堕ちていく

愛梨

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堕ちていく

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ちぎれた雲の隙間から射し込む月明かり
闇に一人でいる私を優しく照らしてくれる
あなたと出会った時と同じ
ずっと一人で闇の中で苦しんでいた時あなたは私に手を差し出してくれた
あなたの優しさに包まれ
あなたの愛に包まれ
幸せな気持ちになれた

「死」ばかりを考えていた私
「生きていこう」と思った
あなたの為に
あなただけの為に
そう…
思っていた

雲の隙間から射し込んだ月明かりは厚い雲にまた覆われて消えてしまった
静かに
ゆっくりと
闇が広がっていく

あなたも同じ
私から離れていって消えてしまった
私の心にもまた闇が広がっていく
深く
深く
最初の頃よりも
ずっと深く闇に堕ちていく

あなたの居ない世界なんて
生きていく意味なんてない
あなたはちぎれた雲の隙間から射し込む月明かりと同じ
そっと光を与えるだけ
あなたはそんな存在…
永遠に光を私に与えてはくれない

もう私はそんな光すらあたらない深い深い闇に堕ちている
あなたは遠い存在
私に光を与えに来ないで…
与えるなら私は
もっと
ずっと深く深く堕ちていく
優しい光を永遠に与えて貰えないから

光から闇へ逃げていく
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