飛び狼の後ろ足に刺さった。
「グオオオオッ!」
狼は足をひきずる。
「攻撃だ! サナは後ろに!」
ヤマトの声で一斉に攻撃を仕掛ける。 おれは後ろでチャンスをうかがう。
「ガアアアア!!!」
咆哮でみんなが動けなくなっている。
(ここだダブルスラッシュ!)
おれは後ろからドレインソードを抜いて狼の腹を下からきりつけた。
「グオオオオン!!」
狼は大きな咆哮をすると、そのまま光になって消えた。
「嘘だ...... あり得ない」
おれたちが万年雪の結晶をもちかえると、リンキュルは言葉を失う。
「あのモンスターはレベル50はあったはず、お前たちはどう考えてもレベル30満たない奴ばかり...... プレイヤーとはいえ、あそこのモンスターにであえば、洞窟にすら進めず逃げ帰ってくるはずだったのに」
そういってリンキュルは万年雪の結晶をみている。
「頼むリンキュル、おれたちを襲ってくるやつらは、レベル50以上なんだ」
「レベル50、普通の人間はそこまで到達しない。 プレイヤーたちだな......」
「ああ」
「ふぅ...... 仕方ない。 約束は約束だ」
ため息をつくと、そういってリンキュルは立ち上がった。
「な、レベル60!?」
リンキュルのレベルをみておれは驚いた。
「そんな強いならエイジに襲われても大丈夫だな」
ヤマトは笑いながらいうとリンキュルは不機嫌そうにみている。
「そんな簡単にいくわけないだろ。 私は肉弾戦なら弱い。 武装、魔法、スキルでレベル差なんて覆せる。 それにプレイヤーなら特殊なスキルももってるしな」
「ああリンキュルのいうとおりだ。 それに一人じゃない。 おそらく複数のレベル上位者がいるはずだ。 確か【廃鬼人】《ディスコードオーガ》というギルドのもの。 一応国に調べてもらってはいるがな」
テラリスが眉をひそめた。
おれとアイとヤマトで話をする。
「まあ、救いなのはPK《プレイヤーキラー》じゃないことね。 エイジはこっちを狙ってくるかもしれないけど、ギルドメンバーはわからないわ」
「そうだけど、ギルマス...... やつらのギルドマスターが戦争のために魔導器《マギカレガリア》を探してるのは間違いない。 プレイヤーでこの世界を支配しようとしてるかもしれない」
「それでこれからどうするんだ?」
ヤマトがこちらをみて腕組みをした。
「正直、NPC《ノンプレイヤーキャラクター》のためにプレイヤーを死なせるわけにはいかないけど......」
「じゃあ、プレイヤー側につくの」
「それもな...... もし戦争などで重要なNPC《ノンプレイヤーキャラクター》が死んだら、シナリオがつみかねない。 まあ、単純にいやだしな」
「ああ、最悪NPC《ノンプレイヤーキャラクター》を奴隷にしたり、殺し尽くすことも考えられるな」
ヤマトが不快そうな顔をすると、アイはうなづく。
「やはりとめないと」
「止めるにもしてもおれたちだけじゃどうにもなんないぞ。 襲われるのを防ぐのでも手一杯だろ」
「ヤマトのいうとおり、個人で対抗できるとはおもえないが、このまま奴らを野放しにしていると、魔導器《マギカレガリア》を手に入れて戦争を仕掛けかねない。 そうなったらプレイヤーとNPC《ノンプレイヤーキャラクター》との全面戦争になる......」
テラリスがそうかなしげにいう。
「......止めるには魔導器《マギカレガリア》をさきに手にいれるか、もしくは破壊するしかないな」
リンキュルがため息をついてそういった。
「ああ、やるしかないな...... このままだとどっちにしろ大勢死ぬことになる」
おれがアイとヤマトをみる。
「そうね...... それならレキさんにも伝えておきましょ」
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