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第四話
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ーー根源よりいでし、黒き黒き闇よ、我が前に現れよーー
「ダークスフィア」
俺の手より黒い玉が放たれ前方の岩を砕いた。
「お見事、闇属性のダークスフィアは完全に習得されました」
わーちゃんはガチャガチャと骨の手を叩く。
「ありがと、覚えられたよ」
(ただ、暗黒魔法しか覚えられなかったのが気になるが)
「他のみんなは」
「スラリーニョどのは、水属性アクアウェイブ。 あおまるどのは風属性ストームブースト。 スピどのは炎属性フレアシザーズ。 ロザドどのは土属性ロックファングの魔法を習得しましたな」
「おお! みんな覚えられたか!」
「ぴぴー!!」
「クァ!!」
「ギギ!!」
「グ、グ!!」
各それぞれが魔法を身に付けた。
「他に属性はあるの」
「光属性、聖属性、木属性、氷属性等がありますね。 まあそれぞれ得意不得意はあり、身に付けられる系統はひとつか二つですな」
「ほう、ということはオレは後ひとつは覚えられるかも」
オレたちは山の中腹へときた。 何かの音がする。
「みんな岩影に隠れよう」
ゆっくりのぞくと人の形をした岩のようなものが歩いている。 目が赤く光っていた。
「あれがゴーレムです」
「意外に小さいな。 二メートルくらいか、あれなら簡単に倒せそうだ。 みんなあいつを仲間にしたいから、めちゃくちゃしちゃだめだぞ」
「ぴー!」
「クァ!」
「ギギ!」
「グ!」
「ええ、では私から」
「いや、まって! みんなじゃ......」
オレが止めるのも聞かず、わーちゃんが闇の魔法を放つ。 それにあわせてみんな各自の魔法をはなった。 それは爆発となってゴーレムを包んだ。
「ちょっ! みんなまって! まって!」
焦ってみんなを止める。 見るとボロボロの穴だらけになりゴーレムは倒れていた。
「やりすぎだよ! わーちゃんポーションってゴーレムに効くの!?」
「え、ええ、効くとは思います」
オレは二、三個、体に空いた穴にぶっかける。 少しずつ再生が始まった。 ゴーレムが動くと、その目が赤くなくなっていた。
「よし! ゴーレム! 俺と契約だ!」
「ガガ」
ゆっくりと起き上がったゴーレムの胸に模様が輝いた。
「よし! 契約完了!」
「やりましたなマスター」
「ああ、でもみんなやりすぎだぞ。 魔法を全員で打ち込むなんて」
「ぴー......」
「クゥ......」
「ギギ......」
「グゥ......」
「すみません......」
皆反省している。
「まあ、魔法を覚えたてで使いたくなる気持ちはわかる。 が気を付けるように」
(......俺も使いたかったからな)
「ゴーレムの名前はゴレサンだ」
「ガガ!」
「さあ帰ろう」
オレたちは町へと戻る。 やはりみんなこっちをみている。
(まあ、ドンドン異様になっていくからな)
ガラスにうつるオレたち一行の姿をみて一人納得する。
「めちゃくちゃ増えてる!!」
「うん、増えちゃった」
ギルドでマクロさんがやはり驚いている。
「も、もう増やさないほうがいいんじゃ......」
「えっ、でも一体でも仲間にしたほうがみんなにも安全だよ」
「ま、まあそうですけど、なんか噂になっているんですよ」
マクロさんが側に来て小声で話す。
「噂?」
「モンスターを操る人間のことです」
「つまりオレだ。 有名になってんのか」
「ええ、でもいいことばかりじゃないですよ」
オレが笑顔になったのをみてマクロさんはため息をついた。
「えっ? どういうこと?」
「よく考えてみてください。 モンスターテイマーなんてこの世界にはいないんです。 それが急にモンスターを引き連れている人間がいる。 どう思われると思います」
「つまり、怪しまれているとマクロどのはもうされるのか」
わーちゃんが話しに加わる。
「は、話せるの! そのモンスター!?」
「ああ、わーちゃんは元人間らしいから」
「わーちゃん...... そ、そうなんだ。 いや、でもそのとおりで色々な噂がとびかっていてこれ以上増えていくと、危険な存在だと見なされるかもしれない」
心配そうに眉間にシワを寄せそういってくれている。
「モンスターをつれる人間など確かに異様ですな」
わーちゃんが腕を組みそういった。
(お前がいうのか!)
「なるほど、でもさ、優秀なんだよこの子達は、それに契約だってして安全なんだから」
「ただモンスターの脅威に怯えてきた者たちからすれば、我らも同じ恐怖や畏怖の対象なのでしょうな」
わーちゃんがそういうと、マクロさんはうなづく。
「むう、ならば何か考えなければならないな」
オレはマクロさんから依頼料をうけとりギルドを後にした。
「しかしどうする? わーちゃん、野生に放つわけにはいかないし、オレはみんなと離れたくないんだけど......」
「ぴー......」
「クァク......」
「ギギ......」
「グゥ......」
「ガガ......」
皆も理解したのか悲しそうに答える。
「そうですな...... ならば人里はなれた場所に住居をかまえそこに住めばよいのではないでしょうか」
「住む場所か! なるほど! なんで考えつかなかったんだろ! 確かにそこから依頼場所に通えばいいな。 よしさっそく土地を探そう」
町を歩いて怯えている住民に聞きながら不動産屋を教えてもらう。
「やっぱあいてる土地はないな。 みんな誰かの土地なのか」
「まあ、ほぼ各々の王国の領土です。 私が意識のあるときでも領土争いはありましたしね。 まあ今はどうなっているかはわかりませんが」
「そうかどこの世界もせちがらいな。 一応15000ゴールドほどあるが、節約したいし...... あったここだ」
不動産屋を見つけ店に入る。
「いらっしゃ...... い!!!」
「ああ、もうそれはいいよ。 このモンスターたちは契約してるから安全だよ」
怯えた店主にそう話した。
「そ、そうですか、ああ、あなた噂のモンスターテイマーですね。 それでなにようですか」
「ほら、モンスターたちがいると町に住むと困るでしょ、色々。 だから空いてる土地とかないかな。 できるだけ広くて町からいける距離で」
「な、なるほど、まあそうですね...... ふーむ、あるにはありますがモンスターがでてほぼ放置状態ですよ」
(ふむ、放置状態か...... なら)
「お値段は安くなってると......」
「ええ、地価は半額以下ですね」
(ラッキー! しかしここで手綱を緩めてはいけない)
「なら、やはりもう少し下がるのをまった方がいいか......」
「ま、まってください! 今はお買い得ですよ! この先高くなるハズですから!」
(のってきたな)
「でも、モンスターがでるなら安くなっていくんじゃない。 かなり割安なら考えるけど」
「もちろんご奉仕させていただきます!」
(よし!!)
「例えば、この町から少しはなれた森の屋敷、この広さで5000ゴールドです。 電気、ガス、水道も月500! どうですかなりの物件では」
(そうか光熱費もあるのか...... なんか魔法で提供してるらしいな。 安いような気もするが、これからモンスターを仲間にするなら少し狭いな)
「もっと広くて安いところない」
「そうですね。 えっと土地だけならありますよ。 この西の森ここならさっきの五倍の広さで2000、建物を建ててもまあ5000てところです」
店主は地図を広げて教えてくれる。
(やっぱ5000か...... そこに光熱費月500、多分モンスターが増えてくれば、それではきかんし......)
オレが悩んでいるとわーちゃんが肩をちょんちょんと叩く。
「なに?」
「マスター、水辺が近くにあれば建物なら自分達で作ればよいのでは、この物件、川が通っていてかなりいいですよ」
「なるほど! それなら増築もできるか、ここの川って勝手につかっていいの?」
「ええ、川も土地に含まれますよ」
(まあ、当面雨風をしのければいいか、うまく作れなくても、増築はお金が入ってから頼めばいいしな)
「うむ、じゃあここで!」
「わかりました。 でもこちらあなた様の土地の権利書です。 ては契約を」
そう権利書を渡してくれた。
「よし! さっそくいってみよう」
オレたちはその森へと向かう。 丘からみえるその土地は、草木がうっそうと繁るが土地は広大だった。 地図でみたとおり、端の方にかなり大きな川がながれている。
「うむ、見事に木々と草だけだな」
「ですが、地面は平らで木を斬り倒せば住居はつくれますよ。 川から魚がとれそうですし、水もくめますしね」
「そうだな。 よし! オレとわーちゃんでギルドの依頼を取ってくるから、みんなでここを綺麗にしておいてくれ。 もし強いモンスターがでたら、みんなで一斉に逃げて決して戦わないように」
「ぴー!!」
「クァ!!」
「ギギ!!」
「グゥ!!」
「ガガ!!」
「うむ! ではいってくるよ」
オレはモンスターたちに仕事を任せ、わーちゃんとギルドへおもむく。
「なあ、わーちゃん。 人型のモンスターって他にいないの?」
「ほう、なぜです?」
「ほら、オレとわーちゃんしか町にいけないなら不便だろ。 わーちゃんには他のモンスターの護衛やサポートもしてほしいが、こっちにも必要だ。 他に言葉を話したりさまざまな知識をもつモンスターがいれば助かる」
「なるほど、人型で言葉を介するモンスターですか...... ええと、マーマンやマーメイド、ワーウルフ......」
「人魚とか半魚人か、見た目でわかるしな。 人狼も人型だけど、鎧とか着ないと」
「ふぅむ、あとはサキュバス」
「サキュバスってなんかセクシーお姉さんの! なんか! なんか! いい感じの!」
「い、いえ、それは人間の勘違いですな。 魔力をすいとるため人に近づくだけです」
「なんだ...... あとは」
「あとは姿を変えるオーガ、トロール、ヴァンパイアですかな」
「ヴァンパイア!! 吸血鬼!!」
「正確には血ではなく魔力をすいとるだけですが」
「仲間にできそう?」
「倒せれば...... ですが、かなり高位のモンスターで、倒すのは至難の業、我々だけで勝てるとは思えませんな」
「そうか、まあサキュバスが現実的な線か、でどこにいるの?」
「そうですな。 町などに紛れていると思いますが、私の時代とは違いますからね。 とりあえず近付けばわかると思います」
「じゃあエルフとか、ドワーフとかはいないの?」
「いますが、ドワーフが人と共生してるぐらいで、エルフは自分達の国にこもっていましたが、今どうなってるかはわかりませんな」
「そうなのか...... 残念」
オレたちはそんな話をしながら町へと入った。
「ダークスフィア」
俺の手より黒い玉が放たれ前方の岩を砕いた。
「お見事、闇属性のダークスフィアは完全に習得されました」
わーちゃんはガチャガチャと骨の手を叩く。
「ありがと、覚えられたよ」
(ただ、暗黒魔法しか覚えられなかったのが気になるが)
「他のみんなは」
「スラリーニョどのは、水属性アクアウェイブ。 あおまるどのは風属性ストームブースト。 スピどのは炎属性フレアシザーズ。 ロザドどのは土属性ロックファングの魔法を習得しましたな」
「おお! みんな覚えられたか!」
「ぴぴー!!」
「クァ!!」
「ギギ!!」
「グ、グ!!」
各それぞれが魔法を身に付けた。
「他に属性はあるの」
「光属性、聖属性、木属性、氷属性等がありますね。 まあそれぞれ得意不得意はあり、身に付けられる系統はひとつか二つですな」
「ほう、ということはオレは後ひとつは覚えられるかも」
オレたちは山の中腹へときた。 何かの音がする。
「みんな岩影に隠れよう」
ゆっくりのぞくと人の形をした岩のようなものが歩いている。 目が赤く光っていた。
「あれがゴーレムです」
「意外に小さいな。 二メートルくらいか、あれなら簡単に倒せそうだ。 みんなあいつを仲間にしたいから、めちゃくちゃしちゃだめだぞ」
「ぴー!」
「クァ!」
「ギギ!」
「グ!」
「ええ、では私から」
「いや、まって! みんなじゃ......」
オレが止めるのも聞かず、わーちゃんが闇の魔法を放つ。 それにあわせてみんな各自の魔法をはなった。 それは爆発となってゴーレムを包んだ。
「ちょっ! みんなまって! まって!」
焦ってみんなを止める。 見るとボロボロの穴だらけになりゴーレムは倒れていた。
「やりすぎだよ! わーちゃんポーションってゴーレムに効くの!?」
「え、ええ、効くとは思います」
オレは二、三個、体に空いた穴にぶっかける。 少しずつ再生が始まった。 ゴーレムが動くと、その目が赤くなくなっていた。
「よし! ゴーレム! 俺と契約だ!」
「ガガ」
ゆっくりと起き上がったゴーレムの胸に模様が輝いた。
「よし! 契約完了!」
「やりましたなマスター」
「ああ、でもみんなやりすぎだぞ。 魔法を全員で打ち込むなんて」
「ぴー......」
「クゥ......」
「ギギ......」
「グゥ......」
「すみません......」
皆反省している。
「まあ、魔法を覚えたてで使いたくなる気持ちはわかる。 が気を付けるように」
(......俺も使いたかったからな)
「ゴーレムの名前はゴレサンだ」
「ガガ!」
「さあ帰ろう」
オレたちは町へと戻る。 やはりみんなこっちをみている。
(まあ、ドンドン異様になっていくからな)
ガラスにうつるオレたち一行の姿をみて一人納得する。
「めちゃくちゃ増えてる!!」
「うん、増えちゃった」
ギルドでマクロさんがやはり驚いている。
「も、もう増やさないほうがいいんじゃ......」
「えっ、でも一体でも仲間にしたほうがみんなにも安全だよ」
「ま、まあそうですけど、なんか噂になっているんですよ」
マクロさんが側に来て小声で話す。
「噂?」
「モンスターを操る人間のことです」
「つまりオレだ。 有名になってんのか」
「ええ、でもいいことばかりじゃないですよ」
オレが笑顔になったのをみてマクロさんはため息をついた。
「えっ? どういうこと?」
「よく考えてみてください。 モンスターテイマーなんてこの世界にはいないんです。 それが急にモンスターを引き連れている人間がいる。 どう思われると思います」
「つまり、怪しまれているとマクロどのはもうされるのか」
わーちゃんが話しに加わる。
「は、話せるの! そのモンスター!?」
「ああ、わーちゃんは元人間らしいから」
「わーちゃん...... そ、そうなんだ。 いや、でもそのとおりで色々な噂がとびかっていてこれ以上増えていくと、危険な存在だと見なされるかもしれない」
心配そうに眉間にシワを寄せそういってくれている。
「モンスターをつれる人間など確かに異様ですな」
わーちゃんが腕を組みそういった。
(お前がいうのか!)
「なるほど、でもさ、優秀なんだよこの子達は、それに契約だってして安全なんだから」
「ただモンスターの脅威に怯えてきた者たちからすれば、我らも同じ恐怖や畏怖の対象なのでしょうな」
わーちゃんがそういうと、マクロさんはうなづく。
「むう、ならば何か考えなければならないな」
オレはマクロさんから依頼料をうけとりギルドを後にした。
「しかしどうする? わーちゃん、野生に放つわけにはいかないし、オレはみんなと離れたくないんだけど......」
「ぴー......」
「クァク......」
「ギギ......」
「グゥ......」
「ガガ......」
皆も理解したのか悲しそうに答える。
「そうですな...... ならば人里はなれた場所に住居をかまえそこに住めばよいのではないでしょうか」
「住む場所か! なるほど! なんで考えつかなかったんだろ! 確かにそこから依頼場所に通えばいいな。 よしさっそく土地を探そう」
町を歩いて怯えている住民に聞きながら不動産屋を教えてもらう。
「やっぱあいてる土地はないな。 みんな誰かの土地なのか」
「まあ、ほぼ各々の王国の領土です。 私が意識のあるときでも領土争いはありましたしね。 まあ今はどうなっているかはわかりませんが」
「そうかどこの世界もせちがらいな。 一応15000ゴールドほどあるが、節約したいし...... あったここだ」
不動産屋を見つけ店に入る。
「いらっしゃ...... い!!!」
「ああ、もうそれはいいよ。 このモンスターたちは契約してるから安全だよ」
怯えた店主にそう話した。
「そ、そうですか、ああ、あなた噂のモンスターテイマーですね。 それでなにようですか」
「ほら、モンスターたちがいると町に住むと困るでしょ、色々。 だから空いてる土地とかないかな。 できるだけ広くて町からいける距離で」
「な、なるほど、まあそうですね...... ふーむ、あるにはありますがモンスターがでてほぼ放置状態ですよ」
(ふむ、放置状態か...... なら)
「お値段は安くなってると......」
「ええ、地価は半額以下ですね」
(ラッキー! しかしここで手綱を緩めてはいけない)
「なら、やはりもう少し下がるのをまった方がいいか......」
「ま、まってください! 今はお買い得ですよ! この先高くなるハズですから!」
(のってきたな)
「でも、モンスターがでるなら安くなっていくんじゃない。 かなり割安なら考えるけど」
「もちろんご奉仕させていただきます!」
(よし!!)
「例えば、この町から少しはなれた森の屋敷、この広さで5000ゴールドです。 電気、ガス、水道も月500! どうですかなりの物件では」
(そうか光熱費もあるのか...... なんか魔法で提供してるらしいな。 安いような気もするが、これからモンスターを仲間にするなら少し狭いな)
「もっと広くて安いところない」
「そうですね。 えっと土地だけならありますよ。 この西の森ここならさっきの五倍の広さで2000、建物を建ててもまあ5000てところです」
店主は地図を広げて教えてくれる。
(やっぱ5000か...... そこに光熱費月500、多分モンスターが増えてくれば、それではきかんし......)
オレが悩んでいるとわーちゃんが肩をちょんちょんと叩く。
「なに?」
「マスター、水辺が近くにあれば建物なら自分達で作ればよいのでは、この物件、川が通っていてかなりいいですよ」
「なるほど! それなら増築もできるか、ここの川って勝手につかっていいの?」
「ええ、川も土地に含まれますよ」
(まあ、当面雨風をしのければいいか、うまく作れなくても、増築はお金が入ってから頼めばいいしな)
「うむ、じゃあここで!」
「わかりました。 でもこちらあなた様の土地の権利書です。 ては契約を」
そう権利書を渡してくれた。
「よし! さっそくいってみよう」
オレたちはその森へと向かう。 丘からみえるその土地は、草木がうっそうと繁るが土地は広大だった。 地図でみたとおり、端の方にかなり大きな川がながれている。
「うむ、見事に木々と草だけだな」
「ですが、地面は平らで木を斬り倒せば住居はつくれますよ。 川から魚がとれそうですし、水もくめますしね」
「そうだな。 よし! オレとわーちゃんでギルドの依頼を取ってくるから、みんなでここを綺麗にしておいてくれ。 もし強いモンスターがでたら、みんなで一斉に逃げて決して戦わないように」
「ぴー!!」
「クァ!!」
「ギギ!!」
「グゥ!!」
「ガガ!!」
「うむ! ではいってくるよ」
オレはモンスターたちに仕事を任せ、わーちゃんとギルドへおもむく。
「なあ、わーちゃん。 人型のモンスターって他にいないの?」
「ほう、なぜです?」
「ほら、オレとわーちゃんしか町にいけないなら不便だろ。 わーちゃんには他のモンスターの護衛やサポートもしてほしいが、こっちにも必要だ。 他に言葉を話したりさまざまな知識をもつモンスターがいれば助かる」
「なるほど、人型で言葉を介するモンスターですか...... ええと、マーマンやマーメイド、ワーウルフ......」
「人魚とか半魚人か、見た目でわかるしな。 人狼も人型だけど、鎧とか着ないと」
「ふぅむ、あとはサキュバス」
「サキュバスってなんかセクシーお姉さんの! なんか! なんか! いい感じの!」
「い、いえ、それは人間の勘違いですな。 魔力をすいとるため人に近づくだけです」
「なんだ...... あとは」
「あとは姿を変えるオーガ、トロール、ヴァンパイアですかな」
「ヴァンパイア!! 吸血鬼!!」
「正確には血ではなく魔力をすいとるだけですが」
「仲間にできそう?」
「倒せれば...... ですが、かなり高位のモンスターで、倒すのは至難の業、我々だけで勝てるとは思えませんな」
「そうか、まあサキュバスが現実的な線か、でどこにいるの?」
「そうですな。 町などに紛れていると思いますが、私の時代とは違いますからね。 とりあえず近付けばわかると思います」
「じゃあエルフとか、ドワーフとかはいないの?」
「いますが、ドワーフが人と共生してるぐらいで、エルフは自分達の国にこもっていましたが、今どうなってるかはわかりませんな」
「そうなのか...... 残念」
オレたちはそんな話をしながら町へと入った。
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