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第四十九話
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「ここからバシュタールの領土です」
おれたちの目の前に高い石の城壁が端までたっている。
「国を囲ってるの?」
「ええ、そかかしこに門の検問があり、その検問を越えないと中には入れません」
「厳重だな」
「全ての国と敵対していますからね。 ですが豊富な資源と最大の領土で、この大陸最強の国家です。 もっか連合は帝国にたいする防衛でもあります」
そうラーシェは落ち着いた物言いをした。
「プレイヤーに対するものだけじゃなかったのね」
「それでどうやってなかにはいるの? 傭兵団なら入れる?」
「いいえ、すべての者は監視の対象です。 ほらあそこ」
向こうの壁で手招きしているものがいる。 それはクワイアさんだった。
「あの人...... クワイアさん?」
「ええ、どうやらそのようですね......」
いぶかしげにラーシェはいった。
「お待ちしておりました。 この壁からなかにはいれます」
クワイアさんがいうと、そこには偽装を施したかくし扉があった。
「そんなところに......」
「ええ、密輸や密入国、さまざまな用途で壁のいくつかに穴があるんです」
そうクワイアさんは笑顔でいった。
「早く森の中に隠れましょう」
壁のなかに入り、森へと隠れた。
「ここから夜になったら、目的地のタリエの町まで向かいます」
それから森で暗くなるまでまった。
(もうこのゲームに閉じ込められてから、何日になる。 数ヶ月はたった気がする...... 時間の感覚が狂うな。 いまだ連絡はなし、レキさんの話ではかなりのプレイヤーが死んでるらしいが......)
アイの方をみると同様に不安な顔をしている。
(さすがにこの状況は不安だよな...... 戦争をとめるより、おれたちが先にゲームクリアを目指した方が早いんじゃないかな)
だが、テラリスたちNPC《ノンプレイヤーキャラクター》のことが、脳裏によぎる。
(人間のようでもプログラムされたAIだし、死ぬリスクを負うわけにもいかない。 やはりもう少しみんなと話し合うか......)
夜になって町へと向かい、おれたちは依頼をしたタリエの町へとついた。
「これはひどいな」
町をみてテラリスがいう。
そこはモンスターに荒らされたらしく、かなりの家が壊され畑なども荒れていた。
「ああ、傭兵団のかたですね!」
そう粗末な服を着た町の人がやってきた。
「ええ、ネストがあるということですが」
クワイアさんがそう聞いた。
「はい、半年前から町の西の森にネストが生まれ、そこから無数のモンスターが現れました......」
疲れはてた顔で町の人はそういう。
「逃げられないんですか......」
「この国はその土地以外で生活することは禁じられておりますから」
「国にいっても無駄のようですね」
ラーシェさんが聞くと、町の人はうなづいた。
「こんな地方の声は届きません、 一応ここのことは伝えに参りましたが門前払い、兵一人すら送ってきません。 我々でも対抗しようとしましたが」
壊された木の柵や弓、槍や盾、鍋や釜、などが散乱している。
「モンスター相手では、逃げるのがやっとで...... あとはこの有り様です」
『【ネスト討伐】推奨レベル20』そう表示された。
「わかりました」
おれたちは町の人とわかれ、森へと向かった。
「しかしクワイア君がわざわざ来なくても、伝えておいてくれれば我々だけで来られたのだが......」
ラーシェはいぶかしむようにそういう。
「ええ、ですが団長がもし危険ならと私に命じたんですよ」
そうクワイアさんが笑顔で答える。
「......まあかまいませんが」
不服そうにラーシェはこたえる。
「それでクワイアさん。 そのネストは近いんですか」
「ええ、この先...... マルクトの森です」
襲ってくるモンスターを倒しながら、おれたちは先へと進む。
「近くに強いのがいる」
アイがそういうと、巨大な三つ目の熊が森奥にいた。
【イービルアイベアー】と表示された。
「あれがマスターモンスターか」
「多分...... あの三つ目の目はみないでください。 あれは邪眼でみたものを石化させます......」
ラーシェさんにいわれた。
「わかりました」
おれたちは散開して、それぞれ攻撃を加えた。 二人はテラリス並みに強い。
(相手がレベル20なら、余裕だな。 ラーシェさん、クワイアさんの二人もレベル40以上はあるからな。 おれたちも40近くだしな)
難なくマスターモンスターを倒した。
「ふぅ、これで依頼は達成ですか」
「ええ、確かにあなたたちはプレイヤー側ではないようだ......」
ラーシェさんはそういうと懐からなにかをだした。
「ラーシェ、あなたは!!!」
クワイアさんがそういった瞬間、目の前が眩しく光り輝く。
「なっ!」
その瞬間、目がくらみ意識がもうろうとする。
「......さすがに、プレイヤーといえどこれは防げないようだな......」
そうラーシェさんの声が聞こえると、意識を失った。
「......ここは」
そこは牢獄だった。
「起きた......」
アイが目の前の牢にいた。
「ああ、一体なにが」
「どうやら捕まったようだ」
テラリスは横の房にいるようだ。
「......ええ、ラーシェさんの仕業ですね」
逆の房からクワイアさんの声が聞こえる。
「なんのために......」
「わかりませんが、団長はラーシェさんを監視するよう僕にいいました」
「つまり、帝国のスパイだったってことか」
「恐らくは...... それでここに連れてきたのでしょう。 特にテラリス王女もいますしね」
「なるほど、私を人質に、我が国と交渉でもするつもりか。 だが国王はそんなことで屈しないぞ」
テラリスはそう自信ありげにいった。
「いいえ、あなたではなく、連合とあなたたちプレイヤーの協力関係をたちきりたかったということです」
「そうか、私たちとテラリス、そして傭兵団を組ませたくなかったのね」
「ええ、元々傭兵団は国との関係は薄い。 しかし、あなたたちと傭兵団がテラリス様を介して国とつながられると、この大陸の覇権をめざす帝国にはじゃまだった」
「......ええ、そういうことです」
カツカツと石床の音をたてながら、ラーシェが現れた。
「あなたはここ出身の元貴族。 平民へと落とされたここに憎しみがあったはずでしょう」
そうクワイアがいうと、ラーシェはうすく笑う。
「そうですね...... ですが、条件によって気持ちも変わるでしょう。 貴族への復帰などエサをぶら下げられればね」
「......それでおれたちをどうするつもりだ」
「見せしめですよ」
そういって薄く笑うとラーシェはさっていった。
おれたちの目の前に高い石の城壁が端までたっている。
「国を囲ってるの?」
「ええ、そかかしこに門の検問があり、その検問を越えないと中には入れません」
「厳重だな」
「全ての国と敵対していますからね。 ですが豊富な資源と最大の領土で、この大陸最強の国家です。 もっか連合は帝国にたいする防衛でもあります」
そうラーシェは落ち着いた物言いをした。
「プレイヤーに対するものだけじゃなかったのね」
「それでどうやってなかにはいるの? 傭兵団なら入れる?」
「いいえ、すべての者は監視の対象です。 ほらあそこ」
向こうの壁で手招きしているものがいる。 それはクワイアさんだった。
「あの人...... クワイアさん?」
「ええ、どうやらそのようですね......」
いぶかしげにラーシェはいった。
「お待ちしておりました。 この壁からなかにはいれます」
クワイアさんがいうと、そこには偽装を施したかくし扉があった。
「そんなところに......」
「ええ、密輸や密入国、さまざまな用途で壁のいくつかに穴があるんです」
そうクワイアさんは笑顔でいった。
「早く森の中に隠れましょう」
壁のなかに入り、森へと隠れた。
「ここから夜になったら、目的地のタリエの町まで向かいます」
それから森で暗くなるまでまった。
(もうこのゲームに閉じ込められてから、何日になる。 数ヶ月はたった気がする...... 時間の感覚が狂うな。 いまだ連絡はなし、レキさんの話ではかなりのプレイヤーが死んでるらしいが......)
アイの方をみると同様に不安な顔をしている。
(さすがにこの状況は不安だよな...... 戦争をとめるより、おれたちが先にゲームクリアを目指した方が早いんじゃないかな)
だが、テラリスたちNPC《ノンプレイヤーキャラクター》のことが、脳裏によぎる。
(人間のようでもプログラムされたAIだし、死ぬリスクを負うわけにもいかない。 やはりもう少しみんなと話し合うか......)
夜になって町へと向かい、おれたちは依頼をしたタリエの町へとついた。
「これはひどいな」
町をみてテラリスがいう。
そこはモンスターに荒らされたらしく、かなりの家が壊され畑なども荒れていた。
「ああ、傭兵団のかたですね!」
そう粗末な服を着た町の人がやってきた。
「ええ、ネストがあるということですが」
クワイアさんがそう聞いた。
「はい、半年前から町の西の森にネストが生まれ、そこから無数のモンスターが現れました......」
疲れはてた顔で町の人はそういう。
「逃げられないんですか......」
「この国はその土地以外で生活することは禁じられておりますから」
「国にいっても無駄のようですね」
ラーシェさんが聞くと、町の人はうなづいた。
「こんな地方の声は届きません、 一応ここのことは伝えに参りましたが門前払い、兵一人すら送ってきません。 我々でも対抗しようとしましたが」
壊された木の柵や弓、槍や盾、鍋や釜、などが散乱している。
「モンスター相手では、逃げるのがやっとで...... あとはこの有り様です」
『【ネスト討伐】推奨レベル20』そう表示された。
「わかりました」
おれたちは町の人とわかれ、森へと向かった。
「しかしクワイア君がわざわざ来なくても、伝えておいてくれれば我々だけで来られたのだが......」
ラーシェはいぶかしむようにそういう。
「ええ、ですが団長がもし危険ならと私に命じたんですよ」
そうクワイアさんが笑顔で答える。
「......まあかまいませんが」
不服そうにラーシェはこたえる。
「それでクワイアさん。 そのネストは近いんですか」
「ええ、この先...... マルクトの森です」
襲ってくるモンスターを倒しながら、おれたちは先へと進む。
「近くに強いのがいる」
アイがそういうと、巨大な三つ目の熊が森奥にいた。
【イービルアイベアー】と表示された。
「あれがマスターモンスターか」
「多分...... あの三つ目の目はみないでください。 あれは邪眼でみたものを石化させます......」
ラーシェさんにいわれた。
「わかりました」
おれたちは散開して、それぞれ攻撃を加えた。 二人はテラリス並みに強い。
(相手がレベル20なら、余裕だな。 ラーシェさん、クワイアさんの二人もレベル40以上はあるからな。 おれたちも40近くだしな)
難なくマスターモンスターを倒した。
「ふぅ、これで依頼は達成ですか」
「ええ、確かにあなたたちはプレイヤー側ではないようだ......」
ラーシェさんはそういうと懐からなにかをだした。
「ラーシェ、あなたは!!!」
クワイアさんがそういった瞬間、目の前が眩しく光り輝く。
「なっ!」
その瞬間、目がくらみ意識がもうろうとする。
「......さすがに、プレイヤーといえどこれは防げないようだな......」
そうラーシェさんの声が聞こえると、意識を失った。
「......ここは」
そこは牢獄だった。
「起きた......」
アイが目の前の牢にいた。
「ああ、一体なにが」
「どうやら捕まったようだ」
テラリスは横の房にいるようだ。
「......ええ、ラーシェさんの仕業ですね」
逆の房からクワイアさんの声が聞こえる。
「なんのために......」
「わかりませんが、団長はラーシェさんを監視するよう僕にいいました」
「つまり、帝国のスパイだったってことか」
「恐らくは...... それでここに連れてきたのでしょう。 特にテラリス王女もいますしね」
「なるほど、私を人質に、我が国と交渉でもするつもりか。 だが国王はそんなことで屈しないぞ」
テラリスはそう自信ありげにいった。
「いいえ、あなたではなく、連合とあなたたちプレイヤーの協力関係をたちきりたかったということです」
「そうか、私たちとテラリス、そして傭兵団を組ませたくなかったのね」
「ええ、元々傭兵団は国との関係は薄い。 しかし、あなたたちと傭兵団がテラリス様を介して国とつながられると、この大陸の覇権をめざす帝国にはじゃまだった」
「......ええ、そういうことです」
カツカツと石床の音をたてながら、ラーシェが現れた。
「あなたはここ出身の元貴族。 平民へと落とされたここに憎しみがあったはずでしょう」
そうクワイアがいうと、ラーシェはうすく笑う。
「そうですね...... ですが、条件によって気持ちも変わるでしょう。 貴族への復帰などエサをぶら下げられればね」
「......それでおれたちをどうするつもりだ」
「見せしめですよ」
そういって薄く笑うとラーシェはさっていった。
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