ブラックボックス　〜禁じられし暗黒の一角〜

parip　Nocturne

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第1章　相棒と別れと

仮想敵-2-

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　サイコロ状になったブラックボックスをポケットに入れる。
　儀式の会場がやたら騒がしい、新しい司祭が来て、また再開したのだらう。ちょっと覗くと、ブラックボックスがあり司祭が空中飛ばされている。司祭は体の力が抜けていて、ぐったりと垂れ下がっている。
　アーウェンが司祭を気絶させたことよりも会場で暴れている彼の方が注目されている。全員で彼を止めようとしている。
　「今のうちにここを出よう。あと寄りたいところがあるんだよね」
　ミストが言う。タスクは頷く。そのまま歩いて、大聖堂を後にする。警備も会場で暴れている彼に代用して、手薄になっている。悲鳴と、足音と、兵の怒号が飛び交っている。
　ミストに連れられて、後を追って行くと、街中を過ぎ、人通りがなくなり、誰もいない場所に連れてがれる。高い建物を抜けると前には平原が広がり空がどこまでも続いている。目の前に米粒みたいな、建物が見える。大きさがわからないくらい遠いのだろう。建物までの距離感がつかめない。
　「あそこの小さく見える所に行くよ」
　タスクは頷く。
　「警備兵は、気づいてない」
　ミストに、問い。警戒する。周りを見ても、木、一本ない。隠れるところもなく、気づかれず行くのは至難の業だ。
　「まだ、司祭で騒いでるんじゃないのかな」
　ミストは、建物の影から出て城に指を刺す。
　「あそこから、見張っていると思うんだけど、誰もいないんだよね」
　「そうか、それじゃあ急いで行こう」
　アーウェンは納得して、駆け足で建物に向かう。見つかるときは見つかるのだし。
　「やっと着いた、中々遠かったな」
　馬小屋のような形で小さい建物になっている。そこにはブラックボックスが積まれていて奥まで詰まっている。
　「これ全部ブラックボックスか、それで何でここに連れてきたんだ」
　アーウェンはブラックボックス、触りながらミストに聞く。
　「写身の儀でパートナーとして選ばれたモノが強くなる方法はみな変わらないどうすれば良いと思う」
　ミストは悩ましい顔で聞いてくる。
　「戦闘を積み経験値をいかして…」
　アーウェンが辿々しく答えるとミストが　話出す。
　「Lvをあげるとゆうことね」
　レベルという概念があるんだとアーウェンは驚く。ミストは続ける。
　「それで、PvPした後、勝った方が食べちゃったって聞いたことない」
　アーウェンは驚く。PvPとゆう概念もあるのだと。
　PvPとはプレイヤーvsプレイヤーの略、ゲームで言うコンピュータ（CON）がいない対人ゲームこと。人対人と言うことだ。
　「レベルやPvPはこの世界でも通じるんだね、ああ、相手のパートナーを食べた話は聞いたことあるよ」
　ミストは何度も頷く。
　「ウンウン、なんで食べるか…」
　アーウェンが何か訴えるように目で訴えかけてくる。ミストは気づき狼狽える。
　「あ、え…ああ……」
　アーウェンはレベ…と言いかける。
　「レベルの話だね、レベルやPvP、pcにコンソールは君から伝わって届いた言葉だよ。君が知っていることを共有出来るんだよ。たとえば、生姜焼きは豚ロースを生姜と醤油ベース…の甘だれを絡めなが焼く、それが美味しんだよね」
　確かにこの世界には醤油が無い、いやミストはこの世に生まれたばかりだ、まだ何も知らないはずだ。
　「なるほど………」
　アーウェンは手を顎に当てもう一つ、の手をひじに乗せて考える。
　（ミストは何か言っていたような…）
　思い出した。この間5秒、恥をかかせるわけにはいかない。
　「えーと、なぜPvPしたとき、パートナーが相手を食べたかだね。うーんわかんないや、セントディアに来る前にPvPをやっていて両方、同じだった犬だったけ3mくらいの」
　ミストは頷く。
　「うん、そうそうそれで一人がやめてくれって。彼は知っていたんだよね、食べることを」
　アーウェンはまたミストが共有したんだなと思った。何か重要なことを忘れている気がする。
　お互いに沈黙してしまう。
　「あ…ごめん…」
　「じゃあ…」
　アーウェンとミストが同時に喋ってしまう。気まずい。
　「わからないよ、答え教えて」
　アーウェンはミストに答えを聞こうと思う。
　「しょうがないな…」
　（何答えれば良いんだっけ）
　こちらに向かってくる人がいる。どこかで見たような。
　「それは捕食することで…」
　ミストが何かに気付きブラックボックスを出すように言う。
　「会場で暴れていたのは彼、ここもバレるかもしれないから早く、積まれているブラックボックスにアーウェンのブラックボックス当てて」
　近づいてくる男はまた話しかけてくる。
　「心配いらない…」
　アーウェンはブラックボックスにブラックボックスを当てると、凄い勢いでブラックボックスの中にブラックボックスが入っていく。アーウェンが持っているブラックボックスは変化が見れない。

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